――沖縄には「命どぅ宝」という、古くからあるすばらしい言葉がある。これは沖縄
戦という凄まじい犠牲を強いられた人々が、心の底から血肉化した真理だ。
今、ウクライナー欧州戦争、バレスチナーイスラエルー中東戦争、そして「台湾海
峡有事」による対中国との戦争が叫ばれ始めているこの時、私たちは、戦後平和憲法
の成立時に立ち返り、全ての戦争を否定する「生命権」(殺すな、殺されるな)を主
張すべきだ。まさしく沖縄の「命どぅ宝」思想を、国際法として表現するのが、この
「生命権」という
主張である。
日本国憲法は、その制定時に「平和的生存権」(前文)を明記し「生命、自由及び
幸福追求に対する国民の権利」(第13条)を定めているが、この憲法を発展させたの
が世界人権宣言・国際人権規約などの国際法などが定める「生命権」だ。
この「生命権」により、全ての世界市民は「一切の戦争に動員されず、人を殺さ
ず、殺されない権利」がある。
「生命権はもろもろの人権の中でも最優位にある人権である」(憲法学者・山内敏
弘)
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/…/hogaku0010100210.pdf
「生命権―人間の生命は、基本法秩序の中において最高の価値である。すなわち、
それは人間の尊厳のvital
(核心的)な基礎であり、他のすべての基本権の前提」(法学者・生田 勝義)
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万々が一、世界市民は、他国から攻められた場合、[非武装]実力抵抗闘争を駆使
する(その一環としての「無防備都市宣言」[ジュネーブ諸条約追加第1議定書第59
条]を実施)。
それは、侵略占領軍に対する市民の不服従、非協力に始まり、ボイコット、ストラ
イキ、サボタージュ、行政的経済的非協力、デモ、座り込み、そして、もっとも有効
な占領軍兵士らへの呼びかけなど、あらゆる方法での抵抗を行うが、これは武装的抵
抗よりもはるかに犠牲が少ないことが証明されている(ジーン・シャープ著『市民力
による防衛』)
この国際的な「生命権」の主張、保障(それに基づくアジア的には「琉球列島非武
装地帯化」)こそ、迫り来るヨーロッパ――アジア太平洋への戦争を回避する、唯一
の、最後の方法である!
今、ヨーロッパから中東、そしてアジア太平洋に至って、戦争の危機ー第3次世界
戦争の危機が広がりつつある。
この危機を根源から打開する道は、世界中の民衆・市民が、「生命権」(命どぅ
宝)を誇り高く主張し、実践することだ!
●参考資料
*世界人権宣言・第3条「すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有
する。」(1948年発効)
*国際人権規約・第6条【生命に対する権利】
「すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保
護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。」(1976年発効)
*欧州人権規約・第2条(生命に対する権利)
「すべての者の生命に対する権利は、法律によって保護される、何人も、故意にその
生命を奪われない。」(1953年発効)
*日本国憲法・第13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福
追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政
の上で、最大の尊重を必要とする。」
・この投稿は、2022/8/15、「Note」投稿した文章を若干修正した。
原文 https://note.com/makoto03/n/n2f52e07b0698
・2024/12/31、琉球新報社説「2024年を振り返る 今こそ「命どぅ宝」を誓う」
「沖縄の最も大切な命題は「命どぅ宝」である。そのために軍事力によらない「人
間の安全保障」を訴え続けてきた。この1年を振り返ると、その実現はさらに遠のい
ていると言わざるを得ない。今こそ「命どぅ宝」を誓いたい。……」(以下略)
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-3822198.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14028:250102〕