4つの情報をお知らせします(6月23日)
★1.佐賀・玄海原発 一方的に「住民説明会」
県が告知、人選不明、再開の儀式
安全置き去り、なぜ走る?
★2.京大 小出裕章助教・遮蔽壁の設置急げ
溶けた核燃料が地下水を放射能汚染する
★3.東電福島原発事故に立ち上った人々
“つながる”“広がる”“学ぶ”ための会議室=
「スペース たんぽぽ」
―その開設に賛同・ご協力のお願い―
★4.新刊『放射能を防ぐ知恵』
「遺伝毒性」はどんなに微量な放射能でも危ない
★1.佐賀・玄海原発 一方的に「住民説明会」
県が告知、人選不明、再開の儀式
安全置き去り、なぜ走る?
定期検査で停止中の九州電力玄海原発2,3号機(佐賀県玄海町)の再稼動問題で、住民説明会の予定が波紋を広げている。古川康県知事が二十日、唐突に「二十六日に国の説明を四、五人の県民代表が聞く」と表明したのだ。これでは再稼動に向けた当局の一方的な”儀式”にならないか。
「県民をばかにしているように感じる。本当に説明する気があるのか、はなはだ疑問。〔県民に説明した」というアリバイづくりにしか映らない」と憤るのは、徳光清孝県議だ。
福島原発事故の影響で、再稼動が延期されていた玄海原発2,3号機をめぐる情勢が急変している。3号機は、より危険性が指摘されているプルサーマル発電だ。
海江田万里経済産業省相は十八日、全国の原発の安全対策は「適切」と宣言して再稼動を後押し。経産相は、地元理解を求めて今週末に佐賀県を訪問する意向も示した。焦点は古川知事の最終判断になっている。
国内の原発五十四基のうち、三十五基が定期点検や大震災の影響などで停止中。玄海原発が再稼動第一号となる可能性がある。
しかし、「玄海原発プルサーマル裁判の会」など反原発の三団体は、「六日前に開催時間や場所、出席者などが不明とは驚くべき身勝手さだ」と猛反発。二十一日、知事に対して「住民に理解を求める説明会とは言えない」と抗議文を提出した。
同会の石丸初美代表は「夏の電力需要期に向けて原発を再稼動させるため、県民不在の手続きが重ねられている。福島原発事故は現在進行形だ。事故調査委員会も発足したばかりなのに、安全を置いてきぼりにしてなぜ先走るのか。これでは原発行政に不振が深まるばかりだ」と話した。(6/22東京新聞より抜粋)
★2.京大 小出裕章助教・遮蔽壁の設置急げ
溶けた核燃料が地下水を放射能汚染する
・福島第一原発から溶け落ちた核燃料が地中にめり込み、地下水を直接汚染する-。
東京電力や政府の事故対応を批判している小出裕章・京大原子炉実験所助教が、いま最も危惧するシナリオだ。汚染された地下水の海洋流出を防ぐためには、地下に遮蔽壁を造ることが急務だと訴える。
・東電や政府の説明によると、1~3号機では震災直後、核燃料が溶融して、原子炉圧力容器を破り、外部の格納容器に堆積した。これを冷却するため、外部から水をかけてきた。しかし、その水があふれてくるため、東電は汚染された水を浄化して循環する冷却システムを確立しようと躍起になっている。だが、新システムはトラブルの続出で、いまだ機能していない。
・ こうした政府の判断に対し、小出助教の見立ては全く異なる。状況はもっと深刻だという。「溶けたウランの塊は格納容器の底をも破り、建家のコンクリートの土台を溶かしつつ、地面にめり込んでいる。核燃料が地下水に接触すれば、周辺の海などが汚染される。外から水を掛けても、もはや(核燃料を)冷やすことはできない」核燃料が圧力容器の下部に溶け落ちることをメルトダウン(炉心溶融)、さらに外側の格納容器まで突き破ってしまう現象はメルトスルー(溶融貫通)と呼ばれる。
・被害を最小限に抑えるためにはどうすべきか。小出助教は「原子炉建家周囲の地下に(核燃料と地下水を遮断する)壁をめぐらせるべきだ。(核燃料が)地下水と接触すると、汚染が海に流出したり、地下水脈から広がってしまう」と懸念する。費用は数百億円、工期は半年程度という。「河川整備や堤防工事などで普通に行われている工法。
・小出助教は「工程表にきれいな絵を描いている場合ではない。遮蔽壁設置は今できる唯一の手段だ。一刻の猶予も許されない」と話している。
(6/23東京新聞より抜粋)
★3.東電福島原発事故に立ち上った人々
“つながる”“広がる”“学ぶ”ための会議室=「スペース たんぽぽ」
―その開設に賛同・ご協力のお願い―
2011年6月
たんぽぽ舎 共同代表 柳 田 真
たんぽぽ舎 共同代表 鈴木千津子
ご縁をいただいた皆様へ
1.東電福島原発事故は、4基の原発が同時に過酷事故を起こし、(世界で初めて)、3ケ月たってもいまだ収束していない-一部では悪化している-状況です。今後、長くキビシイ原発放射能との闘いが続きます。これに対し、多くの人々が立ち上り、原発やめよう!の運動が広がっています。
2.立ち上がった多くの人々が、自らの意思と考えを強固にする場、“つながる””広げる“多くの人々へ働きかける場”、そういう共通のひろば=会議スペースがあれば、原発やめる運動の強力な一助になります。『スペース たんぽぽ』(60畳)の計画は、ここから発想しました。(現状は、原発勉強会の会場一つ借りるにも手間がかかり苦労)
3.東京都心の近く(交通便利)で、使いやすく、広さもある(60-80人室)専用の部屋は、お金がかかります。初年度は、1,000万円(部屋代1ヶ月31万円+tel,電気等の共益費9万円で年間500万円、机、椅子80脚など備品費で200万円、大家6ヶ月保証金200万円など、2年目は、大家保証金と備品費が不要なので、600万円です。)。1年目の予算のうち、700万円は、たんぽぽ舎有志で用意しました。あと300万円を皆さんの協力=カンパでお願いできればとても幸いです。
4.『スペース たんぽぽ』は、現在のたんぽぽ舎(ダイナミックビルの5F)のすぐ下の階(4F)です。契約面積は、60畳(使用面積は、実質50畳)です。備品として、プロジェクター、スクリーンなども用意して、使いやすい会場を目指しています。年間1,000万円の新しい活動は正直いって「身の丈」をこえていますが、努力すればやれると決断しました。原発やめよう!のために思い切りました。ぜひ、皆さんの賛同と協力で『スペース たんぽぽ』を成功させて下さい。敬具
『スペースたんぽぽ』
〒101-0061東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
郵便振り込み 加入者名:スペースたんぽぽ 口座番号:00190-7-275019
★4.新刊『放射能を防ぐ知恵』
(小若順一、今井伸、共著、定価1200円+税)のおススメ
「遺伝毒性」はどんなに微量な放射能でも危ない
「核開発に反対する会」世話人の小若順一さんが、『放射能を防ぐ知恵』(三五館)という本を出しました。
放射能は微量でも危険だったはずなのに、事故が起きると「危険なのは年間100ミリシーベルトからで、暫定基準を超えなければ安全」と、手のひらを返したように緩い規制を政府は行っています。
この見解に対して小若さんは、子孫に遺伝的な被害が出る「遺伝毒性」はどんなに微量でも危ないと、真っ向から反論。子ども、若者、妊婦、子孫に被害が生じないよう、最大限の努力をして、放射能汚染を避けるようにすべきだとして、食品、水、空気中の放射能を避ける方法を、具体的に解説。
放射能汚染によって少しでも被害を受けた生産者や業者は、積極的に東電に損害賠償を請求すべきで、それが原発を廃絶することにつながるとも主張。
放射能の危険対策に、次々と新たな経費がかかるようになって、原発は高くつくようになり、アメリカで原発の新規建設のキャンセルが相次いだのはスリーマイル島原発事故の前年です。1970年代後半は、原発の発電コストは高いという説が優勢だったのに、補助金を入れて、突然、原発が安くなったと小若さんが体験談を語った後、原発を全廃しても、今年の夏さえ乗り切れば、来年からエネルギー問題はなくすことができるとして、その方法を元「エコノミスト」編集長の井伸さんが書いています。
最近の技術開発で天然ガスの埋蔵量が300年に増加したので、エネルギーが枯渇する不安はなくなったことを紹介し、余熱を利用するコージェネのエネルギー効率は80~90%になっているので、効率が35%の原発を全廃し、分散型ネットーワークのエネルギーシステムに移行させるのが「日本が再び尊敬される国になる道だ」と提案しています。
原発・エネルギーを考える本としてオススメします。(K.Y)
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