「第一次大戦の終了」―ドイツの戦争賠償

ポリティカ紙(セルビアの首都ベオグラードの新聞10月1日)を読んでいたら、「第一次世界大戦の終了」なる記事を見つけた。「第二次世界大戦」の誤りかな、と思ったが、そうではなかった。

2010年10月3日にドイツはヴェルサイユ条約で定められた戦争賠償を1世紀かけて支払いを済ますことになる。

当初の賠償予定額は、2260億金マルク。その後10年間に1320億金マルク(今日の3000億ユーロに相当)に減額されて、59年間で支払うことになった。1931年、ワイマール共和国は大恐慌の最中に賠償支払いを中断し、1933年1月にヒトラーのナチスドイツは支払いを完全に止めてしまった。

このような状態が第二次世界大戦のドイツ敗北後の1953年まで続く。その年、西ドイツのアデナウアー首相は第二次大戦前の国家債務を引き受けることに同意する。その時の協定でドイツは、ドイツ統一後に期限のきた利子分1億2500万ユーロを支払うことになっていた。

1990年10月3日に両ドイツが統一すると、統一ドイツはただちに賠償支払いを開始し、この10月3日に最終分の支払いを完了したというわけである。

東西ドイツの統一がなった時に、ヨーロッパはご祝儀金をあげたのではなく、旧債務を取り立てたわけである。

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