4つの情報をお知らせします(1月9日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.一人殺せば犯罪者、1000人殺せば・・・この国にまともな司法は無い
原子力推進体制の恐ろしい現実が見えてきた。 (山崎久隆)
★2.<テント日誌 1/5(木)>
年末~年始の怒濤の日々が過ぎてひっそりと
―― 経産省前テントひろば 117日目 ――
★3.読者から(イベントのおさそい)
3-1.「飯舘村から考える 地産地消のエネルギーと原発」2月4日(土)
3-2.「エコメッセ環境講演会」1月21日(土)
3-3.[討論集会]原発による「潜在的核武装」と日米安保体制
★4.「原発は安い」のカラクリを指摘する-熊本一規(明学大)教授
政府試算は数字操作(誤魔化)し、稼働率をカサ上げ
★1.一人殺せば犯罪者、1000人殺せば・・・この国にまともな司法は無い
原子力推進体制の恐ろしい現実が見えてきた。
(山崎 久隆)
1999年9月30日、茨城県東海村のJCOという核燃料加工工場で臨界事故が発生し、2名の従業員が中性子線を致死量浴びて亡くなった。この会社は「労働安全衛生法違反と原子炉等規制法違反」で立件され、社員6名については「業務上過失致死、その他」立件された。中には2人の犠牲者と共に作業をしていた1名も含まれていた。この立件事態は、あまりに「実行者」のみを追求し、実際に原因を作った旧動燃や原子力委員会を含む原子力推進体制に、何の捜査も無い、スケープゴート的な事件の作り方だったが、しかし住民が大量に被曝し人が死んでいる以上、「何もしないわけにはいかない」といった事情から、刑事事件となった。
起訴されたのは1年半後だから、今回の福島第一原発もこれから立件されることになるのだろうと思いつつ、しかしながら、既に市民から刑事告発されているというのに、その当事者たちが依然として原子力行政の責任者として、職に就いている現状から、この国にまともな司法はやはり無いのだと思わざるを得ない。
この際、東電はいわば「逃げも隠れも出来ない」であろうから、事故収束を第一として、時間をおいて立件しても良いかもしれないが、直ちに責任を問うべき人間たちが、依然として事故調査だの分析に従事しているということは、「どうぞ証拠を隠滅して下さい」と言っているの等しいではないか。
特に、重大な責任を負うているはずのメンバーは、原子力安全委員会とその配下にある専門部会の部会担当者だ。
事故発生時点から、有効な助言をするどころか、根拠の無い希望的観測を述べ、あまつさえ自己の責任を回避するために誤った見解を述べるなど、およそ職務を逸脱した恥ずべき行為をしてきた者たちを、今もって現職にとどめておくなど到底信じられない。
さらに事故後の住民被曝を避け、的確な避難指示をすべき機関、文部科学省の責任は重大だった。官邸が何と言おうと、SPEEDIの情報を素早く地元自治体に提供し、迅速な避難を実行する責任があった。
そういう手立てを講じていたにもかかわらず、住民が指示に従わなかったとか、時間的に間に合わなかったというのであれば、とりあえず国に責任は無かったと言えるかもしれないが、肝心の避難情報を秘匿して、ただ「10キロ圏内避難」「20キロ圏内避難」などとだけ指示すれば、当然パニックに陥る。
つまり「パニックになるからSPEEDIの情報を隠した」のではななく「政府がパニックになっていたから隠した」というべきだ。
このような次元の人間たちを、これからも緊急事態の対応に当たらせること自体、犯罪的行為だ。例えば医師免許の無い人間、猟銃所持許可証を持たない人間、弁護士資格の無い人間がそれぞれの職務を勝手に行えば「違法」である。
国の責任者に特定の資格のような「わかりやすい基準」は無いとしても、実態として既に「大失態を演じた」のであるから、担当から解任すべきだし、責任を問うべきだろう。能力の無い者たちを重要な職務に就けてはならない。
これら国家公務員や国の専門機関に審議官や助言者として加わっている「専門家」について、個別に「事故の前から今に至るまで何をして、何をしなかったのか」の責任を問うことが早急に必要なのだ。
★2.<テント日誌 1/5(木)>
年末~年始の怒濤の日々が過ぎてひっそりと
―― 経産省前テントひろば 117日目 ――
1月5日(木) 晴れ。穏やかな一日。
年末~年始の怒濤の日々も昨日の餅つき大会をもってひとまず終え、今日のテントはひっそりと、ゆったりした時間が流れている。
朝日新聞の特別報道部の記者が取材にくる。この記者氏が言うには、朝日は社説で脱原発を打ち出して以降、原発問題での取材は随分自由になり、関連記事も多くなったとのことである。
読み手の側の評価はいろいろあるだろうが、現場記者の実感はこのようである。その実感がどのように紙面に表現されていくのか、見守りたい。
そういえば、朝日は元旦の新聞のトップ記事で、原子力安全委員会の委員達が原発メーカーの三菱重工等から、5年間にわたって巨額の献金を受け取っていたことをスクープした。その1人が、「ストレステストに係わる意見聴取会」の司会進行役をしている岡本孝司東大教授である。しかも審査対象の多くは三菱重工製造の原子炉だという。阿部・山口を含めた3名までが利益相反者によって占められているそうだ。この3名は即刻ストレス委員を辞任せよ!というのは至極当然のことであろう。
意見聴取会は1月6日にも開催される。 ( Y・T )
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新年餅つき大会のレポートが、当日の責任者の方から届いているので、昨日の報告と重複するところもあるが、より真に迫っているので掲載します。
今日は餅つき、波乱の1日だった。経産省はこのところ、そこが弱点とみたか火気使用についてうるさく言ってくる。この点に関しては、右翼の放火云々の懸念もあり、我々も厳しく自主管理を行っている。夜間には不寝番をおき、発電機もカセットボンベ型にし、ガソリン使用はやめた。ストーブもカセット型だ。さて、プロパンを使う餅つきはどうするか。三つのテントが並ぶ狭いテントひろばに、その余地はない。 担当者鳩首の上、もち米を蒸かすのは近くの日比谷公園でやることにした。午後1時すぎ、最初の蒸篭が届き餅つき開始。搗き手は体力抜群サミーこと広瀬君だ。
彼は手並み鮮やかな鍋奉行を兼ねる。餅つきは暮れにやるのが一般的だが、新しい年を迎えてお隣さん方へ「今年もよろしく」と挨拶しとくのもよろしかろうということで1月4日となった。
お隣さん方とは、経産省、外務省、財務省に農水省である。1月4日は官庁街も仕事はじめ、黒ずくめの官僚集団が通りを埋める。女性職員の華やかな和服姿はほとんど見られない。大震災、原発事故への自粛の表れなのだろうか。
今日の餅つきに参加したあるフリージャーナリストが問いかけてきた。
「テントで遊び事していると批判する人もいるかと思われますが」「そうねー。餅を搗いて、仲間うちだけではなく、通りがかりの人や、隣近所などにふるまうというのはきわめて人間的でオープンだという表明でもあるわけで。テントの精神だということかなー。」
初臼に威勢のいい掛け声がかけられているその頃、日比谷公園では思わぬ事態が進行していた。誰の迷惑になりようもない公園の一角での炊飯になんと丸の内署の警官多数が警備課長を先頭に押しかけてきたという。彼らによれば、「110番が何度もあったから」だという。嘘も休み休み言え。正月早々そんなことで110番するひま人がいるか。とはいうものの、公園での炊事は中断のやむなきに至り、急遽西新橋のO弁護士事務所をお借りして急場をしのぐこととなった。
一方、テントひろばでは「未来を孕むとつきとおかの女たちのテント村行動」の椎名さん、事務局のひまわりさん、東電前アクションの園さん、テントひろばの代表として正清さんの4名がアンコやきな粉餅を盛ったお皿を手に、お隣さんがたへの新年の挨拶に向かった。
結果、挨拶状は各省共受け取った。お餅は受け取らないので置いてきた。経産省は例の課長が置いたお餅を持って慌てて追いかけてきた。外務省は外の門から一歩も中へ入れようとしない。農水省は警備担当者ではなく秘書課の課長が降りてきて、椎名さんの挨拶にもそれなりの対応だった。各省の対応の違いに原発との距離感が表れているようだ。餅つきはその後順調に経過、昔取った杵柄組やひまわりさんなども参加、トン汁などの炊き出しもあり、テント前は終日賑わった。 (T.E)
★3-1.「飯舘村から考える 地産地消のエネルギーと原発」
福島県飯舘村は、高原に開けた豊かな自然に恵まれた美しい村です。村にある資源や伝統に目を向け、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済とは違った「までい」な暮らし方を実践していました。太陽や森の恵みを利用した再生可能なエネルギーにも取り組んでいました。
ところが福島第一原子力発電所の事故により、現場から27キロ離れていたにもかかわらず、北西に吹いた風により大量の放射性物質がもたらされました。いま村民は避難し、分散して暮らしています。
長年飯舘村に関わってきた浦上さんには、飯舘村の村づくりについて、原発事故による現在の状況、そして今後について。平塚市で再生可能なエネルギーの普及活動をしている大嶋さんには、地域のエネルギー政策についての具体的提案や私たちができることについてお話いただきます。私たちの暮らしとエネルギーについて、一緒に考えましょう。
日 時 :2012年2月4日(土) 13:30~16:00
会 場 :オルタナティブ生活館 2階 オルタリアン
横浜市港北区新横浜2-8-4 TEL 045-472-7633
(JR・市営地下鉄 新横浜駅から徒歩7分)
参加費:500円
講 師:浦上健司氏(飯舘村後方支援チーム、日本大学生物資源学部研究員)
大嶋朝香氏(NPO法人 ひらつかエネルギーカフェ代表)
後 援:生活クラブ生活協同組合・神奈川
連絡先:地球の木 事務局 TEL:045-228-1575 FAX:045-228-1578
E-mail:chikyunoki@e-tree.jp URL:http://e-tree.jp/
★3-2.エコメッセ環境講演会
「3・11後の地球の回転~知ろう、語ろう、つながろう」
・日 時:2012年1月21日(土)13時25分~16時40分
・会 場:武蔵野商工会館 4階 市民会議室
交通:JR中央線吉祥寺駅下車 北口 徒歩5分
http://www.musashino-cci.or.jp/about/map.shtml
・講 師:鎌仲ひとみさん(映画監督)
佐藤 潤一さん(グリーンピース事務局長)
・プログラム
第1部 注目の2人によるトークセッション
第2部 ワールドカフェ
・参加費:¥500(エコメッセ会員は無料)
・申込み、問合せ先 特定非営利活動法人エコメッセ
〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2-31-5
TEL 03-5799-4808 FAX 03-5799-4809
URL:http://ecomesse.jp/ E-mail:ecomesse@npo-ecomesse.org
★3-3.[討論集会]原発による「潜在的核武装」と日米安保体制
武藤一羊さんの『潜在的核保有と戦後国家』と島川雅史さんの『[第3版]アメリカの戦争と日米安保体制』を手がかりとして、締結から60年となる日米安保体制による日本社会の桎梏・呪縛の様態を、3.11以降の状況下で改めて検証し直すための討論集会を持ちます。是非参加下さい。
問題提起◎武藤一羊さん(ピープルズプラン研究所)
島川雅史さん(立教女学院短期大学教員)
国富建治さん(反安保実行委員会)
日時◎2012年1月28日(土)午後1時45開場/2時開始
場所◎ピープルズプラン研究所(地下鉄有楽町線江戸川橋駅下車7分)
アクセス&地図 ↓
http://www.peoples-plan.org/jp/modules/tinyd1/index.php?id=5
会場費◎500円
主催◎ピープルズプラン研究所+反安保実行委員会
連絡先◎ピープルズプラン研究所 TEL: 03-6424-5748 FAX: 03-6424-5749
反安保実行委員会 TEL&FAX:03-3254-5460
★4.「原発は安い」のカラクリを指摘する-熊本一規(明学大)教授
政府試算は数字操作(誤魔化)し、稼働率をカサ上げ
東京新聞1月8日号(朝刊)で、明治学院大学の熊本一規教授が「原発コスト安は数字操作」「政府試算のカラクリ」という文章を発表されている。
原発稼働率を80%前提ゆえ安いというが、実際は60%台だ。原発の固定資産税は「原発は16年で減価償却される」ため、残存価格にかかる固定資産税は、すぐに目減りし、雇用も一時的と指摘する文章。
一読に価する文章です。 (や)
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[編集部より]
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