「除染で子どもの健康が守れるのでしょうか」など― 地震と原発事故情報 その294
- 2012年 1月 13日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(1月13日)
(※昨日は担当者が風邪のためお休みしました。今日2回分発信します)
★1.除染で子どもの健康が守れるのでしょうか
校庭・遊び場等の除染は応急措置にすぎません
予算1兆円超は退避・移住等有効に使うべきであります
市民が求め創るマニフェストの会
★2.<テント日誌 1/10(火)>
テントのエネルギー、テントの機能、そしてテントの運営
―― 経産省前テントひろば 122日目 ――
★3.読者から イベントのおさそい
◆特別有料試写会とシンポジウム「イエロー・ケーキ ~クリーンな
エネルギーという嘘」1月25日(木)
◆松井英介さん講演会「見えない恐怖、放射能内部被爆」2月12日(日)
★4.原発業界から2委員に寄付
「保安院は再稼働ありき」 (2012年1月12日版 東京新聞より抜粋)
★1.除染で子どもの健康が守れるのでしょうか
校庭・遊び場等の除染は応急措置にすぎません
予算1兆円超は退避・移住等有効に使うべきであります
市民が求め創るマニフェストの会
野田佳彦首相は昨年12月16日の記者会見で福島第一原発の事故収束を目指した工程表のステップ2を完了した、と宣言されました。そして除染対策としては、
1)除染費として今年度予算と来年度予算案などで1兆円超を充てる。
2)政府の除染担当者数を来年4月までに400人規模に拡充。
3)除染を行う作業員を来年4月をメドに3万人以上確保するとの方針を示されました。
除染の目的は何でしょうか
既に識者から、除染は移染(松井英介医師)、除染より移住(山内知也教授)、除染幻想(菅井益郎教授)と言われています。
雪が大地一面に降ったことを連想すればわかります。
除雪は屋根、庭、道路までは行えますが、溶けず、見えない雪(放射能)の土地、葉一枚一枚が汚染された山林はほぼ不可能です。ましてこれからは大地に地下水にと浸透してきます。
除染方法も放射能だけを吸引することはできず、外部に飛散し、完全に取り除くことはできません、まさに移染・拡散です。しかも除染した汚物を捨てる場所がまだ決まっていません。
被曝地の子どもたちは窓を閉め切られ、外出はほぼ禁止にされています。
現在、校庭や遊び場の除染は進んでいます。しかし、これは応急処置に過ぎません。
全身病魔に冒された患者の身体の一部が治療できても、これで安心ですよ、とは言えません。
しかもまだ毎時6千万ベクレルのセシウムが放出されています。除染の本丸は広大な大地です。
これはほぼ不可能です。除染の目的は子どもたちの健康保障であるはずです。
除染で放射能がなくせると政府は立証できるのでしょうか。
汚染の高い地域はたとえ除染をしても住める値にはなりえないのです。
除染後も子どもたちの発症が生じたら政府はどのような対処・責任をとるのでしょうか。
除染費用を退避、移住費用等に移行させるべきです
1兆円もの予算(税金)をかけるなら、避難区域を広げること、子どものいる世帯の移住を国として行うよう措置をとることです。勿論それにともなっての生活保障、就業保障も国が行うことです。被曝地の親は子どもがいつ発症するか、を恐れており、子どもを持つ親はみんなが退避・移住するなら同意する、という意見を持っています。
チェルノブイリでの子どもの10年後は既に明らかであり、子どもと親は一生の問題、子孫につながる問題であります。
放射能汚泥は東電原発の地へ
校庭の汚泥や河口等の放射能汚泥、焼却炉の放射能灰は速やかに東電原発の地へ運ぶべきです。
その地で収納しきれない場合は周辺被曝地、避難地域の土地を国が買い上げ行うべきでしょう。
そしてそこから放射能が全国に散らないように国は管理すべきです。
(国は双葉郡に中間貯蔵施設を福島県知事に要請2011.12.28朝日)
カナダ医師会ジャーナル:不十分な除染努力が健康リスクをもたらしている日本 一般公衆の年間被曝限度*20ミリシーベルトは人倫に劣る、とんでもない基準で、こんなことを自国民に許した政府は過去数十年で世界にない。
「現時点では、長期にわたる健康被害を最小限にするための一番大事な公衆衛生上の方策は、避難区域を広げることだ。」(2011.12.21。*放射線職業従事者の限度、妊婦、子どもは年間1ミリシーベルトを超えてはならない。)
神戸大学の山内知也教授(一部紹介)「たね蒔きジャーナル」12月22日
現地で調査、福島・渡利地区で除染しても線量は下がらない、特定避難緩衝区域に指定されていなくても、2.95マイクロシーベルト/時間で、3にならないので避難緩衝区域にならない、4歳の子供がいるところ、除染しても、次々入ってくる。コンクリートの建物は上が高く、古いコンクリートはセシウムをよく吸収する。
町をいったん壊して作り替えるくらいでないと、事故前の線量にならない。
高圧洗浄機でもほとんど下がらない・中間貯蓄施設の選定はさらに難しい(日経2012.1.1) 2011.12月初旬、大熊町の役場付近で実施した除染では空間の放射線量は10マイクロシーベルト前後までしか下がらなかった。
これは年間被曝線量に換算すると50ミリシーベルとで政府が目安としている年間20ミリシーベルトに遠く及ばない。
政府は「貯蔵期間は最長30年、最終処分場は県外」とする方針だが、住民からは「自宅近所を最終処分場にすることは認めない」との声が強い。
以上のように有識者の発言を踏まえますと、「除染」だけでは内部・外部被曝を被っている福島の子どもたちの未来は保障することができません。私たちの提言をご考慮の上、子どもたちが次の日本を担うことを可能としうる施策の行政をおこなわれますよう、強く要望いたします。
連絡先 〒337-0032 さいたま市見沼区東新井866-7
市民が求め創るマニフェストの会 石垣敏夫 電話048-686-7398
motoei@jcom.home.ne.jp
池邊幸恵、大津けいこ、石橋行受、ヘンリー大津、林田 力、丸山南里、
千一鎌倉、正清太一 、景山恵司、原 秀介、今村哲男、櫻井智志
shimin_manifesto@yahoogroups.jp 、http://shinsetagaya.web.fc2.com/mani/
★2.<テント日誌 1/10(火)>
テントのエネルギー、テントの機能、そしてテントの運営
―― 経産省前テントひろば 122日目 ――
年明けの穏やかな天気、とはいうものの凛とした寒さも感じられるそんなテントの前では大阪から上京されてきた山本清子さん等が踊っていた。ペア(二人組)での舞踏である。
山本さんは4回目の上京との事で、既にその踊る姿を見た人も多いと思う。テント前ではミニコンサートなどが催されることがあるがそんな一つである。
「舞踏の時間というのは、吹く風に身をさらしているような時間だ。見ていて捉えどころのないものと出会う感覚。言葉で説明つかない経験。踊り手のくりだす身体の動きに意味はない…ただそのつながりのなかに醸しだされる何か…。エネルギーの渦を体験している時間。舞踏の不可思議さというのは,エネルギーの磁場が日常の感覚を越えていずこかへ運びさっていってくれる其の不思議性にあるように思える。」(私的BUTOU論の試み きよこ)
山本清子さんの出しているパンフから引用させていただいたが、テント前広場で踊られるのを見ながら想像してはいた。彼女の表出感覚はこんなところにあるのかと思う。私たちがテント前にやってくる、そこで黙々と座り込む行動の原初のエネルギーにはこれと通底するところがあるように思う。言葉では説明のつかない怒り、言葉ではとらえどこのない感覚(意識)、つまりは表出感覚というものが行動の奥にあり、それがテントを支える力になっているのではないか。このことが原発と根源で向かい合っているところがあるのだ。
山本さんが何度も上京される根にあるものと私たちの行動はそこでつながっている。原子力というエネルギーよりも身体の原初のエネルギーが欲しい。それが私たちの欲する現在であり、未来である。原発の存在とそれと抗いたい私たちの無意識を含めた深い根がそこにはあるのだと思える。
年末年始の特別態勢も終わり、テント内に張り出されているカレンダーにはいくつも予定が記されている。うれしいことは各地で小さいがはじめてのデモが行われていることである。例えば1月15日(日)にはあきる野(あきる野市)で脱原発の初めてのデモが行われる。
今回の脱原発で初めてデモや集会が持たれたという地域は少なくないと思う。裾野の広がりはあり、お互いに反響しあえるものである。1月14日(土)・15日(日)には脱原発世界会議がパシフィコ横浜で開かれるが、各地での催しものも多い。テントが各地の運動の交流の機能を果たしてくれることを私たちは願っているが、テントとの連絡をして欲しいと思う。相互連絡など媒介役をしたい。
今日は東電前アクションの人たちの行動がなされた。東電の国有化等いろいろのことが報じられてはいるが、東電の無責任さと傲慢さは変わったようにみえない。時間の中でことが過ぎて行くのではなく、東電を解体し、電力業界を変えることは脱原発運動が要求していることだが、これを粘り強く展開している東電前アクションの行動に共感している多くの人がいる。
夕方には東電アクションに参加する人が顔を出し、東電前に出掛けて行った。原発再稼働→原発保持に固執する電力業界に対する異議申し立てが今年は重要になると思う。
テントはどのように運営されているのかはテントを訪れる人にも、外からテントを注目しておられ方にも興味はあろう。そのテントの運営委員会が開かれた。簡単な紹介をして置きたい。
テントの運営はテント運営委員会でなされている。そした、また、テント全体会議も存在し、これがテントの運営の全体的な方向を決めて行くことになっている。テント運営委員会とテント全体会議はテントの運営や維持を決めては行くが、テントの基本方針と最低限の事柄(ルールなど)を決める面がある。テントの基本方針はテント前広場を原発存続の是非を討議する国民的広場として維持して行くことであり、またルールとはテント維持のための必要事である。
これらを決める組織と言っても誰でもが参加出来る開かれた組織である。諸個人の自由な行動を尊重し、テント広場の保持に必要な最小限の機能を果たそうとするものである。特別に考えられたというよりは自然になってきたものと言える。
ここでは今年の脱原発運動の動きが報告され、その中でのテントの方向が議論された。同時にテントの日常的な運営(泊りこみ態勢など)が議論された。これについては長くなるので端折るが、泊りこみ態勢ではやはり防寒対策のことが議論となり下記のようなお願いをすることが決められた。また、簡単なことだが現在のところ三つ在るテントについては第一テント、第二テント、第三テントと呼ぶことで統一した。これらはテントの受付で住所やメールアドレスなどを書いて頂いた方に報告したいがその準備はしている。テント日誌なども含めていずれ届けられるようになると思う。
上記の通りヒートテックスの防寒着、あるいは防寒にふさわしいものがあればお送り願うことにした。
千代田区霞が関1-3-1経産省前テント広場に。
なお、1月20日(金)19時からテント全体会議がたんぽぽ舎のスペースで開かれる。参加自由です。
問い合わせ等は070-6473-1947テント受付まで。 (M/O)
★3.読者から イベントのおさそい
◆「イエロー・ケーキ ~クリーンなエネルギーという嘘」
特別有料試写会とシンポジウム 1月25日(木)18:30~
そのウラン採掘の現場で起きていることや、その出来事を隠ぺいしている事実を撮影拒否にあいながら5年間にわたり、丹念に追ったドイツのドキュメンタリー映画「イエロー・ケーキ~クリーンなエネルギーという嘘」の公開にあたり、監督が来日して、特別有料試写会とシンポジウムを開催しますので、そのご案内と参加者の電話予約開始日程をお知らせします。
【日時】1月25日(水)18:00 開場/18:30 開映 <上映時間108分>
http://pandorafilms.wordpress.com/roadshow/yellow/preview/
【会場】ドイツ文化センター
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/uun/anf/jaindex.htm
(港区赤坂7-5-56/地下鉄青山一丁目駅A4出口から赤坂郵便局方面へ徒歩5分)
【シンポジウム】上映終了後開始予定(20:20頃)
・パネラー(予定):ヨアヒム・チルナー監督、鎌仲ひとみ監督 他
・テーマ:「ドイツと日本 なぜ日本では原発を全廃できないのか?」
【料金】1500円均一
【予約先電話番号】パンドラ 03-3555-3987(平日10:00~18:00)
主催:東京ドイツ文化センター/パンドラ
〒104-0041東京都中央区新富2-12-6片山ビル3階
Tel 03-3555-3987 Fax 03-3555-8709
★4.原発業界から2委員に寄付
「保安院は再稼働ありき」
(2012年1月12日版 東京新聞より抜粋)
(省略しました―「ちきゅう座」編集部)
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[編集部より]
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