“現在、原発は全て「違法状態」にある-違法原発の運転阻止は正当な権利である”など―地震と原発事故情報

2012年7月9日(月) 地震と原発事故情報【TMM:No1510】-6つの情報をお知らせします

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★1.現在、原発は全て「違法状態」にある-違法原発の運転阻止は
   正当な権利である。それは正当防衛である。
   原子力ムラの犯罪を振り返る ≪下≫
   指針の崩壊が拍車をかける   山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.警察は用意周到な規制をしてきた
   7/6官邸前抗議行動に参加して感じたこと  川上直子(神奈川県)
★3.官邸前で反原発 大飯運転再開後 初のデモ
   雨中 「あきらめない」
★4.脱原発 国会で拡大 小沢新党 脱原発・反政権さらに鮮明-
   国会内で「脱原発勢力」が拡大中
★5.<テント日誌7/4(水)―経産省前テントひろば298日目>
   テントで感じる季節感と社会観
   7/7 七夕アクションに喚起されながら
★6.講演録『人間の手に負えない原子力』(上・下)小林公吉さん
   好評!たんぽぽ舎オリジナルパンフの紹介
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※7/12(木)講演会 18:30開場 19:00より開会
テーマ:「犠牲のシステム-福島-」-原発は犠牲のシステムである
講 師:高橋哲哉さん(東京大学教授)
会 場:スペースたんぽぽ
参加費:1000円

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┗■1.現在、原発は全て「違法状態」にある-違法原発の運転阻止は
 |  正当な権利である。それは正当防衛である。
 |  原子力ムラの犯罪を振り返る ≪下≫
 |  指針の崩壊が拍車をかける
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

 原発の安全審査を担保してきた「原子力発電所立地審査指針」などの指針類。その一つが2006年に改定された「耐震設計審査指針」だが、この指針が改定された理由は、実際の地震に全く対応できなかったからだ。そのための審議会は公開ヒアリングを含めて2002年から行われていた。
 多くの議論があったが2006年6月に指針案「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(案)」が作られてパブリックコメントに掛けられた。
680項目の意見が集まったが、ほとんど反映されないままに原案通りの指針が公表されたのが9月だった。これに対して委員の一人、石橋克彦神戸大学教授は抗議の辞任をしている。
 この指針には様々な欠陥があったが、その一つが津波対策を単に「考慮すべきこと」と、全く軽視したことだ。
 耐震設計審査指針は「耐震」の名の通り、地震による揺ればかりがクローズアップされ、地震が起きれば、特に海溝型地震が起きれば、ほぼ確実に発生する津波に対しては「地震随伴事象」などとして、簡単に書かれているだけだった。
 また、その当時は既に対策が取られていた「過酷事故対策」と地震や津波との関係もあいまいなままで、どのような地震、津波の災害を受けたら、過酷事故対策としての対応に移行するのかも示されなかった。そのため今回のようにベントや代替注水措置も実行不可能な原因となった。

 現在、原発は全て「違法状態」にある

 大飯原発が無理矢理起動しようと、東電が柏崎刈羽原発の再稼働を再建計画の柱に据えようと、原発の運転など出来ない。違法だからだ。
 基準が無くなってしまい、安全性も確認できない以上、原発は現在「原子炉等規制法違反」である。
 原子炉等規制法では第24条の「許可の基準」において、「その申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。」と定め、「各号」には「三 その者に原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があり、かつ、原子炉の運転を適確に遂行するに足りる技術的能力があること。」および「四 原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質(中略)又は原子炉による災害の防止上支障がないものであること。」に違反をしており、それを隠して許可を得たものであって許可そのものをさかのぼって無効とすべきだ。
 これら法令に違反をしていないと証明すべき安全審査そのものが、瑕疵を持った指針に基づき行われ、さらに審査を行った者たちに「十分な知見」など全くなかったことが露呈している。
 違法原発の運転阻止は正当な権利である。それは正当防衛である。
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┗■2.警察は用意周到な規制をしてきた
 |  7/6官邸前抗議行動に参加して感じたこと
  └──── 川上直子(神奈川県)

 7月6日(金)の官邸前再稼働への抗議行動。先週の官邸前の車道を埋め尽くし
た解放区の実現に学び、警察は用意周到な規制をかけてきた。
まず地下鉄の駅構内から、出口規制の一方通行のために警官を駅構内に多数配備。
外に出ると、以前のような車道規制はしないでとにかく人の集まりを規制してき
た。私は、デモの交通整理係りだったが、警察の言うなりに人の波を規制するこ
とに次第に怒りを感じてきた。

 首相官邸に向けた抗議行動なのに、官邸から遠く離れた、国会議事堂の反対側の歩道に押し込め、車道に一歩も出さないように細く長くあくまでも遠くに並ばせた。あの官邸前を埋め尽くした市民の連帯感を、どうやったら、味あわせないようにするかを徹底した。道路規制で官邸前に絶対近付けない。分断された市民は、早めに帰る人も出てきた。官邸前でどんな抗議が行われていたかは、帰宅後夜中に、ustreamの動画で見た。こんな規制のもと、警官と一緒になって交通整理するのはもう嫌だ!と、正直思った。
 これからも、来週の13日の金曜日、16日の10万人集会(50万人になるかも!!)と、警察側は、分断し小さく見せるために、血眼になって規制作戦をかけてくるだろう。
 誰かが民の心『民心』と言ったが、この『民心』を徹底して無視して、その逆の暴虐政治を行う野田政権は完全に狂っている。
 基地を辺野古ではなく県外と言ってしまった鳩山や、浜岡原発を止めた菅元首相は、マスコミにたたかれてすぐに辞めさせられた。こんなに国民に対して残酷な政治をする野田が、自分たちの利益を守るにために本当によくやってくれていると思っている政官財、原子力帝国、そしてその陰に隠れたアメリカの権力者達の強い意志を、私達が見極めていかなければ。

 デモ後の片付けをしている警察官が、「再稼働反対」と小さく言っているのを、聞いたという話がある。
 昨日のデモでもそういう雰囲気の場面はあった。
警察官だって個人的には、野田内閣は嫌なのだと思う。

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┗■3.官邸前で反原発 大飯運転再開後 初のデモ
 |  雨中 「あきらめない」
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 関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町)の運転停止などを求めるデモが6日夜、首相官邸周辺(東京都千代田区)で展開された。デモは3月末から毎週末に実施されているが、3号機の運転再開後は初めて。雨にもかかわらず、大勢の人が集結し、再稼働強行に対し怒りの声を上げた。
 この日はミュージシャンの坂本龍一さんらも参加。官邸につながる国会議事堂南側の道路がすべて人で埋め尽くされ、さらに外務省や財務省前の歩道まで傘を差した人波が数百m続いた。
 参加者は、プラカードやちらしなどを手に「大飯を止めろ」「稼働反対」と声を張り上げた。(中略)(7/7東京新聞より抜粋)
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┗■4.脱原発 国会で拡大 小沢新党 脱原発・反政権さらに鮮明-
 |  国会内で「脱原発勢力」が拡大中
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 国会内で「脱原発勢力」が拡大している。民主党に離党届を提出した小沢一郎元代表ら49人が新党結成に向けて、消費税増税反対とともに、「脱原発」を政策の旗印に掲げたためで、脱原発依存への姿勢が後退する野田政権に対する国会の追及は強まりそうだ。
 小沢元代表は2日に離党届を提出した後、新党の政策に関し「消費税増税先行への反対は柱。原発の問題も大きな国民の関心事だ」と表明。「脱原発」を打ち出し、首相との違いを鮮明にした。
 元代表は、首相官邸前で毎週金曜の夜に行われる抗議活動について「政治が行動しなければ、自分たちが行動するという(国民の)意識変化が大きく出てきたのではないか。この意識が一番遅れているのが、永田町と霞が関だ」との見方も示している。
 元代表は6月5日、関西電力大飯原発再稼働をめぐり、政府に慎重な判断を求める民主党有志議員が官邸に提出した117人分の署名に名を連ねた、新党参加者のうち、署名者は元代表を含め、37人に上る見通し。次期衆院選をにらんで脱原発の訴えを強める構えだ。(中略)
元代表は4日、社民党の又市征治副党首と国会内で会談し、消費税増税反対に加え、脱原発でも連携を呼び掛けた。新党結成が国会の脱原発勢力を勢いづかせる可能性はある。(7/7東京新聞より抜粋)
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┗■5.<テント日誌 7/4(水)―経産省前テントひろば298日目>
 |  テントで感じる季節感と社会観
 |  7/7 七夕アクションに喚起されながら
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 梅雨明けも近いというにはまだまだなのだが、雨に降り込められテントの中から外を長めているとやはり憂鬱な気分になる。梅雨時に「ながめ暮す」というのは日本ではかつては田植えの季節と密接に関係していたらしい。そして長めという言葉の喚起する欝屈感には田植え時に若い男女が隔離され、禁欲をしいられたことがある。これは折口信夫の説であるが、僕らは子供のころには田植えの季節の華やいだ雰囲気を感受した世代であり、この説に想像力を刺激しこころ魅かれるところもある。
 テントに泊まりながら季節感に敏感になりながら、そのことを日本の社会をイメージすることに重ねることをやっている。これは簡単に進めない。テントに座りながら自己問答をしていることの一つなのだ。
 東日本大震災や原発震災が喚起した課題であり、脱原発の意志表示に出てきている人たちの胸の内をよぎっているものでもあると思う。脱原発に立ちあがった人々の心の内で沸騰しているのは解体だけは確実に進む社会のイメージであり、そのもたらす不安とそれを超えて行くものへの希求だろうと想像する。

 第二テントの入り口には笹が置かれ、笹には短冊が下がっている。ここには様々な願い事が書かれている。7月7日にはテント前で納涼の時(18時から)が持たれ、官邸前に向かってカンショ踊りで短冊を届けに行くという。その後には第にテントで映画も催される。
 この企画をした人々のこころにあるものは単なる七夕という行事の活用ではなく、無意識も含めて社会をイメージのうちに取り戻したいという渇望でもあるように思う。

 テントでは6月29日の首相官邸前の行動について、とりわけ最後の段階での主催者の取った処置について議論が交わされた。これは主にネットで展開されている議論がこちらにも浸透してきた形である。予想超えて人々の集まりと混雑ぶりに主催者は早目の解散を宣言したことが議論を呼んでいるのだ。
 官邸前アクションは如何に多くの人が脱原発の意志表示をするかということに主眼が置かれてきたと思う。その意味では権力側の規制を受け入れ人々の結集しやすい方法に意を砕いてきたのだと思う。これが成功し、6月29日は予想超えた人々の集まりになった。主催者や参加者事態の予想を超えた事態が出現したことで対応について戸惑いがあり、主催者が早目の解散で対応したことを非難しても仕方がない。それは当たらないし、野次馬的な面々の非難である。

 当日、私も雑踏の中にいて、人の流れが遮断されたりして意志表示に現れた人たちに不満が残ったとことを想像できた。これを今後はどう解決して行くかついて考えも浮かんだ。これは機会があれば主催者の人たちと話ができたらと思った。私は一人の意志表示者として今後の官邸前行動に参加し、それが十二分に行われる努力をしたい。それを規制してかかる警察などとの対応をどうするかということも問題として登場する。

 これは一人一人の意思表示が予想を超えて人々の集まりになった場合の表現形態《行動形態》として新しい経験をしているのであり、一人ひとりが具体的に考えることだ。権力との衝突を前提にした昔取った杵柄風の考えを呼びもどすつもりはない。それは現在の意志表示の必然と意味を理解していないことだからである。(M/O)

★7/7(土)七夕の経産省前テントひろば 夕涼みアクション
       「原発再稼働への怒り  天の川 キャンドルナイト」
 17時~18時 経産省前テントひろば 夕涼みアクション
        ・アピールと歌、カンショ踊り ・団扇プラカードコンテスト
 18時~19時 カンショ踊り流しで首相官邸前へ
        ・短冊アピール…笹竹を受け取ってもらおう!
        ・ノダグダ…野田首相にこれだけは言っておきたい。
 19時半~21時 第2テントでドキュメント映画上映会
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┗■6.講演録『人間の手に負えない原子力』(上・下)
 │  ☆好評!たんぽぽ舎オリジナルパンフの紹介☆
 │  (上・下)どちらもB5判32頁 頒価400円
 └──── お話:小林公吉さん

「上」の目次一部紹介
連続講座第1回 福島事故と放射線
1.福島原発事故 2.放射線についての基本的知識 3.わずかな放射線 4.わずかな放射能 5.まとめ

「下」の目次一部紹介
連続講座第2回 原子力のもう一つの顔-原爆と原子力発電-
1.原子力の発見とは? 2.原爆―「核の時代」  3.原子力発電 4.「平和利用」と「軍事利用」 5.核燃料サイクル

連続講座第3回 エネルギー1割カットで「原子力のいらない暮らし」
1.エネルギー 2.原子力のない生活 3.その他の問題点 4.世界のエネルギー消費 5.核と政治 6.「原子力のない生活」実現のために

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