「沈黙の春 ─ 福島原発周辺、鳥が減少」など―地震と原発事故情報 その341

               4つの情報をお知らせします(2月21日)

 2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
 残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
  【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
  【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】

★1.沈黙の春 ─ 福島原発周辺、鳥が減少
   鳥は人間に対する早期警戒システム
                 (たんぽぽ舎ボランティア 冨塚元夫)
★2.「脱原発杉並デモ」に参加しました
  ─ 5,000人、手作り多し・たくさんのアイディア・デモ参加者割引き商店
                           (源八おじさん)
★3.<テント日誌 2/19(日)>
     週明けの攻防戦を前にした日曜夜の霞ヶ関
    ―― 経産省前テントひろば 162日目 ――
★4.イベントのおさそい
  ◇第2回グリーンズカフェ東京「脱原発への道・ドイツツアー報告会」
  2月22日(水)午後7時から、スペースたんぽぽ、参加費500円
  ◇江東上映会 映画「第4の革命」
  3月11日(日)14:30分上映開始、亀戸駅ビル・アトレ7階

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★1.沈黙の春 ─ 福島原発周辺、鳥が減少
   鳥は人間に対する早期警戒システム
                 (たんぽぽ舎ボランティア 冨塚元夫)

 東京新聞2月4日朝刊に小さい囲み記事で「福島原発周辺、鳥が減少。日米チームなど調査」(2月3日ロンドン発共同)という記事がありました。日米など研究チームは1986年に事故が起きたウクライナのチェルノブイリ原発と福島第一原発の周辺で、放射性物質放出による生物への影響を調査する、生息数への影響、寿命が短くなったり、オスの生殖機能が低下、脳の小さい個体が発見。このほかDNAの変異が上昇、昆虫の生存期間が大きく減少、云々とあります。

 この記事を見て私は、1994年に肥田俊太郎医師と斎藤紀医師が翻訳した「死に至る虚構―国家による低線量放射線の隠ぺい」という本を思い出しました。カリフォルニア州サンフランシスコ近くのポイントレイズという場所の鳥類観測所で1986年から87年にかけて、鳥類学者デサンテ博士が観測したことが第三章『沈黙の春』に出ています。10年来観測してきたことと違って、繁殖期の6月・7月に繁殖率が下がったのです。さまざまな調査・研究の結果、鳥類の減少はチェルノブイリ原発の放射性降下物が原因という結論になりました。キツツキとツバメは減少しなかったのですが、それは親鳥が雛にカブトムシなどの死骸を与えていたためで、毛虫や幼虫を与えていたほかの鳥類は50%以上減少しました。毛虫や幼虫は植物の新芽を食べます。新芽に放射能があったのです。1986年から87年にかけて生存率が極度に下がった鳥は、若鳥と年寄りの鳥だけだったといいます。鳥類学者は一般に≪鳥は人間に対する早期警報システムである≫といいます。

 鳥以外にも早期警報システムはあるようです。2月19日に行われたたんぽぽ舎第24回総会で講演した菅井益郎さんは群馬県伊勢崎市の自宅の庭で異常花をつけた小菊を発見したと写真付きで報告されました。スリーマイル原発事故のとき周辺で発見された巨大たんぽぽなどの写真も示されました。インターネットには自宅や近所で発見した異常花の報告が沢山あります。私が昨年感じたのは蚊がほとんどいなかったことです。我が家(マンション)の裏にはどぶ川があるので、春から冬近くまでマンションのまわりに蚊が舞い洗濯物に蚊が付き大変でした。市役所に連絡して年に2回殺虫剤をまいてもらっていました。それが去年は全く気にならないほど見かけませんでした。

 このような現象の研究にはしっかりデータを取った体系的研究が必要と思います。日米など研究チームの研究結果を注目したいと思います。しかし私たち素人にもできることがあります。たんぽぽ舎等で長年おこなってきた「さくら調査」です。日本全国にあるソメイヨシノは各地で調査すれば地域別の違いが分かります(疫学調査を念頭に置く必要があります)。何もない年や場所では、異常花は1000に2か3ですが、原発事故のあとの原発周辺では何十倍にもなるそうです。今年は自宅近所で観察してはいかがでしょうか。     以上

★2.「脱原発杉並デモ」に参加しました
  ─ 5,000人、手作り多し・たくさんのアイディア・デモ参加者割引き商店
                           (源八おじさん)

 2月19日「脱原発杉並デモ」が開催されました。私は杉並区在住で、しかも、デモコースの中心が最寄り駅なので、最初から最後まで歩いて参加できるデモでした。(正確に言うと源八おじさんは架空の人物なので、杉並区民ではありませんが、作者が杉並区民で、『源八おじさんとタマ』のアニメーションも杉並区で誕生しているので、一応、源八おじさんも杉並区民という設定です)杉並でのデモと言えば、昨年約15000人を集めたとされる高円寺のデモがありましたが、今日のデモに集まったのは約5000人だったそうです。昨年の15000人からすると少ないのですが、原発事故直後のインフレーションがある程度収まった後としては、充分な盛り上がりがあったと思います。

 12:30の集合時間に集合場所の蚕糸の森公園に到着すると、家族連れ、お子さん連れ、若者からお年寄りまで、たくさんの方々が参加していました。そしていよいよデモに出発。今回のデモは、活動家色、政党色はほとんど感じられず、ごく普通の人たちが集まっているという印象でした。それは物足りなさもあるのですが、それ以上に、自由さ、気軽さ、のんびりさ、ほのぼのさ、手作り感がありました。私が歩いた悌団では、シュプレヒコールすらなく、雑談しながらのお散歩という感じでした。

 東高円寺駅を超え、大久保通りに入った時には、日曜日ということもあって、人通りはほとんどなく、こんなとこを歩いていて、果たして意味があるのだろうかと思いました。これは銀座、新宿、渋谷といった繁華街でのデモとの比較なので、住宅街でのデモは、それらと同列に考えるべきではないのでしょう。それでも新高円寺から青梅街道を通り、南阿佐ヶ谷から中杉通りを通り阿佐ヶ谷に向かうコースは、沿道にもたくさんの人がいました。

 手作り感と言えば、これまでにない様々なアイデアも秀逸だったと思います。例えば、こども連れでも気軽にデモに参加できるように、散歩カーや保育士など万全の態勢を整えたKIDS班。お菓子の用意はもちろん、おむつ交換もでき、デモ途中でぐずったこどももベビーカーに乗せられる用意がありました。他にも、お年寄りでもゆっくり歩けるほのぼの班を設定したり(私が歩いたのはこの悌団だったようです)、迫力のドラム隊、サウンドカーに加え、なんとカラオケカーまで出動!昨年のデモでゴミが散乱した反省を踏まえ、ゴミ片付け隊もあったようです。デモコース途中にエネルギー補給所として、アメ玉を配るコーナーがあったり、長時間デモには絶対に必要なトイレもわかりやすく表示されていました。さらに区内の飲食店では、「デモに参加した」と申告したお客さんの代金を割り引く、「デモ割り」などもあったそうで、まさに地域が一体となったイベントだったようです。原水禁運動発祥の地である杉並にふさわしいデモだったと思います。

 一年前、反原発・脱原発デモをすると、沿道の人たちから迷惑そうな視線を浴びたものですが、今や反原発・脱原発デモは、町おこしにもつながっています。5000人もの人たちが、せっかくその地域に来たのだったら、おいしいものを食べて帰りたいと思う人もたくさんいることでしょう。これからも、いろいろな地域で、工夫をこらした「脱原発○○デモ」が開催されることを願います。
★3.<テント日誌 2/19(日)>
   週明けの攻防戦を前にした日曜夜の霞ヶ関
  ―― 経産省前テントひろば 162日目 ――

 日曜夜、いつになく人が少ない。どうしたのかと尋ねると隣のテントで合唱隊の打合せをしているという。覗いてみると老若男女10人程が真剣に曲の検討をしている。素晴らしいハーモニーを響かせてくれる日が楽しみだ。
 遅くに若い人がテントに入ってくる、話していると議員の秘書さん。議員が法令をつくるには官僚の力が必要だが、官僚をその気にさせるのは大変で、やはり長年の繋がりが大切だという。選挙で浮き沈みする議員と長年ひとつの省で仕事をする官僚。力関係に難しさを教えられた。

 そう言えば、防衛省の天皇と呼ばれた守屋元防衛事務次官が収賄で収監され、オスプレイ配備を黙っているように米政府に頼んだ高見澤防衛研究所所長がアセス裁判で那覇地裁に証人喚問される。
 テント宿泊仲間では、「週刊東洋経済」編集長が痴漢容疑で逮捕されたことが話題になった。植草一秀氏と同様に国家権力による言論弾圧ではないかと類推して。
 
 夜中になじみのコンビニを訪問。トイレを借り缶コーヒーを買って雑談。先週はテントに遊びに来てTさんと話したそう。比較的暖かな夜だったのに急に風が冷たくなった。日曜深夜でも、金融庁の前にはタクシー数台が客待ちをしていた。いつの間にか外が白んできた。地下鉄が動き出す頃にはビル掃除の人たちが通って来て、7時頃には憂鬱な顔をした官僚たちも各省のビルに入っていく。また、次の新しい週が始まる。

 月曜にはストレステスト意見聴取会が、火曜には原子力安全委員会の検討会が開催される。
再稼動を止めるための院内集会や抗議行動や傍聴が呼びかけられている。
                               (K.M.)

◇「ひろばー全国・全世界から ~交流・討論・共感~」
 郵便は〒100-0013東京都千代田区霞が関1-3-1 経産省前テントひろばメールは tentohiroba@gmail.com   へお送り下さい。
 (テントひろばに寄せられたメッセージ)
  ◎イギリス在住の者です。
    遠くからいつも応援しています。
     寒い中、みなさんの活動には本当に頭が下がる思いです。
     3月末に日本に3週間里帰りするので、その際にはテント広場に寄らせていただきます。
     みなさん、お体に気をつけて。         ( イギリス Y・B 女性 )

★4.イベントのおさそい

 ◇第2回グリーンズカフェ東京「脱原発への道・ドイツツアー報告会」
  日時 2012年2月22日(水)午後7時~9時(6時半開場)
  場所 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
  参加費500円
  主催 みどりの未来(東京チーム)
  問合せ 070-6642-9014(西島)
     090-6001-9048(木村)
  レポーター
   すぐろ奈緒(杉並区議会議員、みどりの未来共同代表)
   村松まさみ(小平市議会議員、みどりの未来ユースチーム)

  緑の党の案内による「ドイツ視察」に参加した二人が、ドイツの脱原発の状況、政治、社会について報告しいます。ドイツの原発や政府機関のほか、再生可能エネルギーに取り組む自治体など、普通の旅行では決して見ることのできない訪問先と交流のレポートです。

 ◇江東上映会 映画「第4の革命」
  日時:3月11日(日)14:30分上映開始 (開場14:10分)
  場所:亀戸駅ビル「アトレホール」JR駅ビル・アトレ7階
  入場料1000円。(定員100名)
  申し込み:メールまたは電話で申し込み。
  Mail:Dai4koto@yahoo.co.jp   電話:080-4364-5899
  主催 さようなら原発1000万人署名・江東実行委員会

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[編集部より]
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