既に新聞等によっても知られています、明治学院大学での授業の無断録音と授業内容への大学当局の不当介入。それを告発した教授を解雇した「明治学院大学事件」。東京地裁による解雇無効判決にいたるまでの、事件の全貌を明らかにします。事件の概要、裁判所への法学者による意見書、判決文の解説を収録。本来「学問・教育・表現の自由」が保障されるはずの大学界への教訓として公刊しました。
今日、大学授業料の大幅値上げなど、教育への国家権力の露骨な介入が図られてきています。その根っこには、アベ政権の憲法改悪問題があるように思います。これらの問題を考える上で、是非この事件を参考にして頂きたいと考えています。
寄川条路編、小林節・丹羽徹・志田陽子・太期宗平著
『大学における〈学問・教育・表現の自由〉を問う』(法律文化社、2018年)
目 次
序 章 盗聴される授業、解雇される教員(寄川条路・明治学院大学教授)
第1章 学問の自由、大学の自治、信教の自由(小林節・慶應義塾大学名誉教授)
第2章 私立大学における教育の自由(丹羽徹・龍谷大学法学部教授)
第3章 懲戒における適正手続の観点から見た解雇の有効性(志田陽子・武蔵野美術大学教授)
第4章 「明治学院大学事件」判決の主文(東京地方裁判所)
第5章 「明治学院大学事件」判決の解説(太期宗平・ベリーベスト法律事務所弁護士)
終 章 「明治学院大学事件」についてのよくある質問Q&A(寄川条路・明治学院大学教授)