“柏崎刈羽原発5号機は「トラブル停止」だった 2ヶ月弱も早く停止した「真相」”などー地震と原発事故情報 その313

          3つの情報をお知らせします(1月28日)

  ★1.柏崎刈羽原発5号機は「トラブル停止」だった
     2ヶ月弱も早く停止した「真相」
     最重要な制御棒駆動機構のトラブル
     東電の電力供給に支障は全くない
                    たんぽぽ舎 山崎久隆
  ★2.テント日誌より2つ
   2-1<テント日誌 1/26(木)>
     命よ叫べ! 闘いの輪が一気に燃え広がる!
     ― 経産省前テントひろば 138日目―
   2-2<テント日誌 1/27(金)>
     フクシマーテントー全国ー全世界 命よ叫べ
     緊急大抗議集会に750名の熱気!経産省は登場もできず
     ― 経産省前テントひろば 139日目 ―
  ★3.メールマガジン読者からのお便り
     一人でも多くの人々に原発を無くすことの意味を理解してほしい、
     関心を持ってほしい       横浜のS.Yより

★1.柏崎刈羽原発5号機は重大な「トラブル停止」だった
   2ヶ月弱も早く停止した「真相」
   最重要な制御棒駆動機構のトラブル
   東電の電力供給に支障は全くない
                   たんぽぽ舎 山崎久隆

 東電は1月25日に突然「柏崎刈羽原子力発電所5号機の定期検査開始について」というプレスリリースを出し、5号機を止めると発表した。そして25日運転を停止した。
 あれ?と思った。なぜならば、前回定検終了は2010年2月18日であり、本来ならば13ヶ月運転、すなわち3月17日まで動かせるはずだから。一月以上も早い停止は、何かあったに違いないと思った。
 調べてみたらすぐに分かった。なんと、制御棒駆動機構のトラブルだった。
 1月20日のプレスリリースに「5号機 定例の動作確認試験における制御棒1本の動作不良について」という記事がある。週に一度の制御棒全185本の駆動試験中に制御棒の1本が15センチ(1ノッチ)挿入しようとしたところ168センチ(11ノッチ)入ってしまった。つまり制御不能になった。
 そこで、この制御棒を全挿入した状態で固定したが、そのため出力が低下し、出力103万キロワットの原発になっている。このままでは安定的に運転できそうも無いため停止することにして、25日にプレス発表をしたのだろう。
 この種の制御棒駆動系のトラブルは、原子炉臨界事故を起こす原因にもなっている。根本的な解決はできず、駆動試験の際に見つかると、一杯まで挿入してロックするほかには対策は無い。
 制御棒は原子炉停止の最重要装置であり、それが185本の中の1本であったとしても、放置したままの運転など到底許されることでは無い。

 電力供給に支障があるのか-全くない

 東電は冬ピークを約5400万キロワット程度としているようだ。その内訳では、原発が柏崎刈羽の5、6号機で250万キロワットを見込んでいた。3月17日頃まで5号機が動いていれば、おおむね冬ピークは終わるだろうから、その後に定期検査入りをしても何ら支障は無いはずだった。しかし、まだこれからピークが来る可能性がある時期に止めたということは、このトラブルがそれだけ深刻だからだ。ちなみにこれまでの冬ピークは1月20日の午後5時台で、4966万キロワットだった。
 このため、供給体制に修正が必要になった。おそらくはJパワーの磯子火力(石炭)だ。
  昨年11月に爆発炎上し休止していたが23日までに系統復帰し、2基合計で120万キロワットを供給できることになった。収支はぴったり合う。
 さて、ドタバタ東電の原発はついに最後の一機、柏崎刈羽原発6号機のみ。
  これが止まるのは予想では4月8日。この時期は電力需要としては最低に下がる時期だ。
  他の火力も休止点検に入るだろう。ますます停電の心配など無い。
 ところがこの4月から大幅な電力値上げを東電は予定しているという。(以下、次号で詳細批判)

★テント日誌より2つ
 2-1<テント日誌 1/26(木)>
    命よ叫べ! 闘いの輪が一気に燃え広がる!
    ― 経産省前テントひろば 138日目―

1月26日(木) 晴れ。
 今日は続々とテントに人々が集まってくる。24日の件があまねく知れ渡っているからだろう。
 東京新聞を手にしている人が多い。中には東京新聞を見て始めてテントに来た、という人もいる。東京新聞は「こちら特報部」で見開き2ページにわたって取り上げている。テントひろばの常連、88歳の益永さんや、椎名さん、上関の岡本君の話も出てくる。
 白河市の市会議員をされてる方が、夫妻で来訪され、白河の情況を椎名さんと話される。若い人達の間で、もう我慢ならないという気持ちが高まっており、行動への気運が盛り上がっているとのことであった。
 午後5時半から別館の保安院前で、国際的原発推進機関というべきIAEAミッションによるストレステストのお墨付き→再稼働という動きに対する抗議行動が寒空の下行われる。この中で、今回のテント撤去命令が再稼働に向けて1月18日のストレステスト意見聴取会・23~30日のIAEAミッションと全くもって一体的なものであることが明らかとなる。 
 明日27日、撤去命令に抗議し、撤回を求めてテント前に立つことは、同時に再稼働に反対して立ちはだかるということでもあろう。
 テントひろばには、福島の女たちをはじめ、沢山の人々の命が宿っているのだ。
今、その命は一斉に叫びを上げようとしている。(Y・T)

Avaazが簡単に枝野経産相に抗議できる署名を立ち上げてくれました。

 福島の母たちと立ち上がる24時間
http://www.avaaz.org/jp/save_the_fukushima_children_1/?slideshow

 Avaazは昨年12月7日に「福島の子どもたちを守ろう」の署名を持ってテントひろばに来てくださり、第二テントで「とつきとおか」の椎名さんと私が話をしました。その折、「テントが撤去され、とつきとおかが排除されるようなことがあれば力になる」と言ってくださっていました。
 今、事務局長イアンさんが来日しており、昨年末テントひろばを中継で盛り上げてくれたOccupy連絡会の稲場さんや松元さんが調整してくださり、署名が実現しました。
 「原発いらない全国の女たち」でテントに座り込んだグリーン・アクションのアイリーンさんも動いてくださいました。
 イアンさんは、明日、松元さんとテントにいらっしゃるそうです。「原発いらない福島の女たち」も椎名さんのほか、黒田さん、地脇さん、森園さんも駆けつけてくれます!
 玄海原発プルサーマル裁判の会の方も経産相に抗議文を送ってくれています。
昨日、経産省側との会談に同行しましたが、福島からの抗議電話も来ていると言っていました。
 プレスリリースですが、今、ブログに出ている英語版は松元さんが作成してくださいました。また、テント参加者の海さんが「福島のお母さん」を強調した英語版を作ってくれています。そのうち出回るかもしれません。
今までテントに関わった全ての人が応援し、駆けずりまわってくださっています。
その様子がよくわかります。感謝でいっぱいです。
ぜひみなさん、27日はテントひろばで会いましょう!!(ひまわり)

●先日、脱原発世界会議で来日され、テントにも来られた韓国の反核団体「エネルギー正義行動」の事務局の方が、今回のテント撤去命令に対する抗議メールを枝野経産相に送られたそうです。
 2-2<テント日誌 1/27(金)>
    フクシマーテントー全国ー全世界 命よ叫べ
    緊急大抗議集会に750名の熱気!経産省は登場もできず
    ― 経産省前テントひろば 139日目 ―

1月27日(金) 快晴。
今日、27日はテントにとって重大な日である。
早くから人々は集まり始め、昼過ぎにはもうテントの前には多くの人が座り込んでいる。
 誰もが、”午後5時”を意識している。けれども悲壮感など全くなく、しなやかに、あたりまえに、今日の行動をやり抜く気持ちでいる。
 午後1時から近くの弁護士会館で記者会見が行われる。テントから淵上・正清両氏、椎名さん、福島から急遽駆けつけた女性3人、そしてたんぽぽ舎が出席。会場はメディア各記者や、傍聴人等、40名程度で熱気に満ちる。
 福島の女性達は「本当のことを書いて!本当のことを報道して!」と記者達に訴える。問われているのは、メディアの、各記者の、姿勢それ自身なのだ。
 テントの前は2時を過ぎるともう大きな人だかりができ、4時を待ちきれないで集会(前段集会?)が始まる。様々な報告があり、歌があり、楽器演奏があり、・・・。
 4時丁度に集会が始まる。参加者(受付で記帳された方)は4時で430名→5時590名→5時半700名有余→集会終わり頃750名、集会後も記帳は続き、それから駆けつけた人も多く、800名を超える程に達する。
 淵上代表、とつきとおかの世話人・椎名さんのアピールの後、たくさんの方々が反=脱原発、再稼働阻止、東電と国の責任・賠償追及、放射能から子ども達を守れ、テントの意義、テントを守れ、等々と訴える。
 原発いらない福島の女たち・全国の女たち、反原発弁護団全国連絡会、テント弁護団、 双葉町から避難されている女性、浪江町の被災牧場主、六ヶ所村で活動されている女性、 ジャーナリスト、たんぽぽ舎、福島緊急会議、東電前アクション、東京occupy運動、反原発民衆法廷、市民法廷、中学生、テントひろばの座り込みやハンストの常連である80代の男性と女性・・・。
 とりわけ福島の人々のアピールは、原発被災の残酷さ、東電の非人間性、今も続く苦しみと放射能の恐怖を明るみにし、その中で生き証人として生き、闘っていく決意に魂を突き動かされる思いをさせられる。そして闘いへの意志を新たに掻きたてられる。まさに「命よ叫べ」というものであった。
 5時丁度に経産省に向かってコール。熱気は最高潮に。集会は、途中で「会津磐梯山」の唄や替え歌「経産省の人」を挟みながら、6時まで緩むことなく続けられた。開始時は明るかったあたりは、もう夜の闇に包まれて・・・。
 集会の模様はニコニコ動画で実況中継されていたそうだが、その視聴者は1万名に達していたそうである。
 終了後もテント前は熱気冷めやらず、話したり、歌ったり、踊ったりといつまでも続く。 この日、経産省は全く姿を現さなかった。いつものように、5時には警官の護衛の下、通告に来るかと予想されたが、大人数の熱気に気圧されたか影も形もなかった。
 聞くところによれば、経産省はこの日、4時過ぎには入り口をシャットアウトし、「乱入を恐れて」内張よろしく、内部の警備を普段の7倍にする対応をしていたそうである。経産省は自らの蒔いた種に恐れ、人々の怒りと抗議の反響の大きさに恐れているのだ。
 尚、この日の昼の時点で、枝野経産相・経産省には、8000通の抗議メールが殺到していたとのことである。さらに抗議の電話・メール・FAXを!
 枝野経産相はテントひろばとの話し合いに応じよ!(Y・T)

★3.メールマガジン読者からのお便り

  一人でも多くの人々に原発を無くすことの意味を理解してほしい、
  関心を持ってほしい       横浜のS.Yより

 たんぽぽ舎様、いつも貴重な情報ありがとうございます。 毎日、たんぽぽ舎メルマガ、東京新聞、インターネット情報をかかさず見ております。27日も体調が良ければテント広場へ駆けつけるつもりでいます。震災があってからというもの心休まる日がありません。家事労働、原発についての情報集め、デモや講演会などの活動、地震への備え等、一日24時間ではとても足りません。
 しかし皆さんも同じ大変な思いをして活動していると思うと弱音は吐けませんね!
 この国はいったい何処へ向かおうとしているのでしょう?長年嘘をつき通し、都合の悪い事実を隠蔽し、事故が起きて放射能をばらまいておきながら、国民がデモをすれば逮捕し、交流の場を作れば無くそうとする。これが民主主義国家といえるのでしょうか? エセ民主主義ではありませんか!
 六ケ所村再処理工場や大飯原発再稼働問題、原発輸出、テント広場撤去命令といい、この国のやり方には絶望するばかりです。最近誰かが言っていました。本当の敵は原子力ムラの人間ではなく原子力産業に無関心の人々であると。ひとりでも多くの人々に原発を無くすことの意味を理解して欲しい!関心を持って欲しい!いろんな人に脱原発の波を広げる為に何をしたらいいか、常に考えていますが、何かお薦めのアクションがございましたら是非教えて下さい!
 これからも自分に何が出来るか考えつつ、行動に移して行きたいと思います。

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[編集部より]
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