SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】314 西サハラ・アクション-Western Sahara Action‐キャンペーン
- 2019年 4月 22日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
4月29日に、国連安保理がミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の扱いに、結論を出します。 その頃の日本は春眠の真っ最中です。 どんな結論が出てくるのか?お休みのところ恐縮ですが、4月30日頃に西サハラ最新情報315を発信します。
ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は1991年に国連安保理が任命した、PKO平和維持軍の組織です。 しかし、28年経った今、名称に詠われている<人民投票>に関する仕事は、全くやっていません。 しびれを切らせたジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官殿が、金と時間の浪費にすぎないミヌルソMINURSOは「ファイヤー(首だ~)」と、喚いておられます。
MIINURSO存続のためのキャンペーンが、西サハラのみならずモロッコでも始まりました。 実は、モロッコの方がミヌルソMINURSOのズルズル存続を願っています。 そして、国際社会が西サハラなど忘れてくれるのを待っているのです。
(1) ハッダド、ロシアに行く:
2019年4月16日、「西サハラ・アクション」のキャンペーンを呼びかけるメールが、ポリサリオ西サハラ難民政府から入った。キャンペーンに先駆けて、4月14日にミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の西サハラ難民政府代表を務めるムハンマド・ハッダドがロシアに入り、ロシア国営通信スプークトニクのインタヴューに応じた。ハッダドは、まず、西サハラの民族自決権を尊重するロシア政府に感謝した。そのうえでハッダドは、「ポリサリオ西サハラ難民政府は、西サハラ人民の基本的な民族自決権を侵害している<モロッコEU漁業協定>に強く抗議する。西サハラ領海を含むモロッコEU漁業協定は国際法に違反し、CJEU(EU司法裁判所)の判決も無視している。西サハラ人は、我々の天然資源を略奪するいかなる行為も許さない。CJEUに訴え続ける」と、力説した。
2019年1月、ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは、「西サハラ紛争に関してロシアは、国連安保理決議を尊重する。安保理の和平案である国連西サハラ人民投票を支持する」と、モロッコの首都ラバトでモロッコに対して、ロシアの立場を明解にしている。
(2) ブリタ、ロシアに追っかける:
4月末にミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の存続を問う採決が国連安保理で行われることに対して、モロッコも<モロッコ外交アクション・キャンペーン>を始めた。
ロシア・アクションに関して、ポリサリオ西サハラ難民政府に遅れを取ったモロッコ外務大臣ナセル・ブリタは、慌ててハッダドの後を追いロシアに入った。それも、<アラブ・ロシア・フォーラム>参加者の一員として訪れたのだった。4月17日、モロッコ外務大臣ブリタは、スプートニクにインタヴューを売り込んだ。ブリタは先ず、「西サハラ紛争に関して、現実的な政治的解決を要求する」と、モロッコの立場を強調した。そして、「モロッコは国連安保理決議に対抗する策を企んでいるのではない」とした上でブリタは、「もし対峙する一派が真摯なら、彼らにモロッコはモロッコ地方自治案を提示する用意がある」と続け、「北アフリカの国(モロッコのこと)は、2007年にモロッコが国連に提出した地方自治案に代わる、いかなる提案も断固として拒否する」と、結論づけた。
4月18日、モロッコ外務大臣ブリタは、モロッコ木曜定例閣議で、モロッコと西サハラの円卓会議後の経過報告をした。閣議後の記者会見でモロッコ王国報道官ムスタファ・エルハルフィは、「ブリタは国際的プレイヤーたちと、西サハラ問題を話し合いモロッコの立場を彼らに説明した。ブリタは先週、湾岸諸国を歴訪し、今週の初めにはロシアを訪問した」と、発表した。が、報道官はどこの国のプレイヤーなのかは明かさなかった。さらに報道官は、「北アフリカの国は、非現実的で非常識な討論を続けるつもりなどまったくない」と、国連事務総長個人特使が主催する国連交渉に対して警告を発した。
(3) オマル、国連安保理4月議長に直訴:
4月16日、ポリサリオ西サハラ難民政府の国連代表シディ・オマル博士は、国連安保理4月議長でドイツ国連代表クリストフ・ホーシェンと会談した。会談は、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の任期延長に関して、4月1日、国連安保理にオマル博士が提出した報告書に焦点が絞られた。オマル博士はこの機をとらえて、ポリサリオ西サハラ難民政府の意向と、4月9日にオマル博士が再度国連安保理メンバーに送った手紙に関しても、補足した。オマル博士は、改めて国連が西サハラ人に保障する民族自決権行使に基づいて、国連西サハラ人民投票の早期実現を要請した。
左にポリサリオ西サハラ難民政府の国連代表シディ・オマル博士、
右に国連安保理4月議長でドイツ国連代表クリストフ・ホーシェン
4月16日の「ウェスタン・サハラ・アクション!(西サハラ・アクション)」と題されたポリサリオ西サハラ難民政府からのイーメールは、「ミヌルソMINURSOの任期を延長するかどうかを問う、国連安保理投票が迫っている!時がきた、決起せよ!!」と、些か興奮気味だった。そして、「せっかく国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領の努力を無にするな!彼が昨年以来築いてきた両者交渉の場は、長期紛争解決への道につながる」と、結んだ。
西サハラにお題を頂いて、私たち日本の庶民も国連を応援しませんか? 褒め言葉だけではなく、苦言や𠮟責なども応援になります。
思いつかれるままにご投稿いただければ、幸いです。
outubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年4月18日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion8590:190422〕
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