「パンがなければ米を食べればいい」 原発と自然エネルギー拡大を結びつけるな

著者: 浅川 修史 あさかわ・しゅうし : 在野研究者
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 脱原発と自然エネルギー発電導入は分離して科学的議論を
<近藤邦明(こんどうくにあき):「『環境問題』を考える」管理者>
  ちきゅう座 2011年8月4日の意見に全面的に賛成する。

  「パンがなければケーキを食べればいい」と語り、その世間知らずぶりを露呈してひんしゅくを買ったのは、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットだ。(史実かどうか不明だが)。パンを電力にたとえると、ケーキは自然エネルギーにたとえられる。自然エネルギーは美しい言葉であるが、実態は高コストで不安定な電源のうえ、自然エネルギーで発電する装置を製造する際に使用されるエネルギー(CO2排出)を含めるとはたして環境にやさしい電源かどうか不明である。

 近藤氏のいうように、自然エネルギー=環境に良い、という思い込みや思考停止を脱して、科学的に論議をしなければならない。脱原発=自然エネルギー拡大にしてはならない。

 太陽光発電や風力発電に代表される自然エネルギー促進派には、なんらかの経済的利益=利権がからまっていると推測する。

 マリー・アントワネット風にいえば、「パンがなければ米を食べればいい」と、筆者は素朴に考える。米はLNG(液化天然ガス)を使う火力発電である。これなら、2年もあれば建設できるだろう。こんなに簡単に低コストで解決できる問題を、「自然エネルギー発電の全量固定価格購入」法案まで導入して、促進しなければならない理由がわからない。

 自然エネルギー派はいうだろう。地球温暖化防止=CO2削減のため、と。しかし、科学的根拠があるのだろうか。もし、あったとしても日本は世界のCO2の4%しか排出していない。半分は米国と中国からだ。その両国は国益を守るために日本のような大幅削減政策を拒否している。