「検察審査会」をサイコロから考える(2)――確率は3.7/10000くらい

10日に『交流の広場』で「検察審査会の審査員、高齢化が進む日本で無作為に11人を選んで平均年齢が30.9歳になる確率は極めて低い」という話を書きました。
週刊朝日の山口氏によれば、20歳~69歳の東京都民を11人ランダムに選んで、そのような結果になる確率は、0.065%=6.5/10000。
私がざっと『試算』しても「500分の1以下」ということだったんですが、私のは大雑把(ほぼ10歳ごとに計算)すぎて、山口氏の示した数値とギャップがある。
そこで今日はヒマだったので、20歳~79歳を対象に1歳ごとに区切って計算。
でも「私が計算したらこうなった」といっても、私の数学の成績を知っているヒトは、『オマエが計算したのなんかゼンゼン信用できない』というに決まっている。だから、だいたいの計算方法を説明しといたほうがイイかも。(ナゼそんな計算をするのか、説明するのはメンドクサイし、私もホントはよくわからない・・・ので、省略。)
まず、東京都民の人口データhttp://www.toukei.metro.tokyo.jp/juukiy/2005/jy05q10601.htm
これから確率分布を示す60行×1列の列ベクトルA1(a1 a2・・・a60)を作る。(a1は20歳である確率、a2は21歳である確率、・・・a60は79歳である確率です。) 
さらにこの列ベクトルA1から121行×1列の列ベクトルA’1(a1  a2・・・a60  0・・・0)を作る――121行に足りない部分つまり61行から121行は0。
Excelで、この列ベクトルを(右にいく)順に一段づつ下げ、「下り階段」のように配列。階段の上のスペースは0で埋める。縦は1段目(行)から(下へ)121段目(行)までを区切り、横は最初の列から(右へ)60列まで区切る。結果121行×60列の行列B1が出来る。この行列B1に右から60行×1列の列ベクトルA1を掛けると、121行×1列の列ベクトルA2が出来る。A2は、(ある確率で分布する20歳~79歳のヒト2人を選んだ場合の)20歳に加算される合計年齢の各々――0~120――の確率の分布を表した(121行×1列の)列ベクトル。
A’1をこの列ベクトルA2に置き換え、さきほどと同じ手順で121行×60列の行列B2を作る。
これにやはり右から60行×1列の列ベクトルA1を掛けると――掛ける列ベクトルは最後までA1――、121行×1列の列ベクトルA3が出来る。A3は、(ある確率で分布する20歳~79歳のヒト3人を選んだ場合)20歳に加算される合計年齢の各々――0~120――の確率の分布を表した(121行×1列の)列ベクトル。
以下同様の手法で(A’1をA2へ、さらにA3へ・・・、と置き換えて、2人からn人の場合まで同じ表計算を使うことができる)、列ベクトルA11を求める。A11は(ある確率で分布する20歳~79歳のヒト11人を選んだ場合)、20歳に加算される合計年齢の各々――0~120――の確率の分布を表した(121行×1列の)列ベクトル。
11人の平均年齢は30.9歳だから、20歳に加算される合計年齢が121以上の場合は、平均年齢は30.9歳を超える。したがってA11の列の数字の和が、11人の平均年齢が30.9歳以下である確率。
これを最初の列ベクトルA11に基づいて計算すると、11人の平均年齢が30.9歳以下である確率は0.000369くらい。
つまり「一万分の3.7」程度ということになる。
ところで、以上の話は、「サイコロ」とはゼンゼン関係ないんじゃないの?という質問がでるかも。
実は今回使用いたしました『サイコロ』は、6面ではなく60面の『サイコロ』で、かつ「目」が出る率も同じではありません。
ただし検察審査会が使用している「サイコロ」及び「壺フリ」と異なり、イカサマは一切ございません。・・・でも「計算違い」はあるかも・・・。