■短信■  写真展「人間と枯葉剤」       ベトナム戦争終結から50年

       写真展「人間と枯葉剤」
       ベトナム戦争終結から50年

 ベトナム戦争の取材で知られる写真家の中村梧郎さんが現地で撮影した、米軍が散布した枯葉剤による被害の模様を伝える写真展「人間と枯葉剤―ベトナム戦争終結から50年―」が開かれる。

 1975年4月30日、南ベトナムでサイゴン政権が降伏、解放勢力がサイゴンに無血入城して、ベトナム戦争は解放勢力の勝利に終わり、20年にわたる米国のベトナム介入に終止符が打たれた。
 米軍は1961年から10年の間に約7200万リットルの枯葉剤を散布したといわれる。その目的は、解放勢力の隠れ家であったジャングルを絶滅させ、解放区で作られる農作物をも汚染させ、解放勢力から食糧を奪うためだった。
 ところが、枯葉剤には、催奇性や発がん性を持つ猛毒のダイオキシンが含まれていた。このため、現在も2世、3世へ影響が及び、ベトナム全土の人口8000万人のうち100万人以上が後遺障害に苦しんでいるとされる。

 今回の写真展にあたり、中村さんは「ベトナム戦争が終わって50年が経ちました。1970年以降この戦争を取材する中で枯葉作戦による残酷な被害を記録してきました。ダイオキシンを浴びたのはベト・ドクだけではありません。障がい児は20万人に達します。米兵も韓国兵も同様に汚染されました。ニューヨークで行なった招待作品展を中心に展示します」と述べている。

日時】2月6日(木)~12日(水) 10;00~18;00/土日祝11;0~18;00
中村梧郎トーク 2月8日(土)14:00~
会場】ポートレートギャラリー(東京都新宿区四谷1-7-12 日本写真会館5階。1階はコンビニ。JR四ツ谷駅四ツ谷口から徒歩3分。℡03-3351-3002)
入場料】無料