On the 80th Anniversary of the Collapse of the Japanese Empire: Korea Was a Victor Nation
『朝鮮新報』に連載しているコラム第2回、1月10日に掲載された記事を許可を得て転載します。この記事で触れた独立運動家の尹奉吉(ユン・ボンギル)の記憶をめぐって今、金沢で右翼が結集する事態になっています。この記事に書いた、野田山墓地の暗葬地跡、尹奉吉義士殉國記念碑について起きていた撤去(「尹奉吉碑墓地使用許可取り消し」)訴訟については3月25日の金沢地裁判決で「却下」となりひとまず安心でした。しかし1月末、韓国のKBS客員研究員が日韓交流の歴史を案内する「観光案内所」をつくり、そこで尹奉吉についての展示もするという計画を韓国メディアが「尹奉吉追悼館」ができると報じたことから、右翼が街宣行動を行うようになりました。3月2日には、不満を持つ右翼団体の男が民団の石川県地方本部に車で突っ込むというテロも起きました。(民団はこの施設建設には関与していませんし、4月24日に反対さえ表明しています。)3月30日、右翼は80台もの車両で金沢に「大結集」し、大変なヘイトスピーチを行いました。中にはナチスのハーケンクロイツのバッジをつけている少年もいたといいます。「尹奉吉はテロリストだ」と叫ぶ人たちが実際のテロ行為を行っています。この日、ヘイトに抗おうという市民たちも集まって抗議しました。この日の様子は、不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会事務局の中川美由紀さんが週刊金曜日の記事に書いています。
右翼街宣車80台が金沢結集で「尹奉吉墓碑撤去」叫ぶ 市民らは抗議https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2025/04/23/antena-1624/
不法な植民地支配と侵略戦争の下、朝鮮民族は3.1独立運動の弾圧や、関東大震災後虐殺などで大量殺戮をされ続けていました。侵略、占領され、平和的手段をすべて奪われた民族が自衛のために占領者に対し武力抵抗するのは正当な戦闘行為であり、「テロ」ではありません。イスラエルの長年の民族浄化、大量殺戮に対して立ち上がったハマスも同様です。伊藤博文を暗殺した安重根を描いた映画『ハルビン』もやっと7月に日本で公開が決まったようです。日本人にとって、虐げられた者たちの気持ちになって歴史を再考するいい機会だと思います。
4月29日、上記の「観光案内所」または「尹奉吉追悼館」ができるとされていた日に、金沢では右翼のヘイト街宣に抗議するスタンディングが行われます。以下案内です。行ける人は行ってください。
<4/29 右翼のヘイト街宣に抗議するスタンディング> 日時:4月29日(火)昼12時~ 場所:石川県金沢市 近江町市場前(武蔵バス停付近)詳細はブログを参照ください。https://fujisosho.exblog.jp/
4.29は1932年、尹奉吉が蜂起した「上海天長節事件」の93周年でもあります。この日には、抑圧された民族の立場にたって、尹奉吉の人生に思いを馳せたいと思います。ちなみに4.29は昭和天皇の誕生日でしたが、死んだ後も「みどりの日」という意味不明の祝日として残り、2007年からは「昭和の日」という祝日のままになっています。日本は、戦争を反省し戦争の歴史と決別しようとしているのなら、この祝日は残すべきではなかったのではないでしょうか。
初出:「ピースフィロソフィー」2025.4.25より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.com/2025/04/80on-80th-anniversary-of-collapse-of.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion14215 : 250429〕