「汚染日本で暮らすための汚染者負担の原則 毒物まいて「無主物」という東電の主張」など―地震と原発事故情報 その268

          4つの情報をお知らせします(12月13日)

    日本の稼働原発、ついに一桁台(8基)全原発停止へあと一歩

    ★1.汚染日本で暮らすための汚染者負担の原則
     毒物まいて「無主物」という東電の主張
                    槌田 敦
    ★2.メールマガジン読者からのお便り3つ
     イ.「子ども全国ネット」「NO!放射能東京連合子ども守る会」が
       都に提出した要望書のおかげで、東京都は放射性物質計測機器
       購入をきめました!
     ロ.JIM-NETのチョコ募金のおしらせ
     ハ.反原発 クリスマスカード アップのお知らせ
    ★3.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ
       レイバーネットTV12/15放送「被ばく労働で死にたくない!」
    ★4.新聞・雑誌から
    「原発銀座」若狭湾は大丈夫か―関西電力に原発運転中止を
    早急に申し入れてほしい

★1.汚染日本で暮らすための汚染者負担の原則
   毒物まいて「無主物」という東電の主張
                    槌田 敦

 2011年8月、二本松市のゴルフ場が、東電を相手に、汚染の除去を求めて仮処分裁判を起こした(朝日新聞11月24、25日)。ゴルフコースの線量が高くて営業できないので、東電に除染を求めるというものであった。
 これに対して東電は、「原発から飛び散った放射性物質は、東電の所有物ではなく無主物であり、東電は除染に責任をもたない」と回答した。
 10月31日の東京地裁の決定は、敗訴であった。「無主物」には立ち入らなかったが、国の除染計画がまだ定まっていないことを理由にしたという。ここでもしも、裁判所が「無主物」との東電の主張に与するとすれば、それはこれまでの公害裁判の歴史は一挙に否定されることになる。
 1969年、水俣病患者はチッソを被告として第一次訴訟を起こした。チッソは、「健康被害は予見不可能。従って、過失責任はない」と主張したが、73年、原告は勝訴した。79年、元チッソ幹部2人に有罪判決となった。以後、原告勝訴が続く。汚染者負担の原則が認められ、チッソの弁明は退けられたのである。
 ところが東電は、この公害裁判の歴史を無視して、事故で放出した放射能は東電の所有物ではないと主張し、東電には義務はないと主張したのである。
 一般に、東電の管理を離れた物品で、東電が所有権を主張しなければ無主物である。しかし、この物品が毒物であれば、東電は汚染者と言うことになる。この場合、汚染物は東電の管理を離れることにはならず、汚染者負担の原則が適応される。東電はこの汚染者負担の原則を「忘れた」として逃げようとしている。
(以下、略)
 編集部(注) 槌田敦さん、山崎久隆さん、原田裕史さんによる本が来年1月に出版されます。この原稿はその本の第3章の初めの部分の文章です。部分紹介になりますが、東電の「無主物」という無責任きわまりない主張を批判し、「汚染者負担の原則」が日本の公害裁判の歴史の中で確立された大原則だと述べて、東電の大まちがいを厳しく批判しています。

★2.メールマガジン読者からのお便り3つ

  イ.「子ども全国ネット」「NO!放射能東京連合子ども守る会」が都に提出した要望書のおかげで、東京都は放射性物質計測機器購入をきめました!
    粘り強く継続して行政に働きかけをすることで、子どもにより安全な未来を手渡すことができます。
    大人の責任をしっかり果たしていかなければ、という思いを新たにしました。
  http://kodomozenkoku-news.blogspot.com/2011/12/blog-post_5094.html

     給食の放射性物質検査機器を導入
     都が年度内に5台

 放射性物質の拡散で小中学校の給食への不安が高まる中、都は、文部科学省の補助を受けて、給食の検査機器5台を購入することを決めた。年度内に購入し、公立小中学校で活用する。
 1台当たり最高250万円で、半額を国が補助する。都内には小中学校が約2000校あり、5台では足りないため、学校への貸し出し方も含めて、利用方法を今後検討する。
 牛乳について、都は小中学校に給食用の牛乳を納入している牛乳メーカーでつくる東京学乳協議会(千代田区)に、放射性物質の検査結果を公表するよう要請している。 (東京新聞より)

   ロ.JIM-NETのチョコ募金のおしらせ

 日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)は2003年のイラク戦争を機に設立されました。
 劣化ウラン弾(原発の放射性廃棄物から作られる)の放射能が原因とされる小児ガンの子どもたちの医療支援として病院に医薬品を送ったり、医療技術を指導するなどの活動をしてきました。
  東日本大震災では、石巻へ医師や看護師の派遣をしたり、福島の除染や疎開の支援を行っています。
 毎年、イラクの子どもたちの医療支援のために、イラクの子どもたちが描いたかわいい絵をプリントした缶に六花亭のおいしいチョコを入れて販売しています。
 一缶500円で、今年はそのうち300円はイラクへ、50円は福島の子どもたちを放射能から守る活動に使われます。
 私も早速購入してお友達への年末(?)プレゼントにしています。
 ご興味のある方ぜひチョコ募金にご協力ください!
 チョコ募金サイト http://www.jim-net.net/choco/

   イ.ロ.共に、東京都 横関彩子さんより

  ハ.こんにちは。イタリアの資料センター《雪の下の種》です。
    いつも貴重な情報をありがとうございます。

ODAで被災地の水産加工品を政府開発援助(ODA)として開発途上国に提供する事業のニュースにあまりに腹が立ったので、「さよなら原発くんブログ」のロゴのデザイナーに頼んでこんなクリスマスカードを作ってもらいました。
http://addionuke.exblog.jp/14157766/
英語版も用意しましたので、外務省への抗議、途上国で活動中のNGOや現地のお知り合いへの警告等に、是非活用して下さい。

一応、コピーライトは資料センターと作者が維持しますが、商業目的でなければ、脱原発活動資金集めも含め、利用はご自由です。
(どんな使い方をしたか、ご報告頂ければ嬉しいです)

尚、イタリア在住日本人の作者ヨシヨシさんからは、資料センターが申し出た薄謝を経産省前のテントに差し入れにまわすよう、依頼がありました。
来年1月の世界脱原発会議に合わせた一時帰国時までに実行したいと思います。
それでは、みなさま、お風邪などにお気をつけて!       齋藤
 資料センター《雪の下の種》
 Centro di documentazione  “Semi sotto la neve”
     Via Gentileschi, 6A  56123 Pisa   Italia
sito: www.semisottolaneve.org
email: info@semisottolaneve.org
from Nucelar Power to New Clear Power!
さよなら原発くんのブログ
http://addionuke.exblog.jp/

★3.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ

 レイバーネットTV 12/15放送「被ばく労働で死にたくない!」
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レイバーネットTVことし最後の放送は、12月15日(木)です。
ゲストは敦賀原発の福井から元原発下請け労働者の斉藤征二さんをお呼びしました。「被ばく労働」の生の話が聞けそうです。
また「原発御用大賞」の発表もあります。
 ★労働者の 労働者による 労働者のためのレイバーネットTV 第24号放送
 ~特集:「被ばく労働で死にたくない!」~
・日 時:2011年12月15日(木曜日)20:00から21:30
・視聴アドレス  http://www.labornetjp.org/tv
・【特集「被ばく労働で死にたくない!」~元原発下請け労組委員長・斎藤征二が語る】
  ゲスト=斉藤征二さん(元敦賀原発・元原発下請労組「全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会」分会長)

【原発御用大賞発表】
 レイバーネットTVが開催した「原発御用大賞」。一般投票で、学者、政治家、報道などの部門から賞を選抜。表彰状の授与を突撃で行いました。その映像も流します。
・連絡先 レイバーネットTV 090-9975-0848(松元)
               labor-staff@labornetjp.org

★4.新聞・雑誌から

  「原発銀座」若狭湾は大丈夫か―関西電力に原発運転中止を早急に申し入れてほしい
                 会社員 高木洋志(66)(兵庫県宝塚市)

 原発14基が建ち並ぶ福井県の若狭湾で1586年に「天正大地震」が起き、沿岸部が壊滅したという信憑性の高い古文書が見つかっている。若狭湾での津波の危険性はこれまで一部の地震学者が指摘していたが、関西電力は高さ2メートル未満の津波しか想定していなかったという。
 また若狭湾沖にある海底活断層でマグニチュード7・6の地震が起きた場合、高さ4メートルを超える大津波が最押し寄せるという予測結果も出されている。
若狭湾沿岸は日本最大の「原発銀座」だが、運転開始から30年以上経過した原発も多く、極めてリスクが高いと思われる。万一、地震や津波による原発事故が起これば、その影響は近畿地方全般にも及ぶだろう。大事な水資源の琵琶湖も放射能で汚染される恐れがある。近畿自治体は関西電力に原発の運転中止を早急に申し入れてほしい。原発は現在の科学技術では制御不能だ。代替エネルギーの開発を急ぐべきではないか。(2011.12.2毎日新聞『みんなの広場』より)

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[編集部より]
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