SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】178 国連総会一般討論でノーモア<ラストコロニー>
- 2016年 9月 26日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
パン・ギムン国連事務総長はとても偉いんです。 国連憲章100条によると、国連事務総長はいかなる国の政府からも、いかなる当局からも指示を受けません。 国連憲章97条によると、事務総長は、国連の行政職員の長であるとともに、総会、安保理、経社理、信託統治理事会から委託される任務を遂行します。 同99条によると、国際平和・安全維持への脅威について、安保理に注意を促すことができる権限が与えられています。 つまり、国連事務総長は国際紛争の「仲介」ができるわけで、これまでパン国連事務総長は、イラク、リビア、シリア、ナイジェリア、マリ、中央アフリカ、南スーダン、そして西サハラなどの紛争に手を付けてきました。 が、どの地域にも平和の兆しはありません。
平和を実現できないパン国連事務総長の手に、唯一残った平和の切り札、、国連主導の「国連西サハラ住民投票」です。 以下に、住民投票を促す演説の一部を紹介します。
(1)スペインの西サハラ支援演説:
2016年9月20日、スペイン国王フェリペⅥ世が、ニューヨーク国連総会一般討論演説で、初めて西サハラ脱植民地化問題に言及した。国王は、「わが国は、長期にわたるこの西サハラ紛争を平和的解決しようとする国連の努力を評価する。解決策は西サハラ住民の民族自決権と脱植民地化を目指すものでなければならない」と、国連を鼓舞し、「モロッコとポリサリオ戦線西サハラ難民政府は、両当事者の直接交渉で解決策を見出していくべきだ」と、促した。もしスペインが無関係な第三国だったら、お説ごもっともと、感心するのだろうけど、ちょっと待って! スペインは立派な関係国で、しかも、国際法的には現在も<西サハラ宗主国>なのだ。1984年に西サハラを植民地にしたスペインは、1975年に西サハラをモロッコとモーリタニアに分譲したが、国連も国際司法裁判所も西サハラ住民もこの分譲を認めていない。従って、杜撰なことに、スペインは西サハラ脱植民地化に決着を付けていない。ヨーロッパ人は図々しくもあり狡くもあり、、
(2)アルジェリアの西サハラ支援演説:
9月22日、アルジェリア国務大臣兼外務大臣ラムタネ・ラマムラが国連総会一般討論会で、「今年は、国連主導の西サハラ紛争解決は全く進展が見られなかった。国連と国連安保理が主導権を失い、この長期紛争に決着をつけれなかった。この状況が、一日も早い結論を求められている問題にもかかわらず、ズルズルと先延ばしにされている。どの国も、誰も、これ以上アフリカと中東の紛争を突っつきたくないと思っている」と、消極的な国連安保理を非難した。
(3)ニカラグアとヴェネズエラの西サハラ支援演説:
9月23日、国連脱植民地化運動を推進している諸国のうち、ニカラグアとヴェネズエラが国連総会一般討論会で演説した。
ニカラグア副大統領モイセス・オマル・H・アチェヴぇドは、「貧困と格差が発展途上国でますます拡大している。特に、植民地被支配国や外国の強い干渉下にある国々で顕著だ。我々は緊急に軍事介入を排除し、国連が植民地と指定している地域住民の民族自決権を行使し、地域の未来を地域住民に委ねなければならない」と、国連脱植民地を鼓舞した。
9月23日、ヴェネズエラ外務大臣デルシ・E・R・ゴメスは同じ会場で、「地球規模の格差は、ごく少数の金権主義諸国と大多数の貧乏諸国の間で、如実に見られる。特にアメリカという軍事大国は、600,000,000,000$以上を年間兵器予算に計上している。その金を、難民支援や戦争復興や植民地救済に回す積りなんて、アメリカにはない。アメリカの武器で潤っているのは、テロリストに他ならない」と、外務大臣はアメリカの戦争経済を非難した。
(4)キューバの西サハラ支援演説:
9月23日、キューバ外務大臣ブルノ・ロドリゲスが国連総会一般討論会で、「我が国は、国連決議に基ずく行動を支援する」と、所信を表明した。さらに。「西サハラ問題は、国連決議に基ずく西サハラ人の民族自決権を保障するものである。西サハラ人が彼らの故郷で、合法的に平和に生活を楽しめるよう、我々は協力を惜しまない。そのための第一歩が、民族自決権行使を目指す、<国連西サハラ住民投票>が、早急に望まれる」と、<国連西サハラ住民投票>を促した。
9月23日、ナムビア大統領ハゲ・ゲインゴブは国連総会一般討論会で、「西サハラ人の民族自決権を目指す<国連西サハラ住民投票>を全面的に支持する。西サハラ人には、自由に自らの将来を決める権利がある」と、演説した。
とても偉いパン・ギムン国連事務総長殿、 その権限をフルに利用して、国連安保理を動かしてください。 さっさと<国連西サハラ住民投票>の日程を決めてください。 モロッコがMINURSO(国連住民投票監視団)国連要員の職場復帰を拒否し続けるのなら、モロッコに制裁を科すべきです。 北朝鮮の様に、、
パン・ギムン国連事務総長は別名を、<油をさしたウナギ>と呼ぶそうです。 その心は?ご想像にお任せします。 折しも、ウナギ絶滅を危惧した国際社会が日本に圧力をかけはじめたようです。 隣人のよしみで、お願い事ばかりですみませんが、ウナギの件もよろしくお願いいたします。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年9月26日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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