「【傲慢な東電とたたかう3カ条】と【電気料金仮払いの呼びかけ】」など―地震と原発事故情報

2012年7月19日(木) 地震と原発事故情報【TMM:No1522】-3つの情報をお知らせします
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★1.【傲慢な東電とたたかう3カ条】と【電気料金仮払いの呼びかけ】
   <7.16 10万人集会での提案から>(槌田 敦)
★2.2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(2)
    事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁
    提案議案の採決、票数さえ数えず(脱原発東電株主運動 山崎久隆)
★3.スペースたんぽぽ講座のおさそい
 ◇プロメテウスの罠 「官邸の5日間」、講師:木村英昭さん
 8月1日(水)18:30開場、19:00開始、参加費800円
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┗■1.【傲慢な東電とたたかう3カ条】と【電気料金仮払いの呼びかけ】
 │  <7.16 10万人集会での提案から>
 └────(槌田 敦)

【傲慢な東電とたたかう3カ条】*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

[1]被害者救済は、民法709条による故意・過失の損害賠償で原子力損害賠償法による東電の無過失責任に騙されるな

[2]放射能汚染の除去にも、汚染者負担の原則
   処分費用は東電の負担、加えて処分場は原発敷地に高層倉庫を

[3]原発事業は株主総会決議。原発の損失は株主が負担すべきもの発電所など資産売却で支払わせる。利用者負担は筋違いだ
【 電気料金仮払いの呼びかけ 】*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 1)準備:料金引き上げに備えて、まず銀行自動払込を中止する。
 2)仮払い金額の計算:東電の引き上げ請求額から、原発損失の株主負担分を減額する。ここで、株主負担分として、減額は、仮に月額1,000円とする。株主負担分が確定した段階で清算させる
 3)送金方法:送られてきた払込取扱票をパソコンでカラーコピーする。
   原票は保存。コピーで作成した払込票も有効だから、この送金額を二重線で消して、1,000円減額した送金額を書き込み、訂正印を押し、郵便局窓口に提出。この方法は、東電指定の支払期日まで原票をコピーして何度も使える。
 4)通信欄:仮払いであることを明記し、東電に対する意見を書く。
   たとえば、「原発損失は株主負担。これを除いて料金請求願います」
   コピーによる1円送金でも、手数料は東電負担。つまり、通信は1円でできる。
 5)東電の対抗手段(例):郵便払込票を送付せず、コンビニ払込票だけにすることがある。しかし、「払うといっているのに、受け取らないつもりか」と電話すれば、元どおりの郵便払込票が送付されることになる。
 6)送電停止通知、送電停止、損害賠償請求、裁判など:状況に合わせて対処
 7)停電被害を避けるために:送電停止通知は多くの場合は脅しだから、無視する。しかし、停電されそうなら請求額の1,000円は払う。だが、次月分でこの分を加算して、2,000円減額の仮払いとする。
 8)この方法は、デモには行けないけれど、郵便局には行ける人の抗議行動

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┗■2.2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(2)
 │  事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁
 │  提案議案の採決、票数さえ数えず
  └────(脱原発東電株主運動 山崎久隆)
(前号からのつづき)

 質疑の詳細 会計上の核燃料の扱い

 これについては、新たな事実も分かりました。
 武井副社長は「福島第1の1~4号機は、原子炉に装荷されている核燃料と、未使用の核燃料が(使用済燃料プール中に)あるが、3・11以降1~4号機は事実上の廃炉との意思決定をしたので、帳簿価格に残すわけにいかない。減損処理が必要になり、核燃料の帳簿価格計448億円を資産から落とし、災害特別損失に振り替えた経費処理をしている。福島の事故を踏まえ、適切な(核燃料の)保有量がどうあるべきか、検討している」と答えています。
 東電には全部で約8000億円にも達する核燃料が帳簿上の資産として計上されています。このうち約1000億円は装荷中等核燃料です。約7000億円は加工中等核燃料と言い、ウラン鉱石として買い付けてから原発に輸送されて保管されている新燃料までを言います。このうち今回除却したのは、炉内で破壊された燃料と使用すべき相手が廃炉になった1~4号機のプール中に保管されていた新燃料です。これらが除却されるのは当たり前ですし、そんなわかりきったことを尋ねるはずもありません。ここで聞いたのは、原発に運ばれる手前の、ウラン鉱石から本当の意味で加工中の核燃料について聞いています。しかしこれらはまだ「検討中」なのだそうです。
 核燃料は燃料体に加工しはじめると、もう他の原発用燃料に転用は出来ません。例えば1号機について言えば、他の原発とサイズが違いますから、そもそも入りません。同じ炉形と言っても、原発の燃料はオーダーメイドです。どの炉の第何回取り替え燃料のどの位置の燃料体と決まっています。そのための核物理学的な計算を行い、詰め込まれる核分裂性物質やガドリニウムという中性子吸収剤などの含有量やペレットごとの濃度も決まっています。それを他号機の燃料に転用など出来ない構造です。
 もちろん、燃料を切り刻み再度硝酸に溶かして硝酸ウランにしてと、再処理行程に乗せれば別号機用の燃料に変えることはできますが、そのためには行程に戻して再加工しますから膨大なコストが掛かります。ウラン鉱石から作る普通の燃料のほうが遙かに安いことになりますから、誰もそんな無駄なことはしません。
 こうなると、東電は大量の使い道の無い燃料を抱えることになります。これらは今の時点では資産の部に載っていますが、本来はすべて負債の部に乗せるべき「核のゴミ」なのです。それがどのくらいあるのか、東電の原発の出力に比例していると考えればいいわけで、470/1732の割合で負債になっていると考えて良いと思います。これは全体の3割弱で、7000億円の加工中棟核燃料のうち1900億円に相当します。除却したのは、誰が考えても使える訳の無い、当時1~4号機の建屋内に存在していた核燃料だけです。
 このほか、福島第二も事実上の廃炉ですから、実際には東電の核燃料の内、半分以上は既に核のゴミになっています。まだ燃料に加工されていないウランは売却可能ですが、一方で国際的な核拡散問題がありますから、おいそれと売れる代物ではありませんし、東電の加工中燃料を買うくらいならば最初からウランを買った方が安く付くので、経済合理性から見ても売れるものではありません。

 質疑の詳細 突然詳細を述べはじめるシェールガス

 シェールガスとは、米国で近年大量に採掘する技術が進んだ天然ガスの一種で、頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石中に多く含まれるのですが、この頁岩をシェールと言います。
 現在米国内での価格が100万BTU(英国熱量単位)あたり5ドルを切るなど非常に価格が下がっているのですが、その時日本は15ドル近い価格でカタールなどから買っています。世界で最も高く天然ガスを買っているのが日本です。それで燃料代がかさんで値上げが必要などと、どんな殿様商売をしているのかと問うたところ、次のような展開になりました。
 答えに立った荒井常務は「4~5年前を考えると、米国の天然ガスの価格、欧州の価格、アジアへのLNG価格が上がったり下がったりしながら推移している。その後、米国内でシェールガスの開発が進み、米国の価格が極端に安くなった。シェールガスを日本に持ってくるならば、生の天然ガスなので、まず液化処理をする必要があり、さらに輸送費が掛かる。これらを加味すれば米国内価格というわけにはいかない。将来的に安い値段が継続するか、専門家で疑問を感じている人が多い」としながら「東電にはLNGを受け入れる実績、ノウハウはあるが、受け入れ設備の制約がどうしても生じる。実際にシェールガスがLNG化して出てくるのは数年後。2015、16年度以降の話だろうと思う。価格がその時点で今とは違ってくると思う。燃料調達で安定的に、また価格が安いか高いかを総合的に勘案するので、現時点では難しい。そうは言いながら、米国のシェールガスを受け入れる検討を進めているのは事実」であると、いろいろと説明が紆余曲折しながらも数年で天然ガス火力の大幅なコストダウンが見込める可能性を認めています。これで原発無しでも電力料金が高騰するという恐れは数年後には、ほとんど無いことが分かると思います。

 質疑の詳細 原発は地震で壊れた 2号機再臨界

 原発が地震で壊れた可能性は既に国会事故調報告書でも述べられています。
 昨年の3月時点で、構内モニタリングや可搬式測定装置、放射性物質の拡散などから見ても、津波以前に相当量の放射能漏れがあったはずとの指摘は繰り返されていますが、これに対して山崎副社長は「東電事故調査報告書において、プラント、地震解析、目視点検などについて総合評価し、地震によって設備は壊れていないという結論です」と答えている。実際には「安全上重要な機器については」という前提が付きます。原発の耐震安全性については、2006年の新耐震設計審査指針以後、見直しと称する検討会が保安院で開催されています。現在もほとんど終わっていません。これは「バックチェック」と呼ばれ、新指針においても原発の安全上問題が無いことを確認することになっているのですが、実際には原発の中でも重要性の高いいくつかを取り出してみているだけで、全体の耐震性評価にはなりません。ところが、もともと270ガル程度の耐震評価であった福島第一3号機が、このバックチェックで実に3倍近い600ガルにも耐えられるなどと作文されるわけです。
 もちろんそんな性能があるはずないので、建設当時の安全率3倍を食いつぶしているに過ぎません。そのため、重要機器の一部にはバックチェックで設計基準地震動の1.7倍までしか耐えられないなどと、ほとんど壊れそうな評価が出ていても「1倍以上だから持つ」ことにされているのが実態です。
 これに加えて、老朽化や施工不良などが重なるので、今回のように基準地震動とほぼ同じ程度の揺れに襲われていても、随所に破損が起きていても不思議ではありません。
 ところが、地震後の評価は「原発内部に入れないから」と言って、基準地震動の揺れを超えないから壊れていない「はず」というのです。これでは評価になるわけがありません。最初から「壊れない」と結論づけて、その裏付けのためにバックチェックの計算をもう一度持ち出しているという実態です。全く答えになっていないのです。
 常用電源が地震で全滅したことについても、答えになっていません。
 全滅したのは事実ですから、これが原子炉破壊の重大な原因なのに小森常務は「電源系の耐震の考え方ですが、万が一壊れても、安全系の電源で復旧する設計です」と開き直る始末。安全系電源は今回津波で全滅しています。常用系が生き残っていたら、仮に津波で非常用ディーゼル発電機などが全滅しても生き残れたのです。実際、女川原発がそうだったのです。
 原発は冷却材を失えば終わりです。このくらいは常識ですから、そのために最低限冷却材ポンプを稼働させる動力は「いかなる手段を持っても」補償する必要がありました。非常用ディーゼル発電機のほうが信頼性が高い設計であったとしても、実際の地震や津波に襲われれば何が起きるか分からないのが現実です。常用電源も多重化し、簡単には失われない設備としていれば、女川程度には生き残ることが出来たのかも知れませんが、その程度の想像力も無かったのが東電です。
 最近になって福島第1原発2号機について、再臨界の懸念が言われています。東電は「現状は再臨界はしていないと判断している」と述べ、その根拠を核分裂生成物の組成に変化が無いことを指摘しますが、臨界の有無を直接確認する方法は中性子線の測定です。それをなぜか行おうとしないので、疑惑となっています。
 多くの謎とウソを残して、総会の質問時間は終わります。その内容はとうてい株主を納得させられるものではありませんでした。(続く)

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┗■3.スペースたんぽぽ講座のおさそい
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◇プロメテウスの罠 「官邸の5日間」

 日時 8月1日(水)18:30開場、19:00開始、
 会場 スペースたんぼぽ(たんぽぽ舎4階)、参加費:800円(学生500円)
 講師 木村英昭さん(朝日新聞特別報道部記者)

 原発震災直後から官邸中枢に入り、密着取材した第一線記者が語る、真実とは?
 「あれは撤退ではない、放棄だ」と木村記者は言った。その根拠は?スピーディーの存在は誰が知っていた?ベント、海水注入などなど、あの5日間に誰が、いつ、どこで、何と言った? 
 知られざる真実を木村記者が語ってくれる!

 著書「ヤマは消えても–三池CO中毒患者の記録」(葦書房)
   「国立公園は誰のものか―ルポ 新尾瀬を歩く」(彩流社)
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【編集部より】
 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
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