“一次エネルギーを安い天然ガスに「安全基金」の活動と考え方(81)”などー地震と原発事故情報

2012年8月30日(木)-2【TMM:No1560】-5つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
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★1.一次エネルギーを安い天然ガスに
  「安全基金」の活動と考え方(81)
  (食品と暮らしの安全基金代表 小若順一)
★2.再稼働阻止全国ネットワークにむけた相談会
   「伊方原発反対集会」あてのメッセージ(鎌田慧さんから)
★3.ふくしま集団疎開裁判の新局面
   原発差止判決を書いた元裁判官、官邸前で訴える  (冨塚元夫)
★4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 9月6日(木)、新横浜
 「内部被ばくを生き抜く」上映と「鎌仲ひとみ監督の講演」
★5.テントひろば テント日誌
<テント日誌8/29(水)―経産前省テントひろば354日目>
 テントの存立一周年も近づいてきて(M/O)
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┗■1.一次エネルギーを安い天然ガスに
 │  「安全基金」の活動と考え方(81)
 └────(食品と暮らしの安全基金代表 小若順一)

 パナソニック、ソニー、シャープなど日本の代表的な家電企業が軒並み業績不振に陥っています。
 その理由の根本的な原因の一つは、電力価格が世界一高いこと。これが経営戦略の幅を狭めてきたのです。
 現在、電力の半分は天然ガスで作られています。日本は、天然ガスを液化してLNG(液化天然ガス)で輸入するため、価格がアメリカより3倍くらい高くなるのは仕方ありません。しかし、「9倍」も差があるのです。
 東京電力や東京ガスをはじめとするエネルギーの独占企業が、天然ガスの価格を石油価格にリンクさせて長期契約したため、石油の高騰とともに、日本が買う天然ガスの価格は大きく上がりました。
 一方、頁岩(けつがん)から天然ガスを取り出す画期的な技術が開発されたアメリカでは、シェールガス革命が起き、埋蔵量が100年を超えて、2008年から価格が大きく下がりました。
 日本での天然ガス利用は、東京電力が東京ガスと共同で1969年にLNGを導入したところから始まり、今でも最も多く使っている企業は東京電力です。
 見逃されているのは、自動車製造工場で燃料として使われ、化学工業で原料として用いられていること。
 世界一高いLNGと電力を使って造る日本のクルマは、競争力を失ったので、それを、エコカー補助金や、輸出車の消費税払い戻しで利益を得る構図になっているのです。
 アメリカでは、安くなった天然ガスを原料にして、プラスチックの基礎原料であるエチレンをさらに安く造る技術開発が進んでおり、2016年には天然ガスを用いて製造したエチレンの価格が10分の1になる予定です。
 そうなると、日本の石油化学工場は、全滅します。
 日本の産業が低迷し、敗退が続く理由は、円高だけでなく、電力を作る基礎エネルギーと、化学工業の資源を世界で一番高く買っているからです。
 日本は、一次エネルギーの4割が石油で、2割が天然ガス。石油依存度の高さが世界一なので、石油が安い間は儲かりました。
 ところが、石油が高騰し、アメリカの天然ガス価格が暴落したので、今は石油を減らし、天然ガス価格を交渉して安くしなければ、日本経済は低落することになるのです。
 政府は8月末までに新しいエネルギー政策を決めるとして、2030年までに原発「0%」「15%」「20~25%」の3案を提案しています。これは、すべてダメな案です。
 大飯原発を止め、原発を0%のまま廃炉にして、LNGを現状からさらに増加させるのが、日本がとるべき道です。
 政府の「0%」案のように、コストの高い自然エネルギーが35%を占めるようになれば、日本経済は破綻します。
 自然エネルギーを、「再生可能」「クリーン」と言うのは間違いです。太陽光発電や風力発電で、同じ装置は造れませんし、装置を造るときに、大量の資源とエネルギーを使い、大量の廃棄物を出しているからです。
 日本の一次エネルギーを安い天然ガスにしないと、日本経済に未来はありません。
(※出典:了承を得て「食品と暮らしの安全」9月号から転載)

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┗■2.再稼働阻止全国ネットワークにむけた相談会
 │ 「伊方原発反対集会」あてのメッセージ
 └────鎌田慧さんから(さよなら原発1000万署名市民の会呼びかけ人)

 驚くべきことに、四国電力と野田内閣は、
 大飯原発につづいて、伊方原発の再稼働を狙っています。

 しかし、伊方原発は、巨大な活断層である中央構造線に近接し、
 日本でもっとも危険な原発地帯であります。
 本来ならば、もっとも早く廃炉にすべき原発です。
 それを再稼働させようとするのは、
 神を恐れぬ行為というしかありません。

 この美しい瀬戸内海での原発事故は、
 瀬戸内海全域の住民と生物ばかりか、
 響灘、周防灘、豊後水道を通じて、
 四国、九州、さらには韓国までも放射能によって汚染させ、
 壊滅的打撃を与える罪深い犯罪です。

 その再稼働を許可しようとする野田内閣と四国電力に、
 人間としての反省を求めます。それは許されない行為です。
 わたしたちは、伊方原発の再稼働をけっして認めません。
 ただちに撤回を求めます。

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┗■3.ふくしま集団疎開裁判の新局面
 │   原発差止判決を書いた元裁判官、官邸前で訴える
 └────(たんぽぽ舎ボランティア冨塚元夫)

 疎開裁判弁護士の柳原敏夫弁護士、東電前アクションの園良太さん、原発いらない福島の女たちの森園和枝さんたちは1か月前から毎金曜日文科省前(4時半)と首相官邸前(6時)で疎開裁判の原告支持を訴えるアピールを行っています。8月24日には初めて滋賀県から井戸謙一弁護士が駆けつけて、応援の演説を行いました。
 井戸謙一弁護士は、数ある原発差止訴訟で次々と原告住民側が敗れる中で、「原発差止判決」を書いた歴史上ただ二人の裁判官の一人です。2006年3月の判決文では、志賀原発の多重防護策が有効に機能しない可能性や炉心溶融事故の恐れが指摘されました。判決はその後高裁で覆され、最高裁で原告敗訴が確定したが、判決文の中で指摘された重大な原発事故は、判決から5年後に現実のものとなりました。
 井戸弁護士は「郡山の子どもたちは、3.11事故前までは一般人立ち入り禁止の放射線管理区域(5.2ミリシーベルト/h以上)に今でも住んでいます。政府文科省が年間20mSvを設定し、郡山市などの市町村がそれを守っているからです。年間1ミリシーベルトという本来の法律に基づき、郡山の子供たちを一刻も早く疎開させる判決を仙台高裁で勝ちとるために、多くの市民の支援が必要です」と訴えました。

 ※9月6日(木)19時から、疎開裁判の最新情報について講演があります。ご参加ください。場所・スペースたんぽぽ

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┗■4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆「内部被ばくを生き抜く」上映と「鎌仲ひとみ監督の講演」
 開催日 9月6日(木)
 会場  スペース・オルタ(JR横浜線新横浜駅徒歩7分)

 鎌仲監督が、被ばく調査・診療を行ってきた学者・医師へインタビュー・ 取材したドキュメンタリー映画。監督には、取材された内部被曝問題についてお話いただく。

 上映スケジュール(DVD 80分)
  第1回 上映 13時25分~14時45分 講演 14時45分~15時15分
  第2回 上映 16時5分~17時25分 講演 17時25分~17時55分
  第3回 上映 18時45分~20時5分 講演 20時5分~20時35分
 入場料・一般 A前売り 1000円(B当日 1300円)
  学生・障がい者A 800円(B 1000円)・高校生以下 無料
 チケット購入方法
  通信欄に必要なチケットの種類と枚数を明記してお申込みください
  郵便振込 口座番号 00250-4-31574
  加入者名 プルトニウムフリーコミニケーション神奈川
 問合せ先 TEL/FAX 045-423-0341(水澤) pu-free-com@k.nifty.jp
 主催 ストッププルトニウム神奈川連絡会
 協賛 スペース・オルタ

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┗■5.テントひろば テント日誌
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<テント日誌8/29(水)―経産前省テントひろば354日目>
 テントの存立一周年も近づいてきて(M/O)

 朝の早く、といっても4時近くであるが、テントの外の椅子に座って明けゆく光景を見ていた。家にあればまだ夢の中であろう。テントの不寝番の早起きでこうしているのだが、外灯は残っていて車も時折見かけるが、山田風太郎の描いた馬車が明治の初期には颯爽と走っていたのだろうと想像した。
 <春は曙、ようよう明けゆく……>ということも自然と浮かんでくるが明けゆく光景は何処でいつ見てもいいものなのだろうと思う。本当に不思議なもので早朝の光景はいいものだ。いつの間にか深夜族になって早朝に起きるなんて思いもつかない生活をしているとこういう機会に感謝したい気持ちになる。山登りなんてなかなか機会を作れない日々だからである。
 でも、テントにこうして座っていることは何なのだ、それはどんな意味があるのかという問いかけもまたやってくる。脱原発や原発再稼働反対の政治意志の表現であることは明瞭であるが、それを超えた何かもまたあるはずで答えのない自問をしている。自問自答自身が私たちの存在と世界をつないでいるのであり、そういう問いの契機があるということが重要なのだろうと思う。こんな風にしてやがては一年目を迎える。多くのドラマがこの小さな空間でもあったことを想起していたのだが、最初のころテントにやってききていて昨年の暮れには謎の死を遂げたKさんことが思い浮かんだ。
 Kさんは最初からテントにやってきてゴミを毎朝自転車で運んでくれたりした。まだ、女性のテントのない時期に泊り込みテント維持に重要な役割をしてくれた。少女らしい面影をのこしながら、一方での大胆な振舞い驚きながらも僕は彼女のことを見守っていた。テントの面々とうまく折り合ってくれることを願いながらである。
 彼女にとって我々の振舞いがどう受け取られたか、どう映っていたかはわからないが、私には彼女の存在と行動が気にかかるところがあり、それだけ意識させられる存在だった。そんな矢先に彼女は謎のような死を遂げたのだが、それだけにこころに残ったものは大きく時折思い出すのである。人の死に出会う度にもう少し話でもして置けばよかったと思うものだ。彼女にもそんな思いがひと際強く残っており現在まであるのだ。
 朝の十時を前後してテントの周辺での気温が上昇し暑くなるのだが、最近、経産省側のテントに対する対応は意地悪度を増している。テントの周辺に監視カメラを設置し、立ち入り禁止の鎖に繋がれた看板を増やした。
 テントの出入り口も鎖で妨害されており危険きわまりなない。危険のないように管理するというのが名目であるが、危険を増やすだけである。これは毎週金曜日の首相官邸前行動に対する警察の規制と同じである。通行路を確保する、安全のためにという名目で無用な鉄柵をつくり意思表示や行動を抑え込むのと同じである。対応する経産省の職員の行動も粗野で凶暴さが目立ってきている。これには経産省や警察への政治的圧力が強まっていると推測できるが、彼らの苛立ちも深まっているのだろうと思う。今日のテント周辺の旗や飾りを撤去しようとする職員とのやりとりがあったが、我々は冷静に毅然と振舞うしかない。
 今日は衆院第一議員会館で「女性たちの一票一揆」の第三弾目の集会があった。そしてこの会に向けて集会とかんしょ踊りがテント前で開かれた。午後のテント前は賑やかな声に包まれかんしょ踊りも華やかに展開された。私たちにかんしょ踊りは親しいものになってきているがこれが全国に広がっているのも嬉しいことだ。地域の盆踊り取り入れられるといいと思える。炭坑節がどんな経緯で広がったのかは知らないが、盆踊りにふさわしいと思う。
 国会議員に対するアンケート調査《意見聴取》も始まっている。国会議員に対する工作はいろいろの方面からなされるであろうが、体たらくな国会を尻目に我々はそれを強め次に選挙での原発問題の争点化を進めなければならない。
(M/O)

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