「玄海原発はもっとも危険な原発 井野博満東大名誉教授が警告」など―地震と原発事故情報 その105

          5つの情報をお知らせします(6月27日)

    ★1.玄海原発はもっとも危険な原発・爆発の心配
           老朽化している。原子炉が割れる危険が大きい。
           井野博満東大名誉教授が警告
    ★2.株価より、放射能汚染防止だ―毎日新聞山田孝男記者
    ★3.今週の「スペースたんぽぽ」の行事案内-3つ
    ★4.中部電力のオール電化は400万KW-小諸市のメルマガ読者から
    ★5.6/25(土)たんぽぽ舎23回総会と懇親会開かれる
           原発の即時停止・廃止をめざしてガンバル
           全労協(労働組合の中央団体)からメッセージ届く

★1.玄海原発はもっとも危険な原発・爆発の心配
      老朽化している。原子炉が割れる危険が大きい。
      井野博満東大名誉教授が警告

・もっとも危険な原発-それは疑いなく、この玄海原発だ。もし事故が起きれば、その被害は福島第一の比ではない。予想される「大爆発」は、人々の命も日本の未来も、根こそぎ飛ばしてしまう。
・原子炉は老朽化するにつれ、圧力容器が脆化=劣化していきます。すると、ある条件に陥った場合に、容器がバリン、と割れてしまう危険性があるのです。
 井野氏は、日本で最も古い原子炉の一つ、玄海原発1号機の危険性を強く警告し続けている研究者だ。
・1975年に稼働した玄海原発1号機は、いまや日本一危険な原子炉であるといっても差し支えありません。なぜなら、地震や故障など、何らかの原因で通常の冷却機能が停止し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動して原子炉圧力容器が急冷されると、その際に容器そのものが破壊されてしまう危険性があるからです。
・では、その脆化=劣化とはどういうものなのでしょうか。簡単に言えば、中性子線によって金属の柔軟性・弾力性が失われて“硬く”なり、壊れやすくなる、ということです。
 人体にたとえれば、動脈硬化によって血管が破れやすくなるのをイメージして下さい。金属の場合、劣化が進むと、「ある温度」(脆性遷移温度と言います)より低くなると、まるで陶磁器が割れるように、小さな力であっさりと割れてしまうようになります。この現象が、玄海原発1号機のような老朽化原子炉ではすすんでいるのです。
・もしも玄海原発1号機が爆発を起こした場合、周辺にどれほどの被害を及ぼすのか。元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏は、こう語る。
「原子炉の脆性破壊は、いまだかつて世界が経験したことがない、巨大な事故になります。福島第一の事故は深刻ですが、それでも放射性物質の9割は圧力容器内に残っていると思われます。しかし、脆性破壊で爆発が起きれば、圧力容器は空になり、ほぼすべての放射性物質が放出されてしまいます。被害は玄海原発がある九州だけでなく、東は大阪にまで及ぶでしょう。大阪は現在の福島県の一部のように、避難区域になって住めなくなります。しかも、事故の進展が早いので、退避することも難しい。さらに、被害は中国など近隣のアジア諸国はもちろん、欧米にまで及ぶことになるでしょう」
・呆れたことに、原子力安全・保安院は、玄海原発1号機の異様に高い脆性遷移温度のことを、昨年12月に私たち「原発老朽化問題研究会」が指摘するまで、把握していませんでした。
九州電力はこの情報を保安院に伝えておらず、保安院も電力会社に問い合わせる義務がないので知らなかったと言うのです。福島第一原発の事故で、原子力の管理・監視体制が全く機能しなかったことが問題になっていますが、ここでも同じことが起きている。安全性が顧みられないうちに、日本の原発の老朽化はどんどん進んでいます。脆性遷移温度が危険域にあるのは玄海1号機だけではありません。美浜1号機は81度、同2号機が78度、大飯2号機が70度、高浜1号機が54度と、ワースト2位から5位まで、福井県にある関西電力が占めています。
・老朽化原発は一刻も早く、廃炉にする必要があります。玄海1号機のように、本来40年の使用を想定していたのを強引に60年に延長して使おうなどというのは、もってのほかです。(7/2週刊現代から抜粋)
・九州電力と経産省へFAXを送ろう=「玄海原発動かすな」
佐賀県へ抗議! 秘書課 FAX:0952-25-7288  TEL:0952-25-7007
   原子力安全対策課 FAX:0952-25-7269 TEL:0952-25-7081
経済産業省へ抗議! 原子力発電立地対策広報室
             FAX:03-3580-8493 TEL:03-3501-1511

★2.株価より、放射能汚染防止だ―毎日新聞山田孝男記者

・東電の株主総会が6月28日(火)注目の中、開かれる。(たんぽぽ舎も出席)
 今、東電の株価に注目が集まっているが、最も大事なことは「放射能汚染の防止だ」と毎日新聞、山田孝男記者が指摘している。その要旨を紹介します。
・福島原発震災は収束どころか、拡大の兆しが見える。この大事と無関係に政局を展望することはできない。
 京大原子炉実験所の小出裕章助教(61)といえば、いま最も注目されている反原発の論客の一人だ。原発が専門だが、名利を求めず、原発に警鐘を鳴らし続けてきた不屈の研究者として脚光を浴びている。
・その小出が16日、テレビ朝日の番組に登場し、こう発言して反響がひろがった。
 「東京電力の発表を見る限り、福島原発の原子炉は、ドロドロに溶けた核燃料が、圧力鍋のような容器の底を破ってコンクリートの土台にめり込み、地下へ沈みつつある。一刻も早く周辺の土中深く壁をめぐらせて地下ダムを築き、放射性物質に汚染された地下水の海洋流出を食い止めねばならない」
・さっそく政府高官に聞いてみると、いかにも地下ダムの建設を準備中だという。
 ところが、さらに取材をすると、東電の反対で計画が宙に浮いている実態がわかった。原発担当の馬渕澄夫首相補佐官は小出助教と同じ危機感を抱き、地下ダム建設の発表を求めたが、東電が抵抗している。
 理由は資金だ。ダム建設に1000億円かかる。国が支払う保証はない。公表して東電の債務増と受け取られれば株価がまた下がり、株式総会を乗り切れぬというのである。
 記者発表は14日のはずだったのが、東電の株主総会(28日)の後へ先送りされた。
・福島原発の崩壊は続き、放射性物質による周辺の環境汚染が不気味に広がっている。株価の維持と汚染防止のどちらが大切か。その判断がつかない日本政財界の現状である。
 いま最も大事な課題は放射能汚染阻止だ。空論に惑わされず、核心へ集中するリーダーシップが求められている。(6/20毎日新聞より抜粋)

★3.今週の「スペースたんぽぽ」の行事案内-3つ

 ・6/29原発の電気はこんなに高いのか!
  立川市の実例 東電が競争入札に敗北する理由
  「反原発自治体議員・市民連盟」の全7回講座の第2回目です

    日 時:6月29日(水)18:45~21:00
  講 師:大沢 豊(立川市議)
      「自治体の電気料金を安くする方法を教えます-実例も紹介」
       むかさのり子(元松戸市議)
           「経産省も文科省も電気を東電から買っていない」
  会 場:「スペースたんぽぽ」
          東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
  参加費:1000円(資料を用意します)
  主 催:「反原発自治体議員・市民連盟」
      TEL 03-5211-7179

 ・7/2地震・東海地震・南海地震
  島村英紀(地震学者)
  地震列島・日本。新たな地震と余震が心配だ。
  地震学の第一人者が東海地震・南海地震も含めて最新の情報を語る。
  ご参加下さい。
  日 時:7月2日(土)13:30~17:00
  講 師:島村英紀(地震学者)
  会 場:「スペースたんぽぽ」
          東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
  参加費:1000円(資料を用意します)
    主 催:地震がよくわかる会 連絡先:たんぽぽ舎

 ・7/2第1回今こそ、被曝労働(者)問題を考えよう
  日 時:7月2日(土)17:30開場、18:00~
    問題提起:渡辺美紀子さん(原子力資料情報室)
       北村小夜さん(元教員)
    会 場:「スペースたんぽぽ」
          東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F
  資料代:500円
  主 催:福島原発事故緊急会議:被曝労働者問題を軸とした
      法律プロジェクト (HP http://2011shinsai.info )

★4.中部電力のオール電化は400万KW-小諸市のメルマガ読者から
   我々に節電を要請するのならば、オール電化の営業を金輪際やめよ

小諸市の岡本一道(陶工)と申します。
先日、「ホントに環境にやさしい電気とは?」50部送って頂きました。
ありがとうございます。
現在、地元中学校の総合学習講座の校外講師として「エコ生活講座」を担当しています。
このパンフを使って、学校では教えない「原発のホント」の授業を行いたいと思います。

去る4月26日25年来の反原発仲間と中部電力長野営業所に浜岡停止の要請に行ってきました。その際の質問に後日回答をもらいました。
質問 「この十年間にオール電化由来で増やした電力量は?」
回答 「400万KW」
予想を上回る回答でした。そこで6月13日中部電力名古屋本社に浜岡永久停止の要請に行った際同じ質問をぶつけました。
回答 「正確な数字は即答できないが、この十年間のオール電化契約戸数は60万戸、一般家庭の平均アンペア契約は30A(3KW)
  オール電化の契約アンペアは90~100A(9KW~10KW)
  両者の差、つまり6KW×60万戸=360万KW、7KW×60万戸=420万KW
 以上の計算から長野営業所の400万KWの回答が出たものと思う。
つまり自ら増やしたオール電化の無駄な消費で浜岡の原発分はパー、いやそれを上回る消費量だと言うことです。
そこで常日頃供給義務を口にする中部電力が我々消費者に節電を要請するのであれば、金輪際オール電化の営業を止めるようにと申し入れました。
脱原発を願って自然エネルギー(太陽光発電)の普及に努力してきましたが太陽光発電契約者の8割がオール電化と聞くに付け、太陽光発電がおもちゃにされたことを悔しく思います。
日本は少子化で電化製品の効率がよくなる中、電力消費は減ってゆくのが自然のシナリオ。ここからは自然のシナリオに立ち返り、自然エネルギーの普及を進めるのが筋道です。
オール電化NO!の声を大きくしてゆきましょう。

★5.6/25(土)たんぽぽ舎23回総会と懇親会開かれる
      原発の即時停止・廃止をめざしてガンバル
      全労協(労働組合の中央団体)からメッセージ届く

 日頃のご活躍、原子力発電や核に対する学習や行動の提起など、献身的なご奮闘に敬意を表します。また、全労協運動に対し、ご支援ご協力にこの場をお借りしお礼申し上げます。
 第23回総会開催、心よりお祝い申し上げます。
 今年の日比谷メーデーでは「全ての原発を即時停止・廃炉へ、原発依存のエネルギー政策を転換せよ!」と訴え、反原発、脱原発を強くアピールしてきました。
 全労協は去る6月16日、『全労協脱原発プロジェクト』を立ち上げ、当面する原発関連の取り組みの軸になり、奮闘していくことを確認してきました。
 原発で働く労働者、被曝労働の実態、放射能対策を考える労働者の集い(7月6日)も関係労組の呼び掛けにより、全労協としても最大限の取り組みを考えています。
 7月17日「廃炉は浜岡から反原発全国集会」にはバスを貸切っての取り組みとなっています。
 反原発、脱原発の闘いは環境を守り闘い、そして安心、安全な生活、社会をつくっていく闘いと連動させ、全力で取り組んでいくことを申し上げ、メッセージと致します。

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