4つの情報をお知らせします(12月17日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.「冷温停止」?-ウソいうな!野田首相の大まちがいを指摘する
今も、毎時0.5億ベクレルもの放射能を放出し続ける
原発のどこが冷温停止か! 山崎久隆
★2.12/26<学習会>ストレステスト評価による危険な再稼働への道
~そもそも机上のシミュレーション~
★3. <テント日誌 12/15(木)>
霞ヶ関に、神奈川アクション「脱原発歌広場」響き渡る
―経産省前テントひろば 96日目―
★4.新聞・雑誌から
東電・福島原発事故
予見できたなら「過失」、「収束」なら刑事責任問え
地震原因説が浮上 ◇全電源喪失想定し訓練
★1.「冷温停止」?-ウソいうな!野田首相の大まちがいを指摘する
今も、毎時0.6億ベクレルもの放射能を放出し続ける
原発のどこが冷温停止か!
山崎久隆
◯ 12月16日に野田首相は「冷温停止」を宣言した。
これで何か変わるのかといえば、何も変わらない。ところが翌日には福島県に対して警戒区域の線を引き直す説明をするという。
事故の終息宣言「ステップ2」の終了という「節目」を演出したかったのだろう。細野原発担当大臣は「日本の技術力」などと言い出す始末だが、こんなデタラメ八百の原発事故を起こしておいて終息宣言を高らかにやってみても、原子力産業界が自画自賛するくらいで、世界中が冷ややかに見つめるだけだろう。
何のためにこのようなセレモニーをしたかといえば、原発輸出の障害になるからだろう。既にベトナムなど4カ国との原子力協定が衆参両院で承認されてしまった。
これに合わせて終息宣言をし、原発事故の話題が報道の一面から消えることを狙ったのだろう。
今後は「事故終息後」の話題に移る。つまり除染と居住制限だ。こちらのほうがより切実な問題だから、原発そのものへの関心は当然薄れる。運転停止中の原発を運転再開しようともくろむ政府にとっては好都合というわけ。
◯ 本来の冷温停止とは「原子炉圧力容器内の燃料温度が100度以下になる」
ことをいうもちろん健全な燃料についての定義であり、福島第一のような炉心で燃料が崩壊してしまった状態では、そもそも炉心の温度管理など出来るわけが無い。だいいち、毎時0.6億ベクレルもの放射能が依然として放出し続ける原発の、どこが冷温停止かと思う。
通常の原発が冷温停止に至れば、原子炉の蓋を固定しているボルトを外し、燃料を交換する作業に入ることが出来る。しかし福島第一原発は圧力容器の蓋を開けるどころではない。おそらく蓋が開けられるようになる時には関係者は誰も生きていないだろう。百年かかるかもしれない。
1号機に至っては、燃料はほとんど圧力容器の下に落ち、大半が圧力容器外に流出していると考えられる。冷温停止を評価することなど出来るわけが無い。
原子炉外にある燃料は、温度さえ測定されていない。温度計があるのはあくまでも圧力容器だけ。燃料が抜け落ちていれば100度以下になるのは当たり前だろう。数メートル下の燃料を含むデブリの温度は分かっていない。
◯ 実際にはいくらでも方法はある。熱電対という温度計は放射線環境でも十分測定可能だが、誰も持って行くことは出来ない。ロボットなどを投入することも高線量下なので不可能だろう。ならば、原子炉建屋の外部に穴を掘り、建屋外部から計ればよいだろう。熱伝導は間のコンクリートなどの厚さなどは分かっているのだから、熱源の温度を推定することは出来る。
このほか、以前に自発核分裂か臨界かで大きな騒ぎになったが、これも中性子束計測装置を原子炉建屋の外壁に設置すれば分かることだ。
「冷温停止」などという、実態にそぐわない評価をいくらしても意味が無い。むしろ実態を正確に伝える方が遙かに役に立とうというものだ。
★2.12/26<学習会>ストレステスト評価による危険な再稼働への道
~そもそも机上のシミュレーション~
現在、大飯3号、伊方3号など電力会社が提出した原発のストレステスト結果が、保安院が設置した「発電用原子炉施設の安全性に関する総合的評価に係る意見聴取会」(ストレステストに係る意見聴取会)の場に次々と提出されています。この会には、脱原発の立場から井野博満さん、後藤政志さんが委員として参加され、再稼働のための儀式にしようと図る保安院や電力会社、多数派の御用学者に対して、果敢に論陣を張られています。
そこで、ストレステストの問題点は何か、意見聴取会で何が議論されているのか、一連の手続きの何が問題か、などについて学習する場を設けました。意見聴取会の積極的な傍聴や保安院への具体的な働きかけなどにつなげて、再稼働を止める力にしたいと思います。年末の押し迫った時期ですが、ぜひご参加ください。
◇日 時:12月26日(月)午後7時~9時(6時30分開場)
◇会 場:スペースたんぽぽ
http://www.tanpoposya.net/main/index.php?id=336
(東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4階)
JR水道橋駅徒歩4分、TEL 03-3238-9035
◆問題提起:川井康郎さん(プラント技術者の会)
小川正治さん(プラント技術者の会)
◆コメント:山崎久隆さん(たんぽぽ舎)
*参加者を交えた討論
◇資料代:500円
【呼びかけ】11.11-12.11再稼働反対!全国アクション実行委員会
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所
(TEL)03-6424-5748 (FAX)03-6424-5749
(E-mail) contact@2011shinsai.info
【ウェブサイト】 http://nonukes.jp/
【ツイッター】 @1111nonukes
★3. <テント日誌 12/15(木)>
霞ヶ関に、神奈川アクション「脱原発歌広場」響き渡る
― 経産省前テントひろば 96日目 ―
12月15日(木)、快晴。
今日は、昨日の右翼の騒がしいだけの大音量や差別と蔑視の汚い言葉の洪水を洗い清めるかのような、「脱原発歌広場」が霞ヶ関に響き渡った。
晴れ渡った青空の下、神奈川の20人近い人達が幟や、さよなら原発のTシャツや、6・11や9・19や本牧行動などの写真パネルなどをテントひろばに立て並べる。
そして早苗ネネさん(ジュンとネネで、小父さん世代には馴染み深い)、菅沼みどりさん、カラーバリエーション、さらに半分飛び入りでゆうさん、サックスの鈴木さんと、伸びやかな歌声がテントひろばで次々に繰り広げられる。戦争と原発のない世界、子ども達が平和にのびのびと暮らせる世界を求めて。
平日にもかかわらず、のべ70人くらいが参加し、ネネさんの歌に一緒に声を合わせて歌う場面もあり、大いに盛り上がる。
道行く人々も好意的にみていたが、とくにネネさんの歌にはじっと聴き入るほどの注目も。
この日配られていた12・11神奈川集会での資料には、神奈川の20もの団体・グループの脱原発への取り組みが報告されている。
今日の神奈川アクションデー・inテントひろばでを通して、テントひろばと神奈川全体との結びつきが創り出されていっているのだと感じる。
帰り際、またやりたいと言っていただいて、今日は本当によかったと感激。こうしてテントひろばが、各地域の運動と強く結び合っていくことを願っている。
( Y・T )
★4.東電・福島原発事故
予見できたなら「過失」、「収束」なら刑事責任問え
地震原因説が浮上 ◇全電源喪失想定し訓練
◯ 東京電力福島原発事故で、野田佳彦首相は16日、「事故の収束」を宣言した。現実はほど遠いが、事故への臨戦態勢が解かれたなら、東電への責任追及に本腰を入れるべきだ。「想定外の津波」を盾に同社は刑事責任を免れようとするが、放射性物質をこれだけまき散らして罪に問われないのは不可思議だ。焼き肉店の食中毒事件で強制捜査が入り、東電はおとがめなしでは、社会の倫理が崩壊しかねない。
◯ 「一電気事業者にすぎない東電のために、国は倒産しないような特別な法律までつくった。刑事責任まで問われないとしたら不自然極まりない」ルポライターの明石昇二郎氏はこう語る。明石氏は七月、作家の広瀬隆氏とともに、東電の勝俣恒久会長や原子力安全委員会の斑目春樹委員長らに対する業務上過失致死傷容疑の告発状を東京地検特捜部に提出した。その後、特捜部からの連絡はないという。明石氏は「東電の責任をきちんと追及できるかどうか、国としてのモラルが問われている」と話す。(略)
◯ 原発事故で刑事責任が問われた例では一九九九年九月の東海村臨界事故と、二〇〇四年八月の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故がある。東海村事故では、JCO東海事業所の従業員二人が大量被ばくで死亡。元所長ら六人が業務上過失致死罪で執行猶予付き有罪、法人としてのJCOが原子炉等規制法違反罪と労働安全衛生法違反罪で罰金刑になった。美浜事故では蒸気や高温水を浴びた作業員十一人が死傷。現場責任者ら六人が業務上過失致死傷容疑で書類送検され、五人が罰金の略式命令を受けた。遺族の一部からは「トカゲのシッポ切り」という声が上がった。(略)
◯ 刑事責任はどうか。前出のJCOが問われた原子炉等規制法違反。同法は原子炉を扱う際の規則を定めており、適正な原発の運転を欠いたとなれば、今回も適用される可能性がある。しかし、罰則は軽く、JCOでも罰金は百万円だった。
(略)
◯ より厳しい刑事罰が必要だと考えるのは、東電に対する株主代表訴訟の準備を進める河合弘之弁護士だ。同弁護士は「被ばくさせたことで傷害罪に問えるし、原発周辺に立ち入れなくなったことで救出できずに亡くなった人もいたはず。業務上過失致死傷容疑で追及すべきだろう」と語る。(略)
河合弁護士は「東電は福島原発で昨年、津波による全電源喪失と放射能漏れを想定した避難訓練までやっている」と明かし、「とても『想定外』と言い逃れられる状況ではない」と断じる。(略)
◯ 河合弁護士はこう語気を強めた。「これだけ被害を出して、刑事責任なしは市民感覚からいっておかしい。警察や検察が捜査に乗り出すよう、一人でも多くの被害者が声を上げる必要がある」
◯ 【デスクメモ】放射能影響研究所の元理事長らでつくる政府の部会が年二〇ミリシーベルトの放射線量でも居住可能と答申した。法定基準は年一ミリシーベルトだ。政府が違法を認めてどうする。同じ日、環境相は東電社員に除染の推進員なる役を委嘱した。汚した当人が掃除するのは当然。なぜ委嘱なのか。正気を保つだけで疲れる国だ。(2011.12.17東京新聞『こちら特報部』より抜粋)
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