「日本カトリック正義と平和協議会」の機関紙『JP通信』2022年10月号の特集「再び会う道~謝罪について考える」に、乗松聡子の記事「先住民族に対する『ジェノサイド』と教皇の『謝罪』」を掲載してもらいました。2021年5月末、カナダ・ブリティッシュコロンビア州カムループス先住民寄宿学校の跡地で、およそ215人の「墓標なき墓」が地下レーダー技術によって確認されたことは全国に衝撃を与え世界中で報道されました。写真は同年6月、カムループス寄宿学校前で、死んだ子どもたちを追悼するケヒウィン・クリー族のアイアナ・ウォッチメーカーさんです。母親のシャノン・ハンブリーさんが娘のために寝る間も惜しんで手づくりしたジングル・ドレスを纏って死なされた子どもたちを追悼しています。JP通信がこの写真を表紙写真に使っていただいたことに感謝します。シャノンさんも大変喜んでいました。カナダではその植民地政策の一つである「インディアン・レジデンシャル・スクール」が19世紀中盤から20世紀終盤まで、全国で139校、15万人もの先住民族の子どもたちが親元から引き離され、劣悪な環境下で強制同化教育を受けさせられ、聖職者・指導者による肉体的、精神的、性的虐待が横行しました。政府が制定しキリスト教各派の教会が運営しましたが、その6割はカトリック教会による運営でした。今年7月末に、フランシスコ教皇がカナダを訪れ先住民族のサバイバーたちに対し「謝罪」を行ったことを受けてこの記事を書きました。上記のシャノンさんは「この歴史が日本でも語られることは非常に重要だ」と言っていました。日本のカトリックの団体がこの問題を取り上げ教会が犯した罪に向き合うという姿勢に敬意を表したいと思います。と同時に私自身カナダの植民者としての責任に向き合い続けなければいけないという思いを新たにしました。@PeacePhilosophy
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初出:「ピースフィロソフィー」2022.11.1より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.com/2022/11/jpgenocide-against-indigenous-people.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12508:221102〕
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