本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(408)
- 2023年 4月 28日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
景気と金利
「投資の実践」において、大きな妨げとなるのが、「言語が明瞭でありながら、意味が不明な言葉」だと考えているが、実際には、「リスクオンやリスクオフなどの相場用語」であり、また、「データ資本主義やMMT(現代貨幣理論)などの経済用語」のことである。つまり、現在の「経済の説明」については、「歴史を振り返りながら、どのような商品や通貨が、どのような経緯を経て産み出されてきたのか?」などを考えることなく、単に、「現状説明に有用な言葉が用いられてきた状況」のようにも感じられるのである。
そして、この点に関して、現在、気になるのが、「景気と金利」という言葉であり、実際には、「景気が悪化すると、金利が低下する」という意見が、頻繁に聞かれるとともに、「国債の買い付け」に利用されている可能性のことである。別の言葉では、依然として、「デリバティブを利用した価格操作」が実施されている状況のようにも思われるが、この際に使われているのが、前述の「景気と金利」とも言えるのである。
そのために、今回は、「なぜ、この点に問題があるのか?」を考えてみたいと思うが、実際には、「実体経済の悪化」が「税収の減少」に繋がるとともに、「国債」に関して、「発行残高の増加と買い手の減少」に見舞われるものと考えられるからである。つまり、現在のように、「GDPの数倍の規模で国債が発行され、また、デリバティブで国債が買い支えられているような状況」においては、「景気の悪化が、金利の上昇を引き起こす可能性」が高まっているものと想定されるのである。
より具体的には、「デリバティブと債務の金融ツインタワー」の崩壊により、今後は、「金利の急騰」と「ハイパーインフレの発生」が想定される状況でありながら、実際には、「景気の悪化を理由にして、国債が買われている状態」となっているのである。つまり、「相場の落とし穴」とも言える局面に差し掛かっているようだが、この時に必要なことは、「今回の銀行危機が、今後、どのような展開を見せるのか?」を理解することだと考えている。
別の言葉では、「過去の歴史」を振り返りながら、「お金の謎」や「金融システムのメカニズム」を理解することでもあるが、今回、私が感じたことは、「1600年前の西ローマ帝国にまで、時代を遡る必要性」だった。つまり、「本来のお金である金(ゴールド)」に関して、現時点で必要とされることは、「どのようなメカニズムで、『信用創造』と呼ばれる『貨幣の創造』が可能だったのか?」、あるいは、「なぜ、1971年のニクソンショックから、『信用本位制』と呼ぶべき通貨制度が始まったのか?」の理解とも思われるのである。(2023.4.5)
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現代版の「裸の王様」
4月5日から「将棋の名人戦」と「藤井聡汰六冠による七冠目への挑戦」が始まったが、「藤井六冠」については、「現代版の『裸の王様』の実践者」のようにも感じている。つまり、「AI(人工知能)」を駆使することにより、既存の常識である「定石」を破壊しているからだが、このことは、同時に、「王様の身分や地位などを証明する『王冠』や『マント』、あるいは、『杖』などの存在を無用なものにした状況」を表しているものと考えている。
別の言葉では、「現代版の『裸の王様』の定義」として、「自分の才能だけを頼りにして、努力を続ける人」が挙げられるとともに、この時に重要なポイントは、「社会科学の次元的な上昇への貢献」とも思われるのである。つまり、「昔の王様」にとって必要なものは、「自分の身分などを証明する道具」でもあったが、「現代の王様」とも言える人々に必要とされるものは、「真理を追究する態度」のようにも感じられるのである。
より具体的に申し上げると、「自然科学の次元上昇」に貢献した「ケプラー」や「ニュートン」などは、「四次元の理論」を導入することにより、「三次元の自然科学」に存在していた「天動説」などの「誤った考え方」を排除することが可能だったことも理解できるのである。つまり、「時間と空間との関係性」に関して、「シュペングラーが指摘する『成ったこと』の正当性と『成ること』の曖昧さ」が証明されたことにより、「人々の努力が効率的な状況」へ変化したものと考えられるのである。
別の言葉では、「未来の株価予測」などに関して、「投資におけるランダムウォーク理論」のような「正規分布が必要とする無限の可能性の解明」ではなく、「時間のサイクル理論」のように「今、何故、このような事件が起こるのか?」を、歴史を遡り解明する態度のことである。つまり、「今回の金融混乱」については、「3000年ほど前の歴史にまで遡りながら、マネー理論や文明法則史学の応用により、予測が可能だった」という思いを抱くとともに、「この方法を進化させることにより、今後の社会科学の次元上昇に光明が見えてきたのではないか?」とも考えているからである。
そして、この時に必要とされることは、「人爵」と言われる「地位や名誉、そして、お金」などを求める態度ではなく、「天爵」と言われる「真理や神の智慧に、どれほど辿り着くことができたのか?」を考える態度とも思われるのである。つまり、「西洋文明が求める外面の価値ではなく、東洋文明が求める内面の価値を求める人々こそが、現代版の『裸の王様』ではないか?」ということである。(2023.4.6)
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景気と金利
「投資の実践」において、大きな妨げとなるのが、「言語が明瞭でありながら、意味が不明な言葉」だと考えているが、実際には、「リスクオンやリスクオフなどの相場用語」であり、また、「データ資本主義やMMT(現代貨幣理論)などの経済用語」のことである。つまり、現在の「経済の説明」については、「歴史を振り返りながら、どのような商品や通貨が、どのような経緯を経て産み出されてきたのか?」などを考えることなく、単に、「現状説明に有用な言葉が用いられてきた状況」のようにも感じられるのである。
そして、この点に関して、現在、気になるのが、「景気と金利」という言葉であり、実際には、「景気が悪化すると、金利が低下する」という意見が、頻繁に聞かれるとともに、「国債の買い付け」に利用されている可能性のことである。別の言葉では、依然として、「デリバティブを利用した価格操作」が実施されている状況のようにも思われるが、この際に使われているのが、前述の「景気と金利」とも言えるのである。
そのために、今回は、「なぜ、この点に問題があるのか?」を考えてみたいと思うが、実際には、「実体経済の悪化」が「税収の減少」に繋がるとともに、「国債」に関して、「発行残高の増加と買い手の減少」に見舞われるものと考えられるからである。つまり、現在のように、「GDPの数倍の規模で国債が発行され、また、デリバティブで国債が買い支えられているような状況」においては、「景気の悪化が、金利の上昇を引き起こす可能性」が高まっているものと想定されるのである。
より具体的には、「デリバティブと債務の金融ツインタワー」の崩壊により、今後は、「金利の急騰」と「ハイパーインフレの発生」が想定される状況でありながら、実際には、「景気の悪化を理由にして、国債が買われている状態」となっているのである。つまり、「相場の落とし穴」とも言える局面に差し掛かっているようだが、この時に必要なことは、「今回の銀行危機が、今後、どのような展開を見せるのか?」を理解することだと考えている。
別の言葉では、「過去の歴史」を振り返りながら、「お金の謎」や「金融システムのメカニズム」を理解することでもあるが、今回、私が感じたことは、「1600年前の西ローマ帝国にまで、時代を遡る必要性」だった。つまり、「本来のお金である金(ゴールド)」に関して、現時点で必要とされることは、「どのようなメカニズムで、『信用創造』と呼ばれる『貨幣の創造』が可能だったのか?」、あるいは、「なぜ、1971年のニクソンショックから、『信用本位制』と呼ぶべき通貨制度が始まったのか?」の理解とも思われるのである。
今から40年前の1983年、米国の大学で「MBA」を取得した私は、意気揚々と、米国のファンドマネージャーたちとの取引を開始したが、当時、言われたことは、「MPT(現代ポートフォリオ理論)は、ほとんど実践の役に立たない」ということだった。そして、その後の「約40年間」を振り返ると、「まさに、この言葉のとおりだった」という感想を抱いている状況でもあるが、この理由として挙げられるのは、やはり、「ランダムウォーク理論」などの「西洋投資理論の問題点」とも言えるようである。
別の言葉では、「MPTとMMT(現代貨幣理論)が、将来的に、西洋投資理論の問題点だった」と言われる可能性でもあるが、実際には、「市井の経済学者」である「高橋亀吉氏」が指摘するとおりに、「実体経済とマネーとの関係性」や「西洋医学的ではなく、東洋医学的な問題の対処法」などが、相場の実践で必要とされる状況のことである。つまり、「実体経済を表すGDPと比較して、約10倍の規模にまで膨らんだ現在のマネー」に関して、「どのような推移とメカニズムで、このような情勢が発生したのか?」などを理解することでもあるが、実際には、これらの視点が欠如しているために、「現在の金融混乱」が、多くの人々にとって、ほとんど理解不可能な状況のようにも感じられるのである。
より詳しく申し上げると、「西洋医学」のように、「現在の病気の原因となっている部分を切り取るような対処法」ではなく、「東洋医学」のように、「どのような生活と習慣が、現在の問題を引き起こしたのか?」を考える対処法のことである。そして、この方法で「現在の金融混乱」を見ると、「過去40年間に発生した『世界的な金利低下』と『アメリカ株の上昇』の原因」である「デリバティブの大膨張と、その後の量的緩和(QE)」が、根本的な原因として指摘できるものと考えられるのである。
しかも、今後は、すでに始まった「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務」という「目に見えない金融ツインタワー」の崩壊が理解できない限り、相場に対応不可能になる可能性も想定されるのである。ただし、この結果として予想される変化は、「経済学などの社会科学が、3次元から4次元へ上昇する可能性」でもあるが、この時に参考になるのが、「300年ほど前の自然科学の次元上昇」だと考えている。
つまり、「ケプラーからニュートンへ」という言葉のとおりに、「万有引力の法則」が発見され、「自然科学が、4次元へ移行した状況」のことでもあるが、今後は、「AI(人工知能)」などの応用により、「社会科学」で、同様の発展が見込まれるものと感じている。(2023.4.10)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion12989:230428〕
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