「ふるさと納税」制度を活用して、名護市を応援しよう

著者: 新崎盛暉  あらさきもりてる : 沖縄大学名誉教授
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沖縄・米軍普天間基地を北部・名護市の辺野古沿岸に移設する計画について、地元名護市をはじめ、沖縄県民はくり返し反対の意思を表明し続けてきました。日本が民主主義の国であるならば、この沖縄県民の意思は尊重されなければなりません。

しかし「最低でも県外」を標榜して政権に就いた民主党政権は、その公約を簡単に覆し、沖縄県民の意思を無視して、辺野古移設に回帰する日米合意を結びました。そして、何の正当性も実効性もないこの「合意」に基づいて、強引に辺野古に新基地建設を進めようとしています。

政府は、去る12月24日、名護市に対して、米軍再編交付金の支払い停止を通告してきました。米軍再編推進特措法に基づく交付金は、米軍再編に協力し、基地を受け入れる自治体に、出来高払いで交付金を支給する、というものです。野党時代の民主党は、米軍基地を金で押し付けるこの悪法の制定に反対していました。

2010年1月「海にも陸にも基地は作らせない」ことを公約して名護市長に当選した稲嶺進市長は、再編交付金に依存しない事業計画を明らかにしていますが、基地容認派であった前市長時代から執行中の事業についての09年度繰り越し分約6億円と10年度分約9億9千万円については、支払いを要請し沖縄防衛局と協議中でした。しかし、今頃になって防衛省はこの交付金の支給を停止し、北澤防衛大臣は、「基地に反対するならそれなりの覚悟が必要」とうそぶいています。

一方同時に発表された2011年度予算案では、沖縄関連予算が9年ぶりにわずかながら増額に転じました。基地の県外移設を主張して知事に再選された仲井真知事が、かつては基地容認派であったことに期待を寄せてのことでしょう。

つまり政府は金の力によって自治体を締め上げ、名護市民や沖縄県民の意思を挫こうとしているのです。結局、普天間基地問題に関しては(ひいては対米従属性においては)、民主党政権は自公政権と何も変わらないことを示したといえます。

私たちは、菅政権のこうした方針に強く抗議するとともに、このように露骨で卑劣な「飴と鞭」の政策に反対し、世論を喚起し、名護市民と連帯し、名護市を応援する具体的な行動をとる必要があると考えます。

「ふるさと納税」制度の活用はその1つです。「ふるさと納税」は2008年に出来た制度で、応援したい自治体を選んで寄付することが出来、その際、住んでいる自治体の住民税などから控除を受けられます。(詳しくは、別掲「名護市へのふるさと納税のやり方」参照)

すでに、本土でも、沖縄でも、この制度を使った名護市への連帯の呼びかけが始まっています。私たちの呼びかけも、これらの声に連なったものです。

名護市を孤立させてはなりません。国民一人一人が名護市に連帯の意思を表示することはそのまま、日本の民主主義を強化することにつながると私たちは考えます。

2011年1月17日

新崎盛暉(沖縄大学名誉教授) 池田香代子(翻訳家) 上原成信(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック) 宇沢弘文(東京大学名誉教授) 遠藤誠治(成蹊大学教授) 岡本厚(岩波書店「世界」編集長) 我部政明(琉球大学教授) 加茂利男(立命館大学教授) 川瀬光義(京都府立大学教授) 古関彰一(獨協大学教授) 桜井国俊(沖縄大学教授) 佐藤学(沖縄国際大学教授) 高田健(World Peace Now) 千葉真(国際基督教大学教授) 寺西俊一(一橋大学教授) 西川潤(早稲田大学名誉教授) 西谷修(東京外国語大学教授)野平晋作(ピースボート) 前田哲男(評論家) 水島朝穂(早稲田大学教授) 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授) 比屋根照夫(琉球大学名誉教授)和田春樹(東京大学名誉教授) ガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授)

*名護市への「ふるさと納税」のやり方=①「名護市ふるさとまちづくり寄付金申込書」に記入し、送付します(メール、ファクス、郵送可)。申込書は名護市ホームページからダウンロード、あるいは電話などで申し込めば郵送してもらうこともできます。②名護市から寄付金専用の納入通知書が送付されます。③寄付金を払い込みます。④名護市から寄付金受領証明書が送付され、確定申告の際税額の控除が受けられます。

寄付受領証明書は5000円以上の場合ですが、税額控除を必要としない1000円~2000円のカンパも同様の手続きで受け付けています。グループで寄付したい場合は、納入者リストを付けて寄付してください。

http://www.city.nago.okinawa.jp/5/4969.html

問い合わせ、申し込み先=〒905-8540 名護市港1-1-1 名護市役所企画総務部企画財政課 (電話)0980-53-1212 財政係 (ファクス)0980-53-6210 (email  kikakuzaisei@city.nago.okinawa.jp

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