「野田佳彦首相宛 要望書(再稼働について)」など―地震と原発事故情報

【TMM:No1421】
2012年4月14日(土) 地震と原発事故情報
                               転送歓迎
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★1.野田佳彦首相宛 要望書(再稼働について)
                              槌田 敦(核開発に反対する会代表)
★2.再稼働による「悪魔の連鎖」の本当の怖さ[連載3]
   これでも原発を再起動する気になりますか?
   野田政権は全世界に向けて「核戦争」をするつもりなのか?
              山崎久隆(たんぽぽ舎、劣化ウラン研究会)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
  ◇4/18「水俣に学ぶ海洋汚染」第12回役立つ反原発基本講座
  ◇許すな再稼働、原発より命がだいじ 原発なくても大丈夫
   さよなら原発4.20アクション
★4.新聞・雑誌から1つ
   根拠薄い「電力2割不足」
   関電夏の需給見通し 供給力、融通量 余力も
                 (4月11日 東京新聞より)
★5.<テント日誌 4/10(火)―経産省前テントひろば213日目>
   再稼働の動きに増す緊迫度
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┗■1.野田佳彦首相宛要望書(再稼働について)
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内閣総理大臣 野田佳彦 様                              2012年4月11日
                          要望書(再稼働について)
                                                             槌田 敦

 私は、理化学研究所において熱物理学を研究していた者ですが、今回の原発再稼働についての野田内閣の暫定基準について、以下のように要望しますので、採用くださるようお願いいたします。
 野田内閣は「専門的、科学的評価を確認して、原発再稼働の安全性を判断する」とのことです。しかし、福島第一原発の事故の全容は、いまだ曖昧なままです。専門的、科学的評価が確認されてはおらず、福島県民を襲った放射能災害を防げなかった原因について、今なお議論の最中ですから、いまだ再稼働の科学的基準は満たされていません。
 しかし、再稼働するのであれば、少なくとも現在分かっている範囲で福島事故で確認された事項は取り入れるべきです。たとえば、排気筒での放射能除去問題があります。
 2011年3月15日、2号機の排気筒から大気上空に放出された大量の放射能は、折からの南東の風にのって浪江町、飯舘村、福島市、郡山市など遠方の地を襲いました。この大災害は、排気筒での放射能除去がなされていれば防げたのです。
 ところが、野田内閣は、この排気筒での放射能の除去などを3年後の努力目標としました。これでは、福島第一原発2号機による遠方での災害と同様の災害が再現することになります。また、免震重要棟の設置も先送りして、事故時の原発は放置されます。
 このように排気筒の改良や免震重要棟の設置を先送りをすることは、これらの作業に巨額の費用がかかるからと思われます。このことは、安全費用をケチった結果としての福島第一災害と同様に、必要な安全対策をケチった結果、原発が事故を起こして放射能を大量に放出することになり、国民を苦しめることになっても仕方がない、とする「未必の故意」の犯罪者に、関電と内閣がなることになります。
 枝野経産相は、事故には責任を取るといいましたが、勘違いをしてます。原発災害は単なる過失で、その責任を取り辞職すれば済む問題ではありません。繰り返し強調しますが、これは故意の犯罪であって、安全費用を切り捨てた者は犯罪者なのです。

注、この要望書は、藤村修官房長官、枝野幸男経産相、細野剛志原発相にも送りました。                                     以上.

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┗■2.再稼働による「悪魔の連鎖」の本当の怖さ [連載3]
 │  これでも原発を再起動する気になりますか?
  |  野田政権は全世界に向けて「核戦争」をするつもりなのか?
 └────(山崎久隆 たんぽぽ舎、劣化ウラン研究会)
       (アジア記者クラブ通信237号に掲載されたものに一部加筆)

■若狭湾で起きる悪魔の連鎖

 若狭湾においては、大飯原発と高浜原発だけでは済まない。30キロ圏内には美浜、敦賀、「もんじゅ」が並んでいる。「もんじゅ」は高速炉であり、燃料はプルトニウム燃料で、ナトリウムを循環させて冷却している。これらが稼働しなくなれば数日で原子炉はメルトダウンを引き起こすことになるが、通常の軽水炉の何倍もの放射能を放出し、さらにナトリウムが空気と接触して大火災を起こし、溶融した燃料は核爆発を引き起こす可能性もある。まさにチェルノブイリ原発事故を何倍にもしたような災害になる。
 おそらく従業員に撤退は認められず、死ぬまで戦い続けろと言われるだろう。なぜならば撤退して手をこまねいていれば、間違いなくプルトニウムを含む大量の放射能は世界を覆い尽くし、北半球一帯で人が住めない地域が激増するからだ。
 「もんじゅ」の原子炉に入っている核分裂性プルトニウムは全部で約1トン。これは長崎型原爆の実に170倍。世界中で核実験により拡散したプルトニウムの5分の1に匹敵する。それをたった一基の原発が数日間の内に世界中にまき散らすことになれば、風下地帯に限らず北半球の陸上部では大規模な放射能汚染が発生する。
 若狭湾の原発による「悪魔の連鎖」は、地球規模の大災害をもたらすことになる。つまり、世界が容認し得ない災害である。
 だったら「もんじゅ」から燃料を抜いて安全な場所に退避すれば良いと誰でも思う。普通の原発ならば数日で燃料貯蔵プールに炉心燃料を退避させることが出来るが、「もんじゅ」は出来ない。(★つづく★)

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┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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 ◇4/18「水俣に学ぶ海洋汚染」第12回役立つ反原発基本講座

 日 時:4月18日(水)18:45 開場/19:00 開会
 講 師:実川悠太(水俣フォーラム)
 参加費:1000円(資料代含)
 会 場:スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
 主 催:反原発自治体議員・市民連盟(TEL・FAX 03-5211-7199)

 福島の海に流されてしまった大量の「毒」は、どのような被害をもたらすか。一年が経過し、その被害が次第に明らかになってきています。河川・海洋を問いません。放射性物質とメチル水銀は同一視できませんが、世界に知られてしまった水俣の経験が役に立つかもしれません。補償問題と被害者の心情にふれながら、拡散、生体濃縮、食物連鎖などのメカニズムを明らかにします。
 
 
 ◇許すな再稼働、原発より命がだいじ  原発なくても大丈夫
  さよなら原発4.20アクション

 日 時:4月20日(金)午後6時30分開演
 会 場:大井町きゅりあん大ホール(JR京浜東北線大井町駅徒歩1分)
 内 容:講演~神田香織さん、落合恵子さん
     報告~福島避難母子の会in関東
     報告~品川区の子どもたちを守る会
     歌 ~橋本美香(制服向上委員会会長)
 参加費:500円(高校生以下、震災避難者無料)
 主 催:さよなら原発東京南部1000人アクション実行委員会
                  TEL&FAX:03-3783-3370

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┗■4.新聞・雑誌から1つ
 |  根拠薄い「電力2割不足」
 │  関電夏の需給見通し 供給力、融通量 余力も
 └────        (4月11日 東京新聞より)

(省略します―「ちきゅう座」編集部)

┗■5.<テント日誌 4/10(火)―経産省前テントひろば213日目>
 │  再稼働の動きに増す緊迫度
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 朝起きてテントから外をのぞくと白いものがチラリほろりと舞っている。さては雪かと錯覚してみんなに笑われた。経産省の構内の桜が散り始めて白い花弁がテントやテント前を埋めはじめているのだ。それにしたってあわただしい気分でゆっくり花見もできない。
テントもテント前もどちらかというと平穏な光景の中にあるが、みんなの気持ちは緊張感があるのだ。稚拙で即席の再稼働の動きがそれぞれの気分に反映しているのだ。
 テントにはいろいろの人が訪れる。これは何度も書かれていることだが、留学先から帰国中の女子学生が来ていろいろと質問をうける。僕とMさんやFさんに熱心にあれこれ聞いてくる。繰り返しになるのだけれど、テントの設置の経緯やその後の展開についてそれぞれの立場や観点から答える。熱心にメモをしながら質問をしてくる。今度はイスラエル出身の若い奥さんを連れたお母さん(姑さん)がやってきて同じような話をする。
 僕らが一方的に話すことになりがちだけれども、相手方から気づかされることもあり、対話になる時は楽しい。時間が取れての話は内省も含めてこちらに返ってくることも多い。テント広場の動きがDVDになったものがある。このDVDは個人で作られたものだが、今までの動きがよく分かる。テントを訪れた人は声をかけて欲しい。
 今日も官邸前には人々が集まり、再稼働の動きに対する抗議行動がなされている。また、経産省前でも抗議行動が展開されている。ただ再稼働だけを急ぐ政府の姿勢に危機感や怒りを持った人々が矢もたまらない思いで駆けつけてきている。話を聞くたびにそれを実感するが、国民の意志と政府の意志の食い違いということに意識はいたる。この食い違いは何だ、そこを解決する道はあるのかという自問を繰り返しやっている。
 4閣僚の会合や決定と言ったって背後に官僚(霞ヶ関)や大手企業の後押しがあり、実質はそちらに決定力があるのだろう。「生活が第一」ということは国民の生活や存在が第一ということであり、それを公約で選ばれた面々が背反する政治(意思決定)をやることへの疑念と怒りがふつふつと湧いてくる。我々はそれに異議申し立てをする意志表示しか手はないのか。自問が深まるだけ暗い気持ちになるが、どこかそれを超える道模索している。
 再稼働の焦点である大飯原発3・4号機がある現地では原発に通ずる1本道(大飯町大島南浦)に三つの監視テントが建った。再稼働阻止の運動には大きな弾みになることだが5月5日まで続けられる。大阪の関西電力本社前では原子力学者の小林圭二さんがハンストに入った。再稼働を急ぐ政府に対して、大阪市や滋賀県、京都府の反発は強まり、大阪市では「再稼働のための8条件」を政府に突き付けている。近県の地域住民の再稼働反対の動きも高まっている。
 大飯原発のある福井県や近県の地域住民の再稼働反対の声は日増しに高まるが、テントひろばはその連携を深めつつ、リレーハンストなどを引き継ぎながら、11日(水)日比谷公園での集会での「ハンスト宣言」、17日(火)正午からの記者会見と「集団ハンスト」への準備に入っている。何らかの形でハンストに加わる人、サポートの人、現在テントではメンバー登録している。是非参加を。テント前と経産省の周りでの「集団ハンスト」を中心にした大行動に加わって欲しい。
 官邸前や経産省の抗議行動を終えた人、第二テントでのハンストト会議を終わった人などが集まりテントの中では例の通り議論が消灯時間まで続く。これは第一段階で、後には不寝番の人で議論が続く。このテントで初めて出会った人たちが多いのだが、運動が議論の上に成り立ってくれたらいいと思う。議論よりも沈黙が好きなのは日本人の性向であり、議論は上手くないのであるが、議論が運動の根本にあること、議論を経て理解し同意を得たりすることが重要であることは間違いない。議論の楽しみがテントの存在意義の一つでもあるのだろうな、と思った。(M/O)

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