原発週報 7.10-7.16 編集:漆原牧久
- 2024年 7月 22日
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- 原発週報漆原牧久
高浜20年延長、福井県も容認
2024年7月10日 5時00分 朝日新聞デジタル
来年で運転開始から40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について福井県は9日、関電側に20年間の運転延長を容認する考えを示した。県庁を訪れた関電原子力事業本部長の水田仁副社長に中村保博副知事が伝えた。高浜3、4号機については、原子力規制委員会が5月に60年運転を認可。県や町の同意は運転延長の要件ではないが、6月には野瀬豊・高浜町長が受け入れを表明した。
柏崎刈羽 再稼働へ後押し意向 経済同友会・新浪氏
2024/07/10 05:00 読売新聞
経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)は9日、新潟市内で開かれた新潟経済同友会の30周年記念式典であいさつし、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けて後押しする考えを示した。新浪氏は、「首都圏へ今まで本当に多大なるサポートをしていただいた」と同原発が果たした役割を評価した上で、「感謝の念を込めて、私たち経済同友会が国や事業者に物を言っていかなければならない」と述べた。
飯舘のバイオマス発電所が7月中旬に稼働へ 非除染エリアの木材利用
2024年7月10日 11時00分 朝日新聞デジタル
福島県飯舘村の南東部にある蕨平(わらびだいら)地区で今春、木質バイオマス発電所が完成した。放射性物質の除染がされていない県内の森林の木材を中心に年約9万5千トンを燃やす計画で、今月中旬に稼働を予定している。完成したのは「飯舘みらい発電所」。東京電力や熊谷組などが出資する「飯舘バイオパートナーズ(IBP)」が事業を担う。総事業費は約100億円。飯舘村が全面積の7割を占める森林の再生などを目的に発電所を誘致し、国の福島再生加速化交付金約62億円をあてた。
浜岡原発「安全なら稼働」41% 静岡・掛川の市民意識調査
2024/7/10 22:29 毎日新聞
静岡県掛川市は10日、今年度の市民意識調査の結果を公表した。浜岡原発の今後についての回答は「安全が確認できれば稼働した方がよい」が4割を超えて最も多く、「廃炉にした方がよい」「停止しておいた方がよい」を合わせた回答を上回った。久保田崇市長は「中部電力が安全対策をしっかり講じて、それを市民が理解することが再稼働の条件。そうでなければ再稼働はありえない」と語った。
猛暑で電力融通11回 東京や関西、太陽光少ない朝夕逼迫
2024年7月11日 11:15 日本経済新聞
猛暑が連日続き、朝や夕方に電力需給が逼迫する事態が相次いでいる。各地で最高気温が35度を超えた8日には東京や関西で電力が足りなくなり、余力のある中部地方から送ってもらって乗り切った。発電所の故障などが背景で、今夏の融通はすでに11回と過去3番目に多い水準に達している。
韓国、欧州4カ国と原発協力で協議
2024年7月11日 21:40 日本経済新聞
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10日、チェコ、オランダ、スウェーデン、フィンランドの4カ国首脳と新規の原子力発電協力などをめぐって相次いで協議した。チェコのパベル大統領との会談では、チェコの新規原発4基の入札結果が7月中に出ることを踏まえ、原発受注に関して意見交換した。
東電柏崎刈羽原発でスマホ無許可持ち込み 23年度も発生
2024年7月11日 18:48 日本経済新聞
柏崎刈羽原子力発電所では2023年度にも無許可のスマホ持ち込みが複数発生していた
東京電力ホールディングス(HD)は11日、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で作業員が無許可で原子炉建屋の手前にある「周辺防護区域」までスマートフォンを持ち込んだ事例が3月に2件あったと発表した。
GE系が日本の電力市場予測、30年に最大25%出力制御
2024年7月11日 16:32 日本経済新聞
発電設備などを手がける米GEベルノバは11日、日本の電力市場の将来予測をまとめ、公表した。再生可能エネルギーの導入や原子力発電所の再稼働が進むことで、再生エネの稼働を一時的に抑える出力制御が2030年に最大25%に達するとした。出力制御をすると本来の能力より発電量が少なくなり、制御分が無駄になってしまう。日本の電力業界の見通しなどについて、原発再稼働や再生エネの導入量の予想などを踏まえ、将来見通しを4つのシナリオに分類して分析した。
原子力規制庁が全国7原発の地盤隆起対応「問題なし」と評価
2024/7/11 18:55 産経新聞
原子力規制庁は11日、全国の7原発で想定を超える地盤隆起が起きた際の対応について「実効性を確認した。全体を通して問題はなかった」と評価した。各電力会社が実施した訓練を通じ、原子炉や使用済み核燃料の冷却に必要な海水のくみ上げに支障はないと判断した。今年1月の能登半島地震で大規模な地盤隆起が発生しており、各社に対応を求めていた。
バイデン大統領、原発拡大法に署名…「電気を食うカバ」AIに対応
7/11 8:28 中央日報
バイデン米大統領が9日(現地時間)、原発拡大方針を盛り込んだ法案に署名した。「電気を食うカバ」と呼ばれる生成型人工知能(AI)およびデータセンターの拡充による発電需要のほか、主要7カ国(G7)が合意した「2035年石炭火力発電全面中断」ロードマップに対応するためだ。この日、バイデン大統領は新規原発許可のための手続きを加速し、許可に必要な手数料を軽減する内容を盛り込んだ「クリーンエネルギーのための多目的先端原子力配置加速化法案(ADVANCE Act)」に署名した。次世代原発と呼ばれる小型モジュール原子炉(SMR)の開発と建設に弾みがつく見通しだ。
放射線技師の養成大学が横須賀市に進出へ 原発の人材育成の学科も
2024年7月12日 11時00分 朝日新聞デジタル
診療放射線技師養成の専門学校「中央医療技術専門学校」を運営する学校法人中央医療学園(東京都葛飾区)は10日、同学校を大学に改編し、電波・情報通信技術の研究開発機関が集まる神奈川県横須賀市の横須賀リサーチパーク(YRP)に移転すると発表した。
関電が美浜、大飯も申請 使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設の設置へ
2024/7/12 19:50 産経新聞
関西電力は12日、福井県の原発構内に計画している使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設設置に向け、美浜原発(同県美浜町)と大飯原発(同県おおい町)の原子炉設置変更許可を原子力規制委員会に申請した。高浜原発(同県高浜町)はまず使用済み燃料約240トン分を3月に申請し、審査が進んでいる。今回申請したのは、美浜、大飯両原発構内に設置する全3カ所の施設。
イタリア 原子力発電再開の検討が本格化
7月12日 原子力産業新聞
イタリア政府は7月1日、欧州委員会(EC)に「国家エネルギー・気候計画」(NECP)の最終文書を提出した。同国が原子力発電計画の再開を決定した場合の原子力発電規模のシナリオを示している。NECPは、EU加盟国が脱炭素化やエネルギー効率、再生可能エネルギーなどの実施計画を含む、気候変動目標と行動を詳述した文書。
原発再稼働中止求める市民団体「東北電力が回答 安全を軽視」
7月12日 17時24分 NHK
ことし9月ごろ再稼働する予定の女川原子力発電所2号機に対し、再稼働の中止などを求める市民団体の要請について東北電力が回答したとして、12日、「能登半島地震の知見を踏まえずに再稼働するのは安全を軽視している」と述べました。東北電力は、女川原子力発電所2号機についてことし9月ごろの再稼働を目指していて、先月、県内55の市民団体が東北電力と県に対し、再稼働の中止を求める要請書を手渡しています。
中間貯蔵施設 知事月内にも「総合判断」 安全協定締結 県民説明会不安の声 「最終処分地になる」 2024/07/13 05:00 読売新聞
今年7~9月の操業開始を目指す「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)の安全協定締結が大詰めを迎えている。宮下知事は今月中にも締結について「総合判断」を下す見込みだ。今月上旬に県内6か所で開かれた県民説明会では、搬出先の使用済み核燃料再処理工場の完工時期が不明確なことから、「最終処分地になる」などの不安の声が上がった。
東電福島第1原発周辺のトリチウム濃度、検出の下限値未満 処理水放出で海水分析
2024/7/13 17:17 産経新聞
東京電力は13日、福島第1原発周辺で12日に採取した海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を分析した結果、検出できる下限値未満だったと発表した。東電は6月28日から7回目の処理水放出を続けている。
核廃絶、平和訴え集会 青森で60人参加
2024/07/14 05:00 読売新聞
今月から8月にかけて広島市や長崎市などで開かれる「被爆79周年原水爆禁止世界大会」を前に、県内でも核兵器廃絶や平和を訴える集会が13日、青森市内の公園で開かれた。原水爆禁止県民会議が主催し、約60人が参加した。集会では、被爆国の日本が率先して核兵器廃絶を訴えるべきなのに、その役割を果たせていないと指摘。核兵器廃絶や恒久平和、脱原発社会の実現を目指すなどとした決議を採択した。
原発の使用済み核燃料・中間貯蔵施設計画に反対する集会…上関町で開催
7/15(月) 19:28 KRY山口放送
中国電力が上関町で立地可能性調査をすすめている使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、13日、計画に反対する集会が開かれました。集会は、中間貯蔵施設の建設計画に反対する5つの団体が開いたもので、町内外から主催者発表で140人が参加しました。中間貯蔵施設建設に向けて中国電力は、4月に本格的な現地調査であるボーリング調査をはじめています。集会では、中間貯蔵施設の問題点を訴える講演が行われたほか、「ボーリング調査によって森林が伐採され環境が破壊されている」などとして、計画の中止を求める集会アピールも採択されました。
柏崎刈羽原発再稼働の必要性と安全性、国が説明 参加者から厳しい声
2024年7月16日 20時00分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働について、地元の理解を求めている国の県民向け説明会が15日、長岡市内であった。経済産業省資源エネルギー庁と原子力規制庁、内閣府のそれぞれ担当者が同原発の安全対策や国内のエネルギー情勢について説明したが、参加者からは厳しい指摘が相次いだ。
今年度3回目の処理水放出を完了、福島第一原発 海水や魚に異常なし
2024年7月16日 15時00分 朝日新聞デジタル
東京電力は16日、今年度3回目となる福島第一原発の処理水の海洋放出を完了したと発表した。昨年度からの通算では7回目。タンクに保管していた約7800トンの水を大量の海水で希釈しながら放出したという。東電は、今年度は残り4回の放出を計画していて、次回は今月から来月にかけて放出する予定。東電と政府によると、昨年8月の放出開始以降、同原発の周辺では海水や魚を採取し、放射性物質の濃度を調べているが、異常は確認されていないという。
日本のプルトニウム保有は2023年末で44.5トン 前年比0.6トン減、3年連続減少
2024/7/16 18:17 産経新聞
内閣府は16日、日本が2023年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量が前年から約0.6トン減少し、約44.5トン(うち核分裂性は約29.4トン)だったと国の原子力委員会に報告した。関西電力高浜原発3号機(福井県)で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料をプルサーマル発電で消費したため。減少は3年連続。国内保有は約8.6トン、海外保有は約35.8トンで、うち英国に約21.7トン、フランスに約14.1トンだった。
福島第1原発停電は「軽微違反」 規制委が暫定評価、最新図面確認せず工事でケーブル損傷 2024/7/16 18:17 産経新聞
原子力規制委員会は16日、東京電力福島第1原発の廃炉計画を監視する会合で、今年4月に作業員が誤って電源ケーブルを損傷し停電したトラブルは、廃炉手順を定めた実施計画の「軽微な違反」に当たるとの暫定評価を公表した。このトラブルでは作業員がやけどし緊急搬送され、停電のため処理水の海洋放出が約6時間半停止した。規制委の担当者は「一歩間違えれば命に関わる可能性があり、労働災害の観点からも重大な過失があった」と東電を非難。一方で原発に安全上大きな影響はなかったとした。
ルーマニア チェルナボーダ増設計画をECが承認
7月16 日 原子力産業新聞
ルーマニアの国営原子力発電会社であるニュークリアエレクトリカ(SNN)は7月2日、欧州委員会(EC)が、同社のチェルナボーダ原子力発電所3、4号機(カナダ型加圧重水炉=CANDU 6、各70万kW)建設プロジェクトを承認したことを明らかにした。欧州原子力共同体(ユーラトム)条約は、原子力プロジェクト実施者に対し、原子力安全基準を遵守していることを証明するよう求めている。
イタリア、35年ぶりに「脱原発」廃棄…小型モジュール原発の許容推進
7/16 6:54 中央日報
メローニ首相が率いるイタリア右派政府が炭素排出量を減らすために原子力エネルギーの再導入を推進する。最後の原発を閉鎖して35年ぶりだ。ジルベルト・ピケット=フラティン環境・エネルギー安全保障相は14日(現地時間)、フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、10年内に小型モジュール型原子炉(SMR)が稼動できるようにSMR投資許容法案を発議する計画だと話した。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5298:240722〕
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