「12月末には稼働原発は6基のみ、89%脱原発」など―地震と原発事故情報 その269

          5つの情報をお知らせします(12月16日)

  12月7日、美浜2号機を手動停止へ=圧力調整弁で不具合
  ―関電高浜原発2号機(11/25)玄海原発1号機(12/01)が定期検査開始
  日本の稼働原発、ついに一桁台(8基)全原発停止へあと一歩

★1.12月末には稼働原発は6基のみ、89%脱原発。
     今月中に停止する原発は大飯2号(関西電力)、
     玄海4号(九州電力)の2基。全原発停止は目の前に迫った。
     被曝労働(定期検査)を減らそう!再稼働をやめよ!
★2.<テント日誌 12/12(月)>
     嵐の後の小休憩 闘いは別の場面で繰り広げられる
       ―― 経産省前テントひろば 93日目 ――
★3.メルマガ読者からの投稿、2つ
 イ.「放射能とタブー」をはね返すエネルギーを持とう
 ロ.反原発 クリスマスカード アップのお知らせ 
★4.メルマガ読者からの集会・講演会の案内
 フクシマ支援 国策を問う! 第2弾
 船橋市/2012年2月3日(金)18:00開場/18:30開演
★5.新聞・雑誌から、2つ
 イ.ふん尿に苦しむ牛 救えないのか―みんなの広場
 ロ.処理汚染水漏れ 
     東電に厳重注意 保安院

★1.12月末には稼働原発は6基のみ、89%脱原発。
     今月中に停止する原発は大飯2号(関西電力)、
     玄海4号(九州電力)の2基。全原発停止は目の前に迫った。
     被曝労働(定期検査)を減らそう!再稼働をやめよ!

                              原田 裕史

○12月末の段階で再稼働を許さなければ稼働原発は6基のみ(全体の11%)になります。日本は「89%脱原発」状態です。

 政府・電力会社は原発のストレステストを実行し、地元合意を取り付けて再稼働を行おうとしていますが、政府の立場に立っても、ストレステストで十分な性能が無いことが確認されたり、地元合意が得られなければ再稼働はないでしょう。それにも拘わらず、各地の停止中の原発で、定期検査が行われています。現在再稼働するか否かわからない原発の定期検査が行われているのです。

○原発の定期検査には作業者の被曝が必然的に伴います。福島第一原発事故の収束作業で今年国内の被曝労働の総被ばく量は非常に増えています。稼働するか否かわからない原発の検査で被曝労働を増やしている場合ではありません。稼働させない原発を決めて被曝を減らし、その分の人員を福島第一原発事故収束に回すなどを考えるのが順当でしょう。

 原発業界の立場に立っても、稼働することが決まってから整備をして検査をして稼働すれば良いだけです。それなのに地元合意以前に定期検査を行っているのは「絶対に稼働する」という意志の表れです。そのような態度では原発の「安全」などありえません。(正しい態度でも「安全」はありませんが)

 原発を動かすと、必ず被曝を伴います。火力発電所でも水力発電所でも事故があれば人的損害が発生しますが、事故が無くても人の命を奪うのが原子力発電所です。今後、作業者住民、全ての被曝を最小にするためには、全国の原発再稼働を許さず廃炉にすることです。

 再稼働を許さなければ、来春には全原発停止になります。再稼働反対、12月後半の諸行動に参加よろしくお願いします。
★2.<テント日誌 12/12(月)>
     嵐の後の小休憩 闘いは別の場面で繰り広げられる
       ―― 経産省前テントひろば 93日目 ――

 12月12日(月) 晴れ。今日のテントは、2日間続きのデモの疲れがあってか、あるいは全国交流会~対政府交渉に参加しているせいか、ひっそりとしている。

 東京新聞に全日本仏教会が「脱原発依存」を宣言との記事が載っている。現在、福島では64の寺が避難を続けているという。そういえば、11月3日に、南相馬市小高区域の20㎞圏内にある同慶時の若いお坊さん2人が福島の女性達と共に来ていたのを思い出す。テントの中でいろいろお話を伺ったが、県内のあちこちに避難している檀家の方々のところを転々としながら、避難生活を続けているということであった。また永平寺の方では、「もんじゅ」「ふげん」という名前を原発への使用を許したことへの痛切な反省の声もあるという。原発=核と命・自然、これは仏教にとっても根幹に関わる重いテーマに違いない。

 4時前に院内での対政府交渉に参加していた人達がテントに戻ってくる。経産省の原子力安全保安院と資源エネルギー庁の実務官僚達が相手であったそうだ。まさに原発推進の司令塔である。
 50~60名程の参加で、予定を1時間もオーバーするほどにしつこい交渉だったようである。ただ、保安院はIAEAの評価待ちとの姿勢を示すのみで、”保安院が規制する”という主体性がみられないというか、主体的責任意識の感じられない対応であったとのこと。しかしやりとりの中で、来年2月頃IAEAが来日し、そこでストレステストの結果についてのお墨付きを得て再稼働へスタンバイしていく(後は政治判断を待つのみ)という思惑が見通せたそうだ。

 新しい棚が設置され、テント内の整理は一段と進む。長期戦への態勢が整っていく。夜はまた、いつものように話し込みながら夜は更けていく。

                            ( Y・T )
★3.メルマガ読者からの投稿、2つ

 イ.「放射能とタブー」をはね返すエネルギーを持とう

                   学校事務ユニオン東京 藤井 悦子

 3.11以降、ずっと原発について考えていた。ともかく、正確な情報が無さ過ぎて、どういう数値で考えるか、が問題だった。政府の出す数字は、当然統制されているだろう。  
 マスコミが流すのも、おおかた怪しい数字だ。
 例えば、9月19日の「反原発集会」を報道したのはいくつのTV局か?どこの新聞か?それは、数えるほどだった。海外メデイアのほうが、よほどきちんと取り上げている。つまり、国民は、知らされていないのである。確かに、原発の全電源が止まり、放射線などがかなりの濃度で空中に広がっているとは、政治的には中々発表できないだろう。パニックを起こされては困るからだ。
 それにしても、このマスメデイアの閉塞感は何だろう?この後におよんで、「反原発」を言わない、言わせない「空気」とは何だろう?たった一人の芸能人が「反原発」を言っただけで、仕事を干され、事務所を辞めるはめになり、仕事も来ないというのは、どういう国だろう?原発事故の処理ができていないときに選挙で推進派候補が当選するということの意味。
 深く浸透する「原発推進の意思」を感じる。地下原発推進議員連盟なるものも活動している。世間では、表向き「エコ」だの「自然エネルギー」だのの言葉が溢れているのに、いざ、1000万人署名を展開しても、反応がイマイチである。
 つまり、反対することを言いたくない空気。非政治主義の意思である。それはアメリカでは9.11以降、日本では拉致問題以降の「画一的意見統制」の流れだ。個人の意見や意思はことごとく無視され、深く浸透する思想が沈石のようにのしかかっている。私たちは、それを跳ね返すだけのエネルギーを持てるか?今、それが問われている。
 ロ.反原発 クリスマスカード アップのお知らせ 

                   資料センター《雪の下の種》 齋藤

 こんにちは。イタリアの資料センター《雪の下の種》です。いつも貴重な情報をありがとうございます。

 ODAで被災地の水産加工品を政府開発援助(ODA)として開発途上国に提供する事業のニュースにあまりに腹が立ったので、「さよなら原発くんブログ」のロゴのデザイナーに頼んでこんなクリスマスカードを作ってもらいました。

http://addionuke.exblog.jp/14157766/

英語版も用意しましたので、外務省への抗議、途上国で活動中のNGOや現地のお知り合いへの警告等に、是非活用して下さい。

 一応、コピーライトは資料センターと作者が維持しますが、商業目的でなければ、脱原発活動資金集めも含め、利用はご自由です。(どんな使い方をしたか、ご報告頂ければ嬉しいです)

 尚、イタリア在住日本人の作者ヨシヨシさんからは、資料センターが申し出た薄謝を経産省前のテントに差し入れにまわすよう、依頼がありました。来年1月の世界脱原発会議に合わせた一時帰国時までに実行したいと思います。

 それでは、みなさま、お風邪などにお気をつけて!
★4.メルマガ読者からの集会・講演会の案内

 フクシマ支援 国策を問う! 第2弾
   脱原発から
     エネルギーシフトへ

2・3市民討論会

 基調講演 松 原 弘 直(環境エネルギー政策研究所理事・主席研究員)

 脱原発し、持続可能な低エネルギー社会へのシフトが、次世代の子どもたちへの責務です。私たちもエネルギーシフトを真剣に討論していきましょう。

と き:2012年2月3日(金) 18:00開場/18:30開演
ところ:船橋市勤労市民センター
参加費:前売・当日とも 1000円
    (大学生以下無料)
    (前売券5枚綴1組 4000円)
主 催:京葉生きいき会議
Email tsuno21@waltz.ocn.ne.jp
郵便振替:京葉生きいき会議 00130-3-616389
★5.新聞・雑誌から、2つ

 イ.ふん尿に苦しむ牛 救えないのか―みんなの広場

                  主婦 黒木真理子 (広島県庄原市)

 原発事故による野菜農家の減産の結果、堆肥の需要がなくなり、ふん尿があふれる牛舎で肉牛がもがいているという本紙記事を読みました。かわいそうでたまらず、落ち込んでいると、本欄で同じ気持ちの方の投稿が載りました。記事をいつも目にする場所に貼って祈っているとあり、私も元気を出さなくてはと励まされました。こんなに進歩した社会にあって、このような悲惨な状況を解決する方法がないとは……。数々の災害救済の道がありながら、この牛たちの救済策はないのでしょうか。牛を飼っていた実家で牛とともに暮らした私は、牛のつらさが痛いほど分かります。

 阪神大震災後の故小田実さんのような行動力もなく、また財力もない一主婦の私は己の無力さを痛感するばかりです。どうか、この牛たちの苦しみをたくさんの人々がくみとってくれますように。そして、一刻も早く助ける方法が見つかりますように、と願っています。

               (毎日新聞12月10日『みんなの広場』)
 ロ.処理汚染水漏れ 
     東電に厳重注意 保安院

 福島第一原発の汚染水を処理した水を蒸発濃縮する装置から放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は十三日、東京電力に対し、文書で厳重注意するとともに、問題が起きた装置を止めて原因を究明するよう求めた。

 保安院の森山善範原子力災害対策監は、「今月三回、同じ設備で、しかも原因究明や対策を行っている中で漏えいした。非常に重視している」と説明。放射性物質が原発内で管理できずに漏出したことは、政府のいう「冷温停止状態」の定義に反するはずだが、森山氏は「問題は発生しているが、中期的な安全確保、安定的な冷却という観点では問題ない」と強調した。

                   (東京新聞12月14日より抜粋)

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