「除染しても数値が上がった!」と題する福島市渡利・大波地区のルポ(『サンデー毎日』)    

ご存知の方もあるかと思いますが、(たぶん)発売中の『サンデー毎日』10月2日号(P125~127)に、「除染しても数値が上がった!」と題する福島市渡利・大波地区のルポ(大場弘行記者)が掲載されています。

渡利地区はJR福島駅から東に約1kmの住宅街で人口約16,400人。大波地区は渡利地区の東側の山間部にあり、人口約1,380人。ともに福島市内でも最も線量が高いホットスポットです。記事では、山内知也・神戸大大学院教授による線量測定の様子を描写しつつ、住民たちのいらだちや焦り、不安をていねいに取材、紹介しています。

また、山内知也教授の「人口密集地のリスク考慮を」と題するコメントも添えられており、そこでは「渡利のように面的に汚染された地域では、側溝や道路の土砂をどかしたり、水で洗い流しても、劇的な低減効果は望めない」「『除染』で過度な期待を抱かせるのではなく、線量が下がるまで学校を安全な場所に移動させる発想に切り替える必要がある」などの指摘がなされています。

記事の最後に大場記者は「原発事故をはじめ、政府の対応はすべて後手に回った。綿密な測定を怠ったまま、機械的な線引きだけで住民への対応を先送りにしたその不誠実さが、住民に重い十字架を背負わせている」と締めくくっています。

福島市の現実を伝える重要なルポだと思います。ぜひご覧ください。