「コスト上昇説の裏側」など―地震と原発事故情報 その295

        6つの情報をお知らせします(1月13日)

★1.コスト上昇説の裏側 (たんぽぽ舎 原田裕史)
★2.原発・放射線・地震問題の語り手10人ら
   たんぽぽ舎副代表 山崎氏が2位に登場
               (2012年1月2日東スポWebより抜粋)
★3.<テント日誌 1/11(水)>
   ―経産省前テントひろば 113日目―
★4.読者から イベントのおさそい
   松井英介さん講演会「見えない恐怖、放射能内部被爆」2月12日(日)
★5.原発放射能 セシウム降下急増 なぜ 福島市 新年早々、不安広がる
   風邪で舞い、雨・雪に付着?「速報体制必要」
                   (2012年1月13日版 東京新聞より抜粋)
★6.本の紹介―原発の本質を知るにはこれだ!!―
   「福島原発の町と村」布施哲也著、七つ森書館
      (劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク・たんぽぽ舎 山本勇祐)

★1.コスト上昇説の裏側  (たんぽぽ舎 原田裕史)

 原発再稼働をしなければ発電コストが上昇するという宣伝が今後、半年更に行われるだろう。
 発電コスト自体は2010年に原子力委員会に立命館大学大島堅一先生により提出された資料によれば原子力発電は過去、火力発電よりも高価であった。(細かい話もあるので、原本に当たってください)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2010/siryo48/siryo1-1.pdf

 今年に関しては原発燃料を購入済みで定期検査などもしている。つまり原発のコストを払った上で、火力発電の費用も払うのだから、トータルの発電コストが増えて当然である。原発の再稼働をあきらめ、既に原発に支払った費用と長期休止していた火力発電所の再稼働費用を国費で支援し、長期分割支払いにすれば、言うほどのコストアップにはなるはずもない。
 これは政策変更費用であるので国費の出番というものだ。原資にはまず原発関連予算約4,200億円を振り向けるべきである。

★2.原発・放射線・地震問題の語り手10人ら
   たんぽぽ舎副代表 山崎氏が2位に登場
                  (2012年1月2日東スポWebより抜粋)

 3月11日で世界が変わった2011年、映画をほとんど見ることができなかった。代わりに足を運んだのが、脱原発や放射線防護、地震に関する講演や集会、学習会。
 ということで2年続いた映画ベスト10を断念し、原発・放射線の問題で印象に残った話者10人らを挙げる。順位をつけたが優劣ではなく、あくまで主観的な印象度によるもの。12年もこの人たちの発言に注目したい。

【1位】樋口健二氏(写真家)
【2位】山崎久隆氏(たんぽぽ舎副代表)
 大学教員でも技術者でもなさそうな山崎氏だが、その知識は原子炉から放射線防護に至るまで、恐ろしいまでに広く、かつ深くて示唆に富む。問題点をズバリ指摘するのみならず、その解決策まで明快に提示。過去の原子力行政や研究例にも詳しく、データが次々と出てくる。現在進行形の事態の解説には打ってつけの存在。大メディア的には有名ではないが、こういう人こそテレビに出るべき。
【3位】小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
【4位】福島の母たち
【5位】秋山豊寛氏(元宇宙飛行士、元TBS記者、農家、大学教授)
【6位】広瀬隆氏(作家)
【7位】田中三彦氏(サイエンスライター、元原発技術者)
【8位】後藤政志氏(芝浦工大非常勤講師、元原発技術者)
【9位】吉村秀實氏(防災ジャーナリスト、元NHK解説主幹)
【10位】島村英紀氏(地震学者)

★3.<テント日誌 1/11(水)>
   ― 経産省前テントひろば 113日目 ―

1月11日(水) 曇り 風が強く、大変寒い一日であった。
 今日、ある女性の尽力で第2テント用のソーラーパネルと発電装置が設置された。携帯やパソコンの充電は充分に賄え、短時間なら100Vの電気製品も使えるとか。
 それにしても、このところ寒さが厳しくなる中、”火気”を口実とする経産省の締め付けというか対応は、執拗になってきている。
 今日も午後突然数人の職員が公安まで引き連れて、「査察」と称してビデオカメラを片手に3つのテントに押しかけてきて、遂に中にまで踏み込んできた。もっとも、彼らの目指すものは何も見つけることできなかったのだが。
 そして新たに「警告板」を2つ設置してしていった。それが夜の不幸な事態を引き起こす原因となった。

 これについてはテントひろばのブログに声明の形で詳しく触れられているので、是非そちらをご覧いただきたい。(http://tentohiroba.tumblr.com/
 夜、通行中の高齢の男性が、テントの脇にある経産省の案内板(霞ヶ関地図)を見ようとして、例の鬱陶しくも忌まわしい鎖と横棒を越えようとしてそれに足を取られて転倒し、昼間設置した「警告板」の土台に額を打ち付け、流血の事故となった。テントに居合わせた者がそれに気づき、すぐ介抱し、救急車を呼んだのであるが、そこに居合わせた経産省の職員は、当初怪我をした 老人を助けることよりも、責任をテントになすりつけようとし、ビデオ撮影を繰り返した。
 そもそもあの鎖と横棒は設置された時から「とても危険だからすぐ撤去するよう」申し入れていたのであるが、経産省は無視し続けてきたものである。
 テントとしては、老人が搬送された慶応病院に様子見舞いに伺うとともに、明日、経産省に抗議・要請文を携えて抗議に行くことを確認した。再稼働を見据えてテントを締め付けようとする経産省の横暴がこのような事故を招来することを、もう許すわけにはいかない、と。
 夜更け、テントが強風に煽られてバタつく中、少し補強してまわる。
 1月2日に、8歳の孫娘さんを連れてテントに来訪された千葉の男性の方から、丁重な封書をいただいた。もう5日程前であるが、遅ればせながらご紹介しておきたい。
 一般参賀に行った後に寄られたとのことであった。お孫さんは貰ったお年玉をカンパし、2人で座り込んでいたそうである。「帰りの車中で、孫と感想を語り合いました。孫は参賀のことよりも、テント村で頑張っておられる皆さんの事の方が気になったらしく、しきりに原発、放射能汚染のことを話していました。・・・・足に持病を持つ私は、長距離の歩行で足の痛さに悩まされましたが、孫の方を杖にして歩きました。色々勉強できて、心に残るいい一日でした。」 高齢者を中心にやっておられる「向こう三軒両隣」の絆づくりの会合で、今回はこの1月2日の体験を話されるそうである。( Y・T )

★4.読者から イベントのおさそい
   2/12松井英介さん講演会「見えない恐怖、放射能内部被爆」

 放射性物質を体内に取り込んだ時、細胞内で何が起きるか、広島、チェルノブイリ、イラクでの内部被爆の現在の状況、ICRP批判、など。長年医師として環境問題に関わっていらした松井英介さんの講演です。

 とき  2月12日(日)12:30開場 13:00開演
 ところ 飯能市市民会館202会議室
 入場料 前売・予約500円 当日700円
    (定員90名ですので、できるだけ予約してください)
 保育あります。(定員あり)
 共催  原発とめよう飯能、こどもの未来を楽しくする会、
     飯能市消費者団体連絡会
 予約・問い合わせ  TEL&FAX 042-977-1890(鈴木)

★5.原発放射能 セシウム降下急増 なぜ
   福島市 新年早々、不安広がる
   風邪で舞い、雨・雪に付着?「速報体制必要」
               (2012年1月13日版 東京新聞より抜粋)

(省略します―「「ちきゅう座」編集部)

★6.本の紹介 -原発の本質を知るにはこれだ!!-
   「福島原発の町と村」布施哲也著 七つ森書館
    (劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク・たんぽぽ舎 山本勇祐)

 3・11以降原発に関する本は、書店の特設コーナーに山積されていた。それはそれで原発に関する知識の普及には大いに役立った。最近はそのブームは陰りを見せ書店の特設コーナーはほとんど姿を消した。
 そんな時期に、この本に出会った。なかなか面白い。著者の布施さんから”まじめに書いたんだ”と一言あって買い求めた。
 布施さんは「反原発自治体議員・市民連盟」の共同代表だ。数ある原発の本の中で、原発立地自治体をこれほど掘り下げて原発の問題点を浮き彫りにした本は見当たらない。布施さんは2011年まで清瀬市議会議員をしていたこともあり、電源三法に関して原発立地自治体の予算の分析は非常に分かりやすく鋭い。
 読み進むうちに、いろいろと多忙な彼が、これほど多くの資料と現地取材を積み重ねていることが随処にみられ感心する。
 自治体に関して、明快に分析し期待もしている個所がある。はじめにの中で、「明治以来この国の取った道は中央集権化であり、それに加えて、地方自治というものを兵士の供給と税金の徴収のために制度化してきた。自治体が誕生したのは、中央が地方を支配する道具を必要としたからだ。でも、自治体にはそれだけのではないものが存在するし、存在させたいという思いがある。」「自治体とその議会の力で、新規の原発を建設させず、現にある原発は運転を中止させ、再稼働させないで廃炉を目指す。そのために、自治体も議員も監視が必要で、そこに自立した市民が登場する。」思わず共感し頷く。
 この観点から「反原発自治体議員・市民連盟」は2011年月に結成準備会が発足する(5月に正式結成)。3・11の前から自治体の潜在的な可能性に着目していたことがわかる。

 以下、本書の目次から
 第1章 双葉町と大熊町…避難が遅れ住民が大量被曝
 第2章 相馬藩領と発電所…放射能が襲う浜通り 天明飢饉の傷跡
 第3章 阿武隈高原の村 …日本で最も美しい村・飯舘 全村避難を
     余儀なくされる
 第4章 自治体とPPS…自治体が原発を変える

各章で挿話的に述べられている(ドイツ、イタリアの自然エネルギーの実態)自治体の合併の歴史)(原発立地自治体が25市町村、その協議会があること)等々も興味ある内容だ。テンポの良い文章が気持ち良い。
定価:1,600円+税 四六判/224ページ 七つ森書館
反原発自治体議員・市民連盟でも取り扱います。
(電話・FAX:03-5211-7199)
(住所:東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5階たんぽぽ舎内)

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