「台湾有事」論の地平を越えて、「台湾を知る」ために
今年1月の台湾総統選の終了後も「台湾有事」をめぐる議論の過熱が続く中で、私たちはどこから問題にアプローチすることができるだろうか。日本国内の言説状況の内部で何らかの「台湾イメージ」に頼って何かを論じることには大きな限界がある。たとえ主観的には善意の「反戦」・「平和」論だとしてもだ。国際問題の当事者である台湾の人々との国境を越えた対話が不可欠だが、対話が成立するためには前提として知識を持たなければならない。
今回は台湾近現代史を専門とする研究者であり、多様な領域で情報発信や活動を続けている駒込武さんにお話していただく。近現代史から台湾社会の現在、そして駒込さんが専門�にしていられる植民地支配研究の理論問題までを射程に入れた研究会としたい。
日 時:10月8日(火)18:30開始(3時間弱)
報告者:駒込武(京都大学大学院教育学研究科教授)
「ウクライナ戦争以後、安全保障の観点から「台湾問題」がにわかに注目を浴びるようになりました。ですが、そもそも、わたしたちは「台湾」についてどれだけのことを知っているでしょうか。小籠包やパイナップルケーキのことならよく知っている! という人もいるかもしれません。歴史的には「親日的」というイメージもあります。ですが、「親日的」かどうかばかりに着目した見方は、台湾社会自身の文脈を軽視するものともいえます。清朝、日本帝国、中華民国というように国家が変わるなかで「わたしたち台湾人」という意識はどのように形づくられてきたのでしょうか。台湾の人たち自身は自らの歴史をどのようにふりかえり、対外的・対内的にどのよう�な問題に直面しているのでしょうか。
「台湾有事」を絶対に起こしてはならないのはもちろんとして、それに止まらず、台湾のことを知り、台湾の歴史と現在から発する問いかけがどのようなものか。台湾近現代史について学んできた立場でお話したいと思います。」
会 場:オンライン研究会(後述の方法で参加予約を頂いた方に招待メールを送ります)
資料代:500円
今回もオンライン研究会です。
以下のメールアドレスに参加予約を頂いた方に招待メールを送ります。
renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp
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