テント日誌1月9日経産省前テント広場―486日目…あらためて福島の現状に注目しよう
- 2013年 1月 10日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
時の流れが事件を風化させる。よくいわれることだ。二周年が近づく東日本大震災や原発震災についてもそういう傾向がないとはいえない。ここには自然の流れと言う要素もある。しかし、東日本大震災の復興は思うように進展していない。原発震災に至っては収束していないし、現在も進行中である。東日本大震災や原発震災からの復旧や復興が現在の日本の最大の課題であることは明確である。どの内閣も、また首相らこのことを口にするが実際にはこの問題に目をそらし、人為的に風化させるような振舞いをしてきたのではないか。メデイアもそうである。復興予算の出鱈目な使い方などはその例であるが、原発震災に関しては経産省や「原子力ムラ」の再稼働戦略があり、事故を小さく見せ既に収束したと思わせたいということがある。安倍首相も儀礼として福島に出掛けたが、見た現実を語らなかったというよりは、見ることをしなかった。見る気もなかったのである。
我々はこうした風潮に抗して東日本大震災や原発震災の現実を明確に認識し突き出さなければならない。1月8日のテント全体会議は「2月11日」から3月下旬まで『福島月間』としてこれに応えることを提起している。具体的なことは今後明らかにされていくだろが、この期間、我々は福島の現実をあらためて認識したいと思う。テントには『福島の母と子の声を聞け』という文言が経産省に向けて発せられてあるが、我々も今一度これに向かい会いたいのである。
1月11日には首都圏反原連主催の官邸前行動が開始され、3月9日を前後する日の行動も提起されているが、我々は福島の現状を運動の根底に据え直したいと思う。意識的に、自覚的に福島の現状を知ることに努めたいのである。福島ほ人たちの声を聞きたいし、それを発する場を設けたい。テントではいろいろの企画をしたいと思う。一例だが、低線量被曝の問題に取り組んできた人の報告や問題提起など。様々の企画の持ち込みを願いたい。
テントにはいろいろの人が訪れる。この霞が関の住人たち(官僚)たちにもテントの関心は高いらしい。時折、カンパをしてくれる人も、立ち停まって話をする人もいるがテントに来て話し込む人もいる。ある人はテントの事が気になって仕方がなかったそうである。一度訪ねて見たいと思ったらしいがけんもほろろに拒絶されると思っていたらしい。酒を飲んだ勢いで訪ねてきたいただいたらしいが、今回は2度目の訪問だった。彼女の話によれば,原発については反対の人も多く省内では以前よりは語りやすくなったとのことである。彼女の話では官僚は政府からの独立(?)意識が強く、政府の政策はともあれ日本の為に尽くすと言う意識は強いとのことである。これはある程度は推察されたことである。
官僚、つまり国家をどう開いて行くのかといことが議論になって政治主導ということが提起された。これは民主党政権の敗北でとん挫。が、国民との関係でどう開いて行くかはこれからのことである。規制委員会の動きを監視し、文科省への行動など国民の声を伝えるべき働きかけは続いているが、これに対する
内部の動きはどうなのだろうか。たまに、訪れる人から聞くに過ぎないから、まだ、この回路は閉ざされている。官僚の内部では我々に行動が敵対的なもので、対話を求めるという側面を持っていること、それが意図されていることは理解されにくいのかもしれない。どうしたら開けるかはわからないが、官僚と国民の関係を変えていく道を考えてきたことはたしかである。官僚と国民の関係を変えていくこと、そこに対話が成立することを念頭においてもいるのだ。
テントにはそうした狙いがある。テントに関心を持っているというのはその第一歩である。
深夜にまで明かりのともる霞ヶ関の住人たちの視線が国民に向き、閉じられた壁を開けようとすることはあるのか。はなはだ遠く、絶望的に見える道も誰かがつけ始めれば地上の道になるのにと思う。彼女の勇気ある行動がその先鞭になってくれれば嬉しいのだが…。これが初夢ならいい。今年のおみくじは夫婦とも大吉だった。この霊験がこんな風だといいのだがと密かに思った。 (M/O)
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