「東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる」など―地震と原発事故情報 その266

         「東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる。」など 地震と原発事故情報 その266 
           6つの情報をお知らせします(12月12日)

    日本の稼働原発、ついに一桁台(8基)全原発停止へあと一歩

  ★1.東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる。 
     23区と多摩地域で女川町(宮城県)のごみ焼却受け入れ始まる。
                                                           坂東喜久恵
    ★2.<テント日誌 11/10(土)>
        日比谷野音に5500人、テントにPC体制整う
                ―― 経産省前テントひろば 91日目 ――
  ★3.12月9日、柳沢裕子医師『低線量被曝と闘う』講演会の報告
     (主催原発とめろ!新橋アクション)
     東京・大井町きゅりあん5階 18時30分より 参加者40名
                              杉嶋拓衛
    ★4.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ2つ
     イ.シンポジウム「原発災害・復興支援・NGO
       ――現場の活動を通してみえてきたもの、その成果と課題」
       12月17日(土)東京・港区
     ロ.「子どもと放射能」12月18日(日)東京・東村山市

    ★5.新聞・雑誌から
     イ.郡山の小中学校被ばく線量
       ―チェルノブイリなら強制避難のレベル
       疎開訴訟で意見書―内部被ばくに詳しい矢ケ崎克馬名誉教授
     ロ.電力系財団が副読本
       文科省 小中高生向け放射線教育―震災前入札 委託先変えず
       「事故の反省ない」批判も
  ★6.あさこはうすの名称が間違っていました。お詫びして訂正します。

★1.東京に震災廃棄物(被災ごみ)がやってくる。 
    23区と多摩地域で女川町(宮城県)のごみ焼却受け入れ始まる。
                                                           坂東喜久恵
12月8日(木)で議連主宰の学習会「どうする!原発事故による放射性廃棄物」がスペースたんぽぽで開催されました。
 主講師は藤原寿和さん(廃棄物処分場全国ネットワーク共同代表)サブは坂東喜久恵(たんぽぽ舎)。藤原さんは若いころ原発反対運動にも現地で参加してきています。
 藤原さんは3.11からの福島第一原発の動きや汚染の状況政府の動きを”主に災害廃棄物を巡る国の動きを中心に”レジュメにまとめて、経過を追いながらポイントを指摘。
 4.22の厚労省安全衛生部長名の通知から始まり、5.11には厚労省のマスタープランでは、広域処理を打ち出し、再生利用を進めている。また、5.1(高濃度の)下水処理汚泥が検出された後には5.2「当面の取り扱い」を出し、5.12原子力災害対策本部が出した[考え方]でのでは10万Bq/kg以上は問題とするという考え方が出されている。
 これらの多くは、「災害廃棄物安全評価検討会」が月2回のペースで開催され、検討されているとみられるが、まったくの非公開。藤原さんたちも公開を求めたが門前払い状態であったという。
 その後も矢継ぎ早の方針提起や、政省令に向けての動きの中で、パブコメ期間もほとんどないまま決められて行っている。この中で,8000Bq/kg未満は”何の問題もない”扱いになってきている。(市民が心配しているのは超えたからではないのだ)ばらまいていいのではない。藤原さんは科学職の立場からも言及。環境中の放射能測定にもきちんとしたマニュアルはない。(通常のJISのような測定方法が確立していない)。東京での受け入れ処理がトップダウンで始まるが、リスクアセスメント、リスクコムニケーション及びリスクマネジメントもきちんと取っていない中、問題が多いことを、愛知県や横浜市の取り組みと比較して指摘しました。
(注)ちなみに、事前に一部の廃棄物処理の焼却を受け持った(株)東京臨海リサイクルパワーの筆頭株主は東京電力(株)です。
坂東は、廃棄物の中間処理にかかわっている立場から、現場での状況を説明しました。質疑応答ではやはり心配の声が多く出ました。中で、放射能汚染物(土など)を国有林に廃棄(処分)すればよいという意見に、森林を汚染することは許されない、生態系を破壊する権利は人間にはない、水のもとを汚染するな等、かなり盛り上がった議論が出ました。

★2.<テント日誌 11/10(土)>
        日比谷野音に5500人、テントにPC体制整う
                ―― 経産省前テントひろば 91日目 ――

 12月10日(土) 晴れ。今日はテントと目と鼻の先の日比谷野音で、9/196万人集会の呼びかけ人による3ヶ月ぶりの集会とデモが行われる。午後2時には会場はビッシリいっぱい、立ち見の人が溢れるほどに。主催者発表で5500人。鎌田さんとともに大江健三郎さんも元気に挨拶される。 デモは会場から東電前を通って、銀座~八重洲~常盤橋公園まで。コールは東電前でひときわ高くなり、そして銀座界隈へとこだまする。今日は組合関係より市民団体が多く、組合関係では全労協系の組合が目立つ。もうみんな来年の闘いに向けて身構えているようにみえる。3・11一周年、そして全原発停止へのカウントダウン。だが、福島の子ども達の避難の問題は一刻の猶予も許されないものだろう。私たち自身の闘いも問われている。テントの中では、新年から、議員に厳しく態度を迫っていくための国会前座り込みも、という意見も出、議論されている。
 午後にテント前でパソコンラックを組み立てる。いろいろ試行錯誤をしつつも、日暮れ前には完成し、テント内に設置する。パソコン・プリンターも用意整い、ネットでの通信も間近である。 とくに、ネット通信では全国・全世界からテントひろばへの思い・意見・感想・提起などを寄せていただいて、それらをまとめて「テントひろば」通信として発信するというのが、差し当たっての目標である。
 テント訪問者名簿に記入していただいているメールアドレスを是非活用できるようにしたい。そうしてテントひろばに集う人々がお互いにネットで交流しあえるようにしていきたい。   メールアドレスが決まり次第、テント日誌でも公表しますので、その時には是非便りを寄せて下さい。お待ちしています。
                                                   ( Y・T )

★3.12月9日、柳沢裕子医師『低線量被曝と闘う』講演会の報告
(主催原発とめろ!新橋アクション)
東京・大井町きゅりあん5階 18時30分より 参加者40名
                                杉嶋拓衛

☆最初に「子どもたちを放射能から守れ~福島のたたかい」のDVDを観た。福島の中出聖一さん(子供たちを放射能から守る福島ネットワーク代表)が「子どもを一緒に守って欲しい、同じ目線で考えて欲しい。」と訴えているのに、文科省の役人(渡辺格)が福島の表土を削る作業は必要無いと言い放った。年間20mSv撤廃を求めて70名で福島から東京へ。文科省交渉で「安全ならば福島の土をなめてみろと」詰め寄る福島住民。文科省もついに年間1mSvを努力目標にすると答えるが3.8μSv/hの基準だけは一人歩きしていて6月12日には郡山市の酒蓋(さかぶた)公園の使用を許可してしまった。映像内のガイガーカウンターでは3.78μSv/hを指していた。文科省は子どもの命を守る気はあるのか疑問だった。
☆講演会では船橋二和病院勤務(内科)の柳沢裕子医師が低線量被曝について3月11日から自ら学んだ事を分かりやすく話した。医師も過重労働に追われて低線量被曝の恐怖におののく市民の疑問に応える所まで至ってないという。ホールボディカウンターはγ線のみしか測れずプルトニウムやストロンチウムの被曝(α線やβ線)は測れない。内部被曝は測れないと指摘。さらにICRPは1946年に第一委員会(外部被曝)と第二委員会(内部被曝)があったが、52年には第二委員会の審議を打ち切った。ICRPは内部被曝が危険だという事を考慮しない方針を立てた。今回の福島原発事故直後に長崎大学の山下教授(現福島大学副学長)を福島に送り込み安全宣言をしていた事を非難していた。20mSvの基準は福島中通りの住民を避難させないために恣意的に選ばれた数値ではないかと疑問を投げ掛けていた。山下教授は長崎の被爆者を診ていたかもしれないが、高線量外部被ばくのデータしか持っておらず、参考にするとすればチェルノブイリの経験ではないかと言っていた。チェルノブイリ事故では放射線量が0.4μSv/hの村で子どもたちが同時期に黒板の字が見えなくなる(白内障)事例があり、直ぐに廃村になった。実際にベラルーシでは人口が減少している。出生率が低下している。山下教授が言う小児甲状腺ガン以外起きていないというのは大ウソ。山下は福島に乗り込んで来た時嬉しそうな顔で研究ができると話していたそうです。医師は患者を研究対象程度にしか見ていない部分があると医者の内面の苦悩も話した。対処療法に終始している現在の医学では低線量被曝の時代には通用しないと柳沢医師が肥田先生の講演を聞いた言葉を紹介していた。原爆ブラブラ病で家族からも怠け者呼ばわりされ「死にたい」と悩む被爆者に「生きろ」と叱咤激励してきた肥田先生は、放射線被ばくの治療方法が分からないので江戸時代に戻ったようだと。しかし今の医療現場ではガイドラインに沿って患者をベルトコンベヤーに乗せ新薬を売りつけ自動的に薬を処方していくのが是とされている。このかい離による矛盾が低線量被曝の時代を覚悟しないといけない私たちに降りかかってくる。最後にバンダジェフスキーの言葉を引用して「尽力できる者は状況改善にベストを尽くせ」と締めくくった。広瀬隆さんの本の中にドイツの原発を止めた列の最先頭に医師がいた事が書いてあったと自らの決意を述べていた。

★4.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ2つ
イ.シンポジウム「原発災害・復興支援・NGO
――現場の活動を通してみえてきたもの、その成果と課題」

日時:  12月17日(土)午後1時半―5時半
場所:  明治学院大学白金校舎本館2301教室
           東京都港区白金台1-2-37
       (地下鉄白金台・白金高輪駅下車徒歩約7分)
参加費:500円(明治学院大学学生/教職員は無料)
共催:〈NGOと社会〉の会/明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
協力: FoE Japan/子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
(子ども福島)

パネリスト・コメンテーター

  満田 夏花(FoE Japan)
  吉野 裕之(子ども福島【避難・疎開・保養班】)
  小松 豊明(シャプラニール震災救援活動担当)
  谷山 博史(日本国際ボランティアセンター=JVC代表理事)
 猪瀬 浩平(明治学院大学国際平和研究所所員)
 原田 麻以(明治学院大学国際平和研究所研究員/ココルーム
      東北ひとり出張所)

準備のため、できるだけ事前にお申込み下さい。当日参加も可能です。
明治学院大学国際平和研究所

E-mail: prime@prime.meijigakuin.ac.jp
FAX: 03-5421-5653

ロ.タイトル 「子どもと放射能」
 
講師 たんぽぽ舎 原田 裕史さん
主催 東村山で子どもを育てる親の会
日時 12月18日(日曜日)
    午後1時~3時
場所 東村山市 富士見文化センター(富士見公民館)
    第一集会室(2F)

所在地 郵便番号:189-0024
住所:東村山市富士見町5丁目4番地51
電話:042-397-9581(直通)
 
http://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/shisetsu/kominkan/04fujimi/index.html
 
 [鉄道] 西武新宿線 久米川駅 徒歩20分
     西武多摩湖線 八坂駅 徒歩10分
[バス] 久米川駅南口より「立川駅北口行き」のバスで『西武中央病院前』下車。
徒歩約2分
 
◎小学生以下のお子さん(1歳以上)は保育あります。事前にご連絡ください。
 福島美香 mikan612@hotmail.com

幼い子どもをもつお母さんお父さん向けの「子どもと放射能」についての学習会。文部科学省発表によると、東村山市は比較的放射線量は高くないというけれども、市内の小学校の敷地内排水溝から比較的高い放射線量が測定されるなどし、安心とはいえない。
子どもたちをこれまでどおり、伸び伸びと育てて生きたい!だけど、何となく不安・・・
そんなお父さんお母さんのための学習会を企画しました。
すでに低線量被爆ではないか、との訴えが東北のみならず東京でも聞かれるようになっているが、低線量被爆ってどういうこと? 子どもたちは放射能の感度が非常に高いというけれど、どのような工夫をすれば被爆量を減らすことができるのか。ストロンチウムが海水に流失していたとの報道があったが、魚は?肉は?野菜は?
まずは自分たちの足元から学習していきます。

★5.新聞・雑誌から
イ.郡山の小中学校被ばく線量―チェルノブイリなら強制避難のレベル
疎開訴訟で意見書―内部被ばくに詳しい矢ケ崎克馬名誉教授

 福島県郡山市の児童・生徒14人と保護者らが、市に対し疎開するよう求めた裁判で、弁護団は「市の年間被ばく線量は、チェルノブイリ基準で住民が強制的に避難させられる移住義務地域に相当する」との新たな意見書を福島地裁郡山支部に補充提出した。

 意見書を作成したのは、内部被ばくに詳しい矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授。
(略)ウクライナでは、人工の年間被ばく線量が1ミリシーベルト以上を補償などが受けられる「移住権利地域」、五ミリシーベルト以上を移住を強制される「移住義務地域」と定めている。これを一時間当たりに換算すると、「移住権利」は0・一一四マイクロシーベルト以上、「移住義務」は0・五七一マイクロシーベルト以上となる。矢ケ崎氏はこの基準を、市が測定した十一月二十五日現在の空間放射線量に当てはめた。その結果、児童らが通う小中学校七校の周辺はすべてで〇・五七一マイクロシーベルトを大きく上回っており、「移住義務地域」に相当する。最も高いのは一・六七マイクロシーベルト。国際放射線防護委員会(ICRP)が定める一般人の年間被ばく線量限度一ミリシーベルト(一時間当たり〇・一一四マイクロシーベルト)の十五倍近い値だ。直近だけでなく、六~十一月の測定値でもすべて0・五七一マイクロシーベルトを超えていた。矢ケ崎氏は「汚染の値は感受性が高い子どもたちの体に危険が及びかねない。東京電力の事故の責任を負わなければならない道理は金輪際ない」と指摘。柳原敏夫弁護士も「疎開は一刻の猶予もならない。自主避難に任せるのではなく、市には責任を持って安全な環境で学ばせる義務がある」と話した。(2011.12.10.「東京新聞 こちら特報部」より抜粋)

ロ.電力系財団が副読本
  文科省 小中高生向け放射線教育―震災前入札 委託先変えず
  「事故の反省ない」批判も

 文部科学省が、全国の小中高生向けに新たに作った放射線教育の副読本を東京電力の西沢俊夫社長ら電力会社の経営陣らが役員を務める財団法人「日本原子力文化振興財団」(東京都港区)に作成委託していたことが分かった。財団への委託は、東電福島第1原発事故前に、3月9日に一般競争入札で行われ、同財団が約2100万円で落札した。従来の副読本には原発について「大きな地震や津波にも耐えられるよう設計されている」などの記述があったため、文科省は4月に使用を中止。新たな副読本を作製することにしたが、委託先は変更せず7月に契約内容を見直し、事業費も経費の増加に伴い約3700万円に増額した。同財団は原子力の平和利用の啓発普及を目的に掲げ、10年度は収入総額約12億円の約4割が経済産業省や文科省など国からの受託費だた。同省は事故後も変更しなかった。電力業界とつながりの深い団体が教材作りに関与することに、識者からは「原発事故後の委託先としてふさわしくない」と批判の声が上がっている。(略)文科省の担当者は、事故後も委託先を変えなかった理由について「放射線の知見は変わらない」と説明。電力業界との関係についても同財団は「副読本の内容に影響は無い」とコメントする。(略)NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は、(略)「放射線との共存が前面に出され、危険性への認識が甘い。(略)原発を推進するための組織が従来通り受託するのは、妥当とは思えない。原発事故への反省が足りない」と批判している。(2011.12.08.毎日新聞より抜粋)

★6.あさこはうすの名称が間違っていました。お詫びして訂正します。
 テント日誌 12/5(月)の中に大間「あきこはうす」という記述がありましたが、正しくは「あさこはうす」です。故熊谷あさ子さんのお名前にちなんで付けられた名前です。熊谷あさ子さんは大間原発敷地の地権者として2006年にご逝去されるまで大間原発に反対し続けました。現在は娘さんの小笠原厚子さんが守っています。

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[編集部より]
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