2012年3月14日(水) 地震と原発事故情報
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2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
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★1.海の汚染が続いている (山崎 久隆)
取り返しのつかない汚染はデータが証明している
★2新聞・雑誌から
◇梅原猛氏の大震災の反省、3点
原子力関係の学者こそ「勇気が必要」(3月12日 東京新聞夕刊より)
◇大飯再稼働 政治判断へ 一次評価 安全委が大筋了承
地元が納得できる基準を示さないまま、再稼働の手続きだけが進んでいる
(3月14日 東京新聞より抜粋)
★3.<テント日誌3/12(日)>経産省前テントひろば184日目
~テントひろばの持続性と先鋭的活動の弁証法
ついに民意はテントを多数派として支えた!
★4.読者からイベントのおさそい(お問い合わせは主催者へお願いします)
◇「アトミックラビットフェスティバル」
3月20日(火・祝)10:00~、秩父市女性福祉会館ほか
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★1. 海の汚染が続いている (山崎 久隆)
取り返しのつかない汚染はデータが証明している
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やはり懸念していたことが起きているようだ。共同通信が3月6日に伝えたところに依れば、福島原発からの汚染水が依然として海に流出し続けていると考えられるという。(共同通信「福島原発の汚染水、依然流出か 海のセシウム濃度下がらず」3月6日配信)
セシウムの濃度が下がっていないとの分析を明らかにしたのは気象研究所の青山道夫主任研究官。長年環境放射能測定を続けてきて、今回の福島原発震災でもいち早く大気・海洋拡散を論文にまとめてネイチャー誌に公表しようとして、気象庁により妨害された経歴を持つ。
福島第一から、事故で発生した高濃度の放射性物質を含む汚染水が、見えない部分から漏れ続けている可能性があると指摘している。
東電は「この3~4カ月は濃度低下が緩やかだが、昨年3月より大きく下がっている。11月ごろから下がりきったところで推移しており、漏えいがあるとは考えていない」としているそうだ。
しかし元になったデータは東電のものであり、同一データで全く違う結論になっているのだ。
簡単に言えば、「下がるべきものが下がっていない」ことと「下がったまま上がってこない」との、データの読み方の違いだろう。
言うまでも無く、海に流れ出したセシウムは、通常ならば海流と対流により拡散していくので「下がる」はずだ。それが「下がっていない」のだから、追加流出があると考えた青山研究員のほうが理にかなっている。
東電による説明は、漁業補償など莫大な損害賠償責任を負っている企業の立場であれば、事故の影響を過小に申告していると考えれば、これもまた「利にかなっている」わけだ。
海洋汚染は、取り返しの付かない事態になる。一刻も早く海洋流出を止めるために地下止水壁を建造すべきだ。東電に能力が無いのならば、こっちこそは国がすべきである。後ほど費用請求すれば良い。
ダムを造るべき場所は「八ッ場ダム」などではない。そんな資金と資材があるのならば、福島第一原発の止水壁に投ずべきだ。一体国は何をしているのか。
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★2.新聞・雑誌から
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◇梅原猛氏の大震災の反省、3点
原子力関係の学者こそ「勇気が必要」
(3月12日 東京新聞夕刊より)
東日本大震災から一年が経った。大震災は空前規模の地震、津波に原発事故まで加わり、甚大な被害をもたらした。しかし、この大震災の実情を顧みて、将来の日本の国家方針を立てることなくして今後の日本の発展はあり得ないであろう。それについて、以下の三点を特に指摘したい。
第一に、東日本大震災は、特に火山列島である日本のような国において自然はときに怒り狂い、甚大な被害をもたらす暴君のようなものになることを思い知らしめた。現在また、首都直下の大地震の発生ばかりか富士山の噴火すら危惧されている。今後日本は、この暴君のように荒れ狂う自然に対する防災対策をもっと強化しなければならないであろう。
第二に、日本人は、原発は安全だという共同幻想の上に豊かで便利な生活を享受していたといえる。原子力が大変危険なエネルギーであることは、すでにスリーマイル島やチェルノブイリの原発事故によって明らかであった。それなのに電力会社や日本政府は、日本の原発は安全だという神話をまき散らしたばかりか、起こり得る事故に対してほとんど何の対策も立てていなかった。
福島原発事故はこのような神話がまったくの虚偽であることを証明した。脱原発は日本ばかりか世界の必然的な潮流である(中略)。
第三に、私が学者としてつくづく感じたのは、今回の原発事故において学者は全くと言ってよいほど役に立たなかったということである。事故当初、テレビなどで解説をしていた原子力関連の権威ある学者のほどんどすべてが「この事故はたいしたことはない」と語った。それは誤りであったが、その原因は、それらの学者の学識に欠陥があったというよりも、原子力関連の学者は多かれ少なかれ東京電力などから何らかの助成を受けていて、東京電力の意に沿わない見解を述べる勇気をもたなかったゆえではなかろうか。
(中略)
私は、真理と思ったことは命をかけても主張する真の勇気が日本の学者には欠けていると前々から思っていたが、残念ながらそれを改めて確信せざるをえなかった。 (梅原猛 哲学者)
◇大飯再稼働 政治判断へ 一次評価 安全委が大筋了承
地元が納得できる基準を示さないまま、再稼働の手続きだけが進んでいる
(3月14日 東京新聞より抜粋)
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全評価(ストレステスト)の一次評価について、原子力安全委員会は十三日、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした審査書の内容を大筋で了承した。近く、五人の委員による確認結果をまとめて公表。野田佳彦首相と関係閣僚が、再稼働を認めるかどうか政治判断で決める。定期検査中の原発の運転再開が決まれば、東京電力福島第一原発の事故後、初めてとなる。(略)
安全委が確認結果を首相らに提出すれば、再稼働問題の焦点は地元の同意と首相らの最終判断に移る。(略)ただし、その内容も具体的には決まっていない上、大飯原発も含めた国内の原発では、三十項目をほとんどクリアできていない。
「住民に会合に参加してもらい、再稼働の流れを知ってもらうことが大事」。今年一月に大飯原発を視察したIAEA(国際原子力機関)の調査団は日本政府にくぎを刺した。だが、地元が納得できる基準を示さないまま、再稼働の手続きだけが進んでいる。
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★3.<テント日誌3/12(日)>経産省前テントひろば184日目
~テントひろばの持続性と先鋭的活動の弁証法
ついに民意はテントを多数派として支えた!
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昨夜、朴 保バンドは、霞ヶ関から国会へ向けて、「もんじゅをとめよ!」他、既存のメディアでは聴くことのできない先鋭的なメッセージ性の濃密なレパートリーの一端を披露した。
アフリカン・ビートを伝えるアフリカのジャンベイスト、ユーラ、韓国のソプラノ・サックス奏者ケニー・オム(通常はアルト・サックス)、少壮ながら実力十分のベーシスト、大ちゃん、そして、飛び入りで、参加してくれた天才、スグル。約一名、正体不明のQというパーカッショニストもご愛嬌だった。ひそかに茨城のデイランさんも応援してくれていた。トーキング・ドラムで踊りこんできた青年もいた。
闇の中で、敵とも味方ともつかぬ観衆相手、そのなかには、休日残業している官僚たちもいた。しかし、HさんのPAワークで、朴さんも演奏後、それほどの残念を表明してはいなかった。限界状況でのノーリハぶっつけ一本勝負だったが、今までこの歌手を知らなかったことを後悔するという人々が少なくなく出現した。このライブの記録を拡散したい。
問題は、そのメッセージ性に、過剰反応する人々の「苦情」だが、しかし、この日の夜まで、そのような人は、一人も現れなかった。演奏中に抗議され方は、よくある観衆のタイプで、音楽性の前にメッセージ性に鋭く反応する純粋政治言語派で、意外に、日本の風土によくある現代音楽知らずに過ぎなかった。しかし、反応してくれていることは、まずは、いいことなのだ。
国会周辺、日比谷公園だけで、脱原発の示威行動は、2万人を超えていた。主力が、福島県郡山に行っていたのだから、この2万人は、貴重な人々だった。Hさんとは、ライブを宣伝しないで、ゲリラ的にやろうということにしていたのが、ちょっと問題だったかもしれない。それもこれも排外主義集団にライブをつぶされないためのことだった。世界連帯の可能性を占いたかった。
この日の東京新聞は、フランスの6万人、台湾の1万人の脱原発デモを横並びで報道した。朴さんは、国際的なミュージシャン。あの「聖なる魂」のデニス・バンクス氏からもメッセージが届いていた。
午後、第12回 原子力安全委員会臨時会議に駆けつける。「こうした大事故を阻止できなかったことをお詫びしたい。現在のところ、福島原発第一の事故の総括は現実にできていない。原子力発電の安全設計上の指針は重大な欠陥があることを認めなければならない。むしろ、積極的に、見直したい! 見直しの完了した時点で、また新たな取り組みがありうるだろうが、現在のところ、現実には、なんともいえない」
これは、誰のことばでしょう? あの京大原発批判派のひとりのような‥あっさりこういってのけたのが、ほかならぬ、安全委員会委員長斑目氏だったのです。結局、Kさんたちの委員会での傍聴席からの非難叱正は届いていたわけ。そして、この席でも、K氏は立ち上がり、斑目氏に、傍聴席を会議場現場から隔離すること、そして、二次評価の日程非公開を、詰問した。
彼らは、こちらの熱誠を背中で軽く受け流す。あんな態度では、芸能界なら、三日と持たないだろう。悪名科学者として、歴史には、ポジティヴには残らない。三日天下科学技術者版にすぎない。このひとポジティブな人間の歴史を核分裂・爆砕させてしまったひどい犯罪的存在であるにもかかわらず、原子力業界で君臨した。そして、10分ほど、人間のようなメッセージをつらつらと述べて去った。また、なにくわぬげに第二の斑目が現れ、第二の福島事故を起こす。
闘いは、先鋭にならざるを得ぬ。多数派となっても、1パーセントに属する権力派にとって、小生など、ノイズにもなってはいない。3月は、役人にとって、ヒット&ラン・アウェイのもっとも無責任を謳歌する頃合だろう。しかし、被害の累積は、桁違いに大きい。この大きさは、USAに放射線を浴びせられる日本人被害者から、世界に放射線をあびせる加害者日本人に消される被害者日本人への変異であり、斑目氏ももはや、逃げ腰であることが、日々明らか。無責任なまま加害責任の椅子から逃げおおせようとする日本的ダーティ・ヒーローは、固有の悪から共同体の悪となって個人の罪から解放されることになる。
さて、4月はもっとも残酷な月となるだろう!今までどおり始めれば、この国は終わる。 (Q記)
◇「福島と世界をつなぐ――第2回テントひろば応援の集い」
3月17日(土)午後6時半~9時 スペースたんぽぽ
参加費800円(学生400円)
◎DVD「FUKUSIMA Never Again」上映
◎お話 椎名千恵子さん
(原発いらない福島の女たち/子ども福島 世話人)、東京都フクシマ村村長として、「未来をはらむ女たちのとつきとおか行動」実行中
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★4.読者からイベントのおさそい(お問い合わせは主催者へお願いします)
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◇「アトミックラビットフェスティバル」
日時 3月20日(火・祝) 10:00~18:30
(青空うさぎ市は16:00まで)
場所 秩父市女性福祉会館 埼玉県秩父市野坂町1-13-14
パン屋くろうさぎ裏駐車場 秩父市野坂町1-18-12
主催 アトミックラビットフェスティバル実行委員会
内容
・講演(13:25から)
『小児科医が診た 福島でおこっていること・子どもたちは今』
講師 山田真さん
(子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表)
・写真展 「チェルノブイリと福島」 広河隆一さん
・コンサート レゲェ・ブルース・津軽三味線・和太鼓・ゴスペルコーラス
・キッズワークショップ 音を楽しむ・遊びま書・原発カルタ大会
・分科会 井戸端座談会「山田真さんを交えて」、秩父の汚染状況と活動報告、ヴォイスヒーリング
・ロビー 放射能測定相談コーナー・脱原発缶バッジデザインコンテスト
・青空うさぎ市 手作りクラフト・安心なたべもの・書籍・脱原発あれこれ、
青空ライブ
※子どもも大人も1日楽しめる、盛り沢山な脱原発イベントです!
お問合せ:くろうさぎ 0494-25-7373 090-7849-0095(山田)
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【編集部より】
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
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