3つの情報をお知らせします(2月9日)
1月27日、中国電力島根原子力発電所2号機が定期検査で停止。
残るは東電1基、関電1基、北海道電1基の計3基、全原発停止へあと一歩
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月末までに 定検入】
【関西電力:高浜3号 2012年2月20日 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
★1.ストレステスト意見聴取会の「別室傍聴」に参加した読者から
◇2,8ストレステスト意見聴取会の「傍聴」報告
― 何としても再稼働させてはなりません ―
さよなら原発みなと 佐藤れい子
★2.「大飯原発」と「新幹線」と「福井県」
福井県知事が原発再開にもどった理由、新幹線の延伸
ストレステスト後の地元「合意」への道具立て (山崎 久隆)
★3.<テント日誌 2/7(火)>
テントやテントひろばの豊かな機能 「夕べの語らい」
―― 経産省前テントひろば 150日目 ――
★1.ストレステスト意見聴取会の「別室傍聴」に参加した読者から
2,8ストレステスト意見聴取会の「傍聴」報告
― 何としても再稼働させてはなりません ―
さよなら原発みなと 佐藤れい子
2,8ストレステスト意見聴取会の「傍聴」に参加しました。
本会議は経産省 本館の17階 国際会議室で行われ、傍聴は別館1階115号室、別館のゲートも通らせない有様でした。しかも傍聴会場はとても狭く、椅子が所狭しと並べられマスコミと傍聴人で一杯でした。前回1,18の時も不思議に思ったのですが一般傍聴人とは明らかに違う人々が多数を占めていました。
前回も傍聴者は別室でしたが、その部屋のほとんどがダークスーツの男性で、皆押し黙ってただ座っているように見えました。後で聞くと電力会社関係の人達と経産省のプレートを付けた人達だったようです。
今回も同様ではなかったかと思います。隣の男性は居眠りしていましたし、前の男性は資料の関係のないページをパラパラとめくっているだけでした。
そして肝心の傍聴の様子ですが、全体が映された映像のみであたかも静止画面を見ているかのようでした。発言者の判別もつかず、いかにも形式的に傍聴会を開催しましたとのアリバイ作りが見え見えです。
そんな中、後藤さんと井野さんはそれぞれにこのストレステストの欺瞞を追及されました。
井野さんは
「ストレステストは方法論を始め まだ発展途上だ。しかも去年の12月末までに2次評価を出すということになっているのに事業者がやっていない。保安院もそれを催促していない。再稼働を急ぐあまり1次テストのみで評価を得ようとしている」
後藤さんは
「事故が起きる条件は無限にある。まだまだ検証しなければならない問題がたくさんある。役所は質問に対してまともに答えていない。その事が福島原発の事故の原因でもある。それがすごく気になる。努力しているからそれでいいと認めてくださいと言い換えている。いかに安全性の議論になっていないかだ。」など明らかに他の委員とは違う突っ込んだ意見を述べられました。
更に後藤さんは傍聴会のあり方にも言及され「同室で、開かれた傍聴があってこそ信頼が得られる。次回からはルールを決めて同室傍聴にすべきである。」と書面で意見を出し会議でも発言されました。
委員会終了後、後藤さんと井野さんは傍聴室を訪れ立ったままでの報告会となりました。今日の質問にまだ答えが無いので次回もこの論議は続くという見解だと言うことでしたが、夜のニュースではもう『<大飯原発>保安院審査書、安全評価「妥当」』と流れました。
保安院は何があろうとも予定通りに進めるだけといった姿勢です。責任なんて頭にありません。その証拠に「最後は政治判断だ。」とか「決定は大臣が行う」「保安院は合格とは言っていない」と最後は逃げ口上です。
今日は大飯原発の再稼働の事案だけかと思っていたら、議題に四国電力の伊方発電所3号機に関する一次評価について とあり現にこの件でも論議されました。資料には その他関西電力美浜3号機、高浜1号機、更には九州電力の玄海2号機、川内1・2号機のストレステスト評価結果についての報告も添付されていました。
再稼働に向けて着々と進行しています。大飯でも美浜でも高浜でも伊方でも玄海でも川内でもどこでもいつでも再稼働できるように準備されています。このままでは再稼働は必至だと思わざるを得ません。1ヶ所再稼働させるともう後はズルズルと広がっていくに違いありません。
何としても再稼働させてはなりません。
大手マスコミが報道しない被曝の実状をネットで知るたびに涙があふれます。空も海も空気も大地もそしてミミズも昆虫も鳥もありとあらゆるものが放射能で汚染されました。高い放射線量の地域で、大人の放射能管理区域の基準以上の中で多くの子供たちが居続けさせられています。
子供のみならず老若男女全ての人が安全な場所での生活が保障されるべきです。福島原発事故の悲劇を決して繰り返してはなりません。
皆で知恵と力を合わせて再稼働阻止のみならず全原発を『廃炉』にするまで頑張りましょう。
傍聴の人数は200人と聞いていた。受付に置かれた傍聴予定者の申込者は数えたら150人程度だった。それも一般傍聴者よりも様々な電力会社などの関係者が圧倒的に多いと見受けられた。予定人数にも達していないのだから申し込みの確認の手間をかけても撥は当たらない。
傍聴申し込み事務手続きは手を抜きすぎだ。公僕とは何たるかを知らない公務員が多い事に憤りを覚えた。
今回、申し込み者へ受け付け確認の連絡もしない経産省の怠慢は上から目線そのものだ。
「九電の説明会などと同じ構図」がいまだに続いている。大地震が予想される中でも原発の再稼動に向けて突っ走る政府、経産省、東電など懲りない面々。被害者そっちのけで利権に突き進む国家の執拗な執着心が見えてきた。
受付担当者には「誠実な態度で責任ある仕事をしてください」と話しテントで時間の許すまで座り込みをした。
(※編集部より:他にも参加報告記が寄せられています。
紙面の都合で次号に掲載します)
★2.「大飯原発」と「新幹線」と「福井県」
福井県知事が原発再開にもどった理由、新幹線の延伸
ストレステスト後の地元「合意」への道具立て
(山崎 久隆)
大飯原発の再稼働強行に、いったいどんな手段を行使してくるだろうと、心配している人も多いと思う。
その手口が毎日新聞の記事に出ていたので紹介する。1月29日の福井版に掲載された『北陸新幹線:延伸、県経団連・川田会長に聞く 「まず、福井まで開通を」 /福井』である。率直と言えば率直なんだろうけれど、これが全世界の命運をも左右してしまうほどの重大事だと、知ってか知らずか。それにしても古典的手法を今さら使うこの国の政府。もうどんな政権でも関係ないというわけだ。
冒頭、簡単に経緯が書かれている。
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政府は昨年12月、北陸新幹線の金沢-敦賀間について、採算性などの条件を満たすことを前提に着工を認可する方針を決めた。12年度に着工した場合、完成予定は25年度と想定している。県内に大きな影響をもたらすとみられる北陸新幹線延伸について、県経団連の川田達男会長に今後の展望などを聞いた。
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北陸新幹線については、金沢まで路線が決まり、既に工事が進んでいるが、福井県内の路線は、全部は決まっておらず、ただ福井駅だけが作られている。これについて福井県は「もんじゅ」の運転再開を認める引き替えに、新幹線の延伸を求めていた経緯がある。そのことは次の発言でも裏付けられる。
「もんじゅの運転再開を認めたいきさつを頭に置いて(整備新幹線を)進めてもらわないと困る」(2010年11月3日の西川知事発言)
そして、財政破たんだ、消費税増税だというこの時期に、なんと地元も期待していなかった新幹線の敦賀延伸がきまる。記事ではどう書かれているか。
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◆新幹線の延伸方針が決まりました。福井への影響と、これからすべきことをお聞かせください。
福井にとって大きなことだ。当面は、できるだけ早く開通させることが第一。前倒しで整備ということも、過去にはあった。
ただ、開通するという14年後は、なかなか想定できない。もしかしたら「もう新幹線はいらない」という時代になっているかもしれない。今から何をするかは、なかなか難しい問題だ。もう少し具体化しないと。
敦賀までいっぺんに完成するわけではなく、徐々にできてくるので、福井までできた時点で開通させてほしい。今は(敦賀まで)一括でしか考えていないと言っているが、それは無駄だ。福井までの早期開通を一つの区切りとして、次は敦賀までと早くやるよう強力に働きかけ、できるだけ早く開通するようにしないといけない。
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わかりやすく言えば、とにかく細切れでも何でも出来たところから走らせろ、ということだ。国は何度も口では新幹線の延伸について「約束」をしてきたが、財政危機などを口実に実際には路線もきまらず着工もしなかった。そこで、具体的に工事が進んでいない金沢から福井まででも、とにかく作って走らせることを求めている発言だ。そもそも国の約束など当てにならぬと言いたげだ。まあ確かにそのとおりではある。ただ、冷静に見ているところもあって、14年も先では少子高齢化社会で新幹線で旅行などという時代では無いかもしれないと感じているらしいところがある。
さて、問題なのはこの先だ
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◆昨秋、「新幹線延伸は今年は駄目だ」とあきらめの発言をしていましたが、結局、認可されました。
なぜ認可されたか、詳しくはよくわからない。西川一誠知事が一番動いていた。細かく活動していた。原子力を含めて、しっかりと対応していることが、ある意味では評価されたのかもしれない。
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地元の経団連会長が「知らない」という実に奇妙な電撃認可だったというのだ。もうこうなると、福井県の原発がらみとしか考えようが無い。「これまでの功績に報いて」なんて話であるわけがない。
そして、当然ながらこうなってしまう。
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◆国は、原発再稼働の前提として新幹線を認可しておくことにしたのでしょうか。
分からない。そういうことがあったかもしれないが、直接的な働きかけはない。
我々、経済界としては、新幹線が認可されないなら、原子力(への対応)も含めてきちっとやろうと。国との対立も、ある程度やむを得ないという考え方でいた。私は少なくとも、新幹線が認可されなかった場合には、原子力は少し今までみたいに国の言うとおりにしてはいかんなと思っていた。新幹線が認可されたということで、そういう問題はなくなりましたね。
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翻訳すればこういうこと。「経済界としては、新幹線が認可されないのだったら原発も「認可」してやるものか、という立場だったが、新幹線が認可されちゃったら、原発を認可しないわけにはいかんでしょ。」
いったいどこまでデタラメな世界なのか。
原発の安全性だの地元の合意だの、そんなのは新幹線の路線を地図上で引き回せばすぐに「解決する」のだといわんばかり。こういう連中に原発の安全性など一切語ってもらう必要なし。意思決定の場にも居てもらってはならないだろう。
福井県と福井県知事に、運転再開ノーの声を、再度、世界中からみんなで伝えていくほかは無い。原発の安全性が新幹線で担保されるわけが無い。そんな非科学的な話など何処の世界にもありはしない。新幹線などと間違ってもリンクさせてはならないと。
しかし、一体どれだけ悪用されるのか整備新幹線。だからこんなものは、はじめから作らなければ良かったのだ。
さらに国は次の手も準備している。それは、湖西線周りのフリーゲージ・トレイン導入だ。これもまた、福井県への揺さぶりなのだが、それはまた機会を改めて書くことにする。
★3.<テント日誌 2/7(火)>
テントやテントひろばの豊かな機能 「夕べの語らい」
―― 経産省前テントひろば 150日目 ――
テントにいた時間を時系列から言えば逆にたどって記したい。深夜の3時30分まで不寝番で起きていたので朝はゆっくりと眠っていたかったのだが、ドイツのテレビ局の取材があるとのことで早目に起こされる。宿泊の面々は朝早くから起きてシャッキとしている。室内の掃除などして取材の対応準備をしていたが、来たのは9時半過ぎだった。
「3・11から一年後の日本」ということをテーマにこれから本格的な取材をはじめるとのことである。その最初かどうかは定かではないが、早い方の訪問としてテント広場が選ばれたらしい。脱原発運動の可視的な場所が少ないということなのだろうか。
これまで、テントには外国のメディアの取材が多く訪れている。その報道でテントの存在を知ったということでテントに立ち寄る在外日本人の方は少なくない。どういう報道されているのだろうということが話題になることもあるが今のところ報道されたものを見る機会はない。
日本の報道陣より外国の報道陣の方の取材の方が多いというのはテントにあるものの率直な感想であるが、我々はそこに日本のメディアの報道規制を感じている。政府や東電などの情報隠蔽や情報操作が全体を覆っているためであるように思える。自分の頭で考えることに対して日本のメディアの果たしている役割について疑念が消せない。現場に取材にくる人たちとはいろいろと話ができるが、報道されたものはという気がする。日本の報道システムにも官僚主義が浸透しているのだろうか。
そう言えば、今日テレビ局のTBSが午後かなり長時間の取材をしたそうである。最近(1月24日の枝野経産大臣の記者会見以降)は大手メディアの取材が増えている。願わくば、従来のメディアのシステムに風穴をあけて欲しいものである。
ここ経産省の別館には保安院があり、8日にはストレステスト評価に関する意見聴聞会がある。1月18日に続く8回目である。前回は傍聴を締め出しに対する2人の委員(後藤・井野)の抗議と欠席もあり、この聴聞会のインチキ性が暴露された。
ストレステストそのものが電力会社(事業主)からの報告であり、再稼働のための儀礼的なものである。安全審査としては疑わしいのである。それに対する保安院の評価と判断があり、さらに専門家の意見聴聞ということだが、この委員の選定まで含めて疑念だらけだ。
今回の委員には関連業者から多額の寄付を得て委員が3人もおり、その疑惑も解かないままの続行である。大飯原発や伊方原発の再稼働という戦略に合わせたレールだが、官僚が全てをお膳立てする審議会形態のことから改めなければ実質的な「やらせ」を繰り返すことになるだろう。
国民の意志を聴く、あるいは専門家の意見を聴取するとはどういうことか、それがどのように可能かを問い直さなければ「官」によるやらせ(形式的なお膳立て)は直らない。原発震災が暴いた非民主的な政策決定システムのことだが、これを変えることも脱原発運動の課題である。
昨夜の、差し入れの牛肉で舌ずつみした宴でも、今の時代にについて多くの事が話題になった。その一つに孤独死の問題があり、最近では身近なところでの事例が増えている。テントが生みだす繋がりということはこのことに関係するのだと思える。
テントで繋がりを見出してもらえたらというのは過剰な期待なのだろうか。「夕べの語らい」は愉しいものである。飲み屋に足が遠のいたのもこちらの方が愉しいからだ。7日の夜は昨日よりは人数は少なかったが話は盛り上がった。冬の寒い夕べのひと時をこんな場が持てるのは素敵なことである。(M/O)
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[編集部より]
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