【紹介】防衛費の膨大な増加に抗議し、教育と社会保障への優先的な公的支出を求める声明
- 2018年 12月 27日
- 交流の広場
- 杉原浩司
さる12月20日、青山学院大学法学部の申惠ボン(シン・ヘボン/「ボン」
は横棒3本に縦棒1本の漢字)教授、徳岡宏一朗弁護士が発起人となり、計
233人の研究者・法曹実務家の皆さん(強力な顔ぶれです)が呼びかけ・
賛同人に名を連ねて、「防衛費の膨大な増加に抗議し、教育と社会保障へ
の優先的な公的支出を求める声明」を公表されました。
外国特派員協会での記者会見の模様は、東京新聞、毎日新聞(都内版)、
日刊ゲンダイなどで報じられ、開設されたばかりのツイッターアカウント
https://twitter.com/jinkenkiyaku のフォロワーはあっという間に2800
人を突破しています。
声明は武器購入、福祉予算の削減、貧弱な教育支出というそれぞれの問題
の現状とつながりを明確にしたうえで、こうした政策が「憲法の社会権規
定に反するだけでなく、国際人権社会権規約にも反する」と厳しく批判し
ています。
ぜひ、声明をご一読ください。年明けには市民向けの署名運動と政府への
提出が予定されています。タイムリーで説得力のある素晴らしい取り組み
だと思います。ぜひご注目を。そして、ツイッターをされている方はぜひ
フォローしてください。
★防衛費の膨大な増加に抗議し、教育と社会保障への優先的な公的支出を求める声明
(2018年12月20日 研究者・実務家有志一同) ※英文もあり
https://blog.goo.ne.jp/shakaiken/e/d690746f80d460229ded47262f52230b
<声明の趣旨>(上記声明より)
世界的にも最悪の水準の債務を抱える中、巨額の兵器購入を続け、他方で
は生活保護や年金を引き下げ教育への公的支出を怠る日本政府の政策は、
憲法と国際人権法に違反し、早急に是正されるべきである。
1.安倍政権は一般予算で史上最高規模の防衛予算を支出しているだけで
なく、補填として補正予算も使い、しかも後年度予算(ローン)で米国か
ら巨額の兵器を購入しており、これは日本国憲法の財政民主主義に反する。
2.米国の対日貿易赤字削減をも目的とした米国からの兵器「爆買い」で、
国際的にも最悪の状態にある我が国の財政赤字はさらにひっ迫している。
3.他方で、生活保護費や年金の相次ぐ切り下げなど、福祉予算の大幅削
減により、国民生活は圧迫され貧困が広がっている。
4.また、学生が多額の借金を負う奨学金問題や大学交付金削減に象徴さ
れるように、我が国の教育予算は先進国の中でも最も貧弱なままである。
5.このように福祉を切り捨て教育予算を削減する一方で、巨額の予算を
兵器購入に充てる政策は、憲法の社会権規定に反するだけでなく、国際人
権社会権規約にも反する。
<参考>
防衛費増大に抗議声明 大学教授ら「人権規約に反する」(12月21日、東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122102000132.html
12月20日、外国特派員協会での記者会見映像
https://www.youtube.com/watch?v=F6qYPBdx5ac&app=desktop
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