★1.「1号機のメルトダウン確定-このまま海を放射能汚染させるのか?」
山崎久隆
1号機はメルトダウンが確定しました。それどころか、格納容器内に燃料が漏出しています。このまま水を突っ込み続ければ、たいへんな量の放射能が海に流出します。とんでもないことを止めさせないとと、下記のような質問と要請を東電宛に送りました。
———————–転送元のメール———————–
From: YAMASAKI Hisataka <vfa01742@nifty.com>
To: genshiryoku-center@tepco.co.jp
Cc:
Subject: 1号冷却ついての質問です
YAMASAKI Hisatakaです。
先日は、有用な情報をありがとうございました。
さて、今日の新聞に一斉に「1号機の水位は無し」「圧力容器損傷の可能性」との記事があり、かねて予想通り、圧力容器底部が損傷し水が溜まらない状態にあることが分かったとされています。
この事態に東電はまだ水を入れようとしているようですが、そんなことをしたら大量の汚染水を海に流してしまうことになります。
以下の質問にお答えください。
1号機の燃料は全て露出しているとのことですが、その状況を東電は「燃料の位置が下にずれているか、溶けて容器の底に落ちたか」と言っていますが、位置がすれるとはどういう意味でしょうか。下部格子板が外れたと言うことですか。
1号機原子炉建屋から汚染水が流出していると思われますか、していないと思われますか。
していないとしたら、これまで投入して行方不明となった水がどこにあるのでしょうか。
しているとしたら、その水は主に何処に溜まっていますか。タービン建屋において水位上昇が確認されていますか。
しているとしたら、さらにその水が地下を通じて海に流れ出していることを否定できますか。
海に流れ出しているとしたら、重大な海洋汚染を招いているわけですが、今後も水を入れ続ければさらに拡大の一途となります。これで良いのですか。
さらに、提案ですが、こうなると水を入れ続けていたら冷却以前に汚染の拡大にしかなりません。鉛を投入することを考えたらどうですか。鉛を散弾のような小さい粒にして水といっしょに送り込み、一定の量に達したら水を止めれば鉛に覆われて冷却できるようになると思います。鉛の利点は融点が低いので燃料冷却能力が相当程度期待でき、さらに放射線を遮る効果があり、最後に仮に漏えいしても水のように流出することがないことです。鉛の融点は330度ほど、沸点は1700度以上なので圧力容器を破壊する可能性は低いです。
2号機と3号機についても同様の結果と思われます。もはや水は無くなっていると仮定して、鉛投入をすべきではないでしょうか。
★2.「原子力発電のコストは、火力、水力と比べ最も高い!
(電気料金が高くなる)
立命館大学の大島堅一教授がデータを使って説明」
・5月12日のテレビ朝日、モーニングバードは、3・11原子力災害始まって以来の、真実に一歩近づいたかと思える放送をしていた。
いわく、「発電コストは、(水力、火力に比べ)原子力発電が最も高い」。そんなことは、アンチ原子力派で、少しでも原子力を勉強した人にとっては常識!かも知れない。しかし大手マスコミは、今まで一貫して、電気事業連合会が発表してきたあらかじめ一定の計算モデルに従った、発電単価(1Kw当たり)を国民に垂れ流してきた。それによると、1Kw当たり発電単価は、原子力が5.3円、火力が6.3円、水力が11.9円。(2004電事連)
これに対して、立命館大学お大島堅一教授は、これまで原発に払ってきた総コストを発電実績で割り、それに電源開発促進税(1Kw当たり37.5銭=約100円/月:国民負担)等の税金(税金投入が多いのが原子力!)を入れて計算すると、発電単価は原子力が10.68円、火力9.9円、水力7.26円となることをすっきりと視聴者に見せてくれた。これらの数字は、有価証券報告書を元に計算されたもので、これらにさらに、原子力に欠かすことの出来ない再処理費用を入れると、何をかいわんやである。同じく同TVに登場した河野太郎議員によれば、自民党時代も現在も、経産省は一度も発電コスト計算に係る生のバックグラウンドデータを出すことはなく、その部分はいつも「黒塗り」だったそうだ。どこかの会社の原子炉生データ開示せず!と、そっくりではないか。
・こうして、私たち「普通の国民」は、騙され続けてきた。
数年前に筆者が、10人の主婦友達に聞いたところ、原子力に多く投入される電源開発税が、自分たちの電気料金に上乗せされていること、そしてその単価を知っている人物は、残念ながらいなかった。我々も不勉強だったかもしれない。
しかし、そこに、一貫して、政府よりの情報を流し続けてきた大手マスコミの責任はなかっただろうか。今回の報道のように、最近のTV報道には、若干の変化が見られる。その理由は、イ.東電は今後、TVコマーシャルに経費を計上するどころの騒ぎではなくなり、スポンサー価値が下がった。ロ.若い層のみならず、いまや国民の中で合言葉になりつつあるのが、「テレビ、大手新聞は当てにならない」。さらに若い層になると、「TVなんて見ない。ネットしか信用できない」と言う言葉を、身近でよく聞く。TV局もさすがにあせっているだろう。時代の趨勢もあるだろう。しかし、すべての国民が、(被災地で情報源が限られる遅滞も含め)インターネットに堪能で、自分にとって「より真実に近い」と思われる情報を、瞬時に得ることが出来るのだろうか。否である。福島現地の若いお母さん方と話す機会があったが、「ママ友」で日常、ネットをやらない環境の「主婦友」は、若い層でもとても多いそうだ。また、インターネット世代でない層への情報開示も非常に大事だ。
・3番目に、手前味噌かもしれないが、たんぽぽ舎メルマガで以前もお勧めしたように、各TV、新聞社、雑誌社へのFAX作戦は、大変功を奏す。特にTVは、視聴者からの反応にとても弱い。どんどん意見をぶつけよう。FAXをどんどん送ろう。そうして、一人でも、原子力発電の発電コストは安い!などという、誤った呪縛から解放されれば良いではないか。
最後に「コメンテーター」がつぶやいた、「誰のための原子力かって、ことですよね。いかに今まで、考えずに、知らずに、生きてきたか。歴代の推進大臣は土下座して当然と言うことが段々わかってきた」と言う言葉が重く感じられる。
(H)
★3.「東京電力の電力危機キャンペーンには踊らされない」5/15(日)の講演会のご案内
東電は、福島原発事故後すぐに計画停電の発表や節電を求め、自助努力するより先に電力供給制限を行った。そして、「夏の電力が足りなくなる」キャンペーンをまた始めた。過去の原発停止による、「電力危機」も同じようなキャンペーンで人々に節電を求め、咽喉もとを過ぎれば、原発による余った夜間電力の消費先をオール電化等のキャンペーンで家庭の需要をのばしてきた。しかし東電が有している発電設備をみると原発を中心にした電力供給体制に偏っているために起ることである。他の発電設備をフルに活用し他社購入を増やして、夏場の数日、僅かな時間の最大電力に対する対策を実施れば、電気は不足しない。もしも、停電等を起こすようであれば、もはや東電は電力会社の資格はない。
このたび”ホントに環境にやさしい電気とは?”と言う、環境に多大な負荷をもたらす原発の電気ではなく、私たちも環境にやさしい電気を選ぶためのパンフレットを市民エネルギー研究所やたんぽぽ舎の協力で竹財団発行から発行しました。
お知り合いに手渡して一緒に考えてください。無料です。5月15日(日)の集会で配布します。(A)
※5月15日(日)「福島第一原発事故で、起きたこと わかったこと これからのこと」
会 場:明治大学リバティータワー地下1階1001号室
講 演:豊田直巳さん、小泉好延さん、安藤多恵子さん、
矢部忠夫さん、相沢一正さん
時 間:13:30~16:30(13:00開場) 参加費:500円
主 催:市民エネルギー研究所
共 催:たんぽぽ舎・大竹財団
★4.「本日の電力消費3415万キロワットと賢人会議のくだらない内容」
山崎久隆
・今日、東電が準備している電力量は3900万キロワット、予想最大は3600万キロワット、予備力わずか5%でいいらしい。それに対して午前中の最大は3415万キロワット。well省エネ。でも東京は昼過ぎには30度近くになるらしいのですが・・・。
電力消費量などというのは、やろうと思えばこのくらいは下げられるという見本みたいな日になるのかも。
・さて、賢人会議とやらを経産省で開いたそうだ。だいたい賢人などと自ら名乗る会議にろくなものはない。ある会議が後の人々にとって「あああれは賢人たちの会議だったね」と評価されるからそう呼ばれるというのがまともな感覚。自ら賢人と言ってはばからないなどというのはかなり恥ずかしいと思うのだけれども、そういう感覚は無いのだろうか。
ネーミングだけにかみついているわけじゃあない。日経新聞の会議内容を見てほとほと呆れた。「米仏などの主要国だけでなく、中東なども原発を推進するなか、日本が原子力技術を放棄するのは難しいとの指摘」など、とんでもなくためにする議論。中東に地震はほとんどないし、米仏以外に推進する「主要国」などない。日本は中東と米仏のために原発を推進するのか?こんなことを言う「賢人」は少なくてもいらない。あとは金がかかるだの温暖化がどうだの、いままでの原発推進論者の能書きを繰り返すだけの(または再確認するだけの)「賢者」もいらない。
こういう愚者の会議ではなくて、ちゃんとものごとをかんがえられる人が集まって「普通の」会議を開けば、今後50年ほどたって世界でも先進的な再生エネルギー利用国になっていたら、そのときの人々が「賢人会議」と敬意を持って読んでくれる。そんな会議でなければ意味がない。
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