「6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(1)」など―地震と原発事故情報

2012年7月19日(木) 地震と原発事故情報【TMM:No1521】-5つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
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★1.関電「大飯」なしでも余力
    節電要請から2週間、昨日猛暑も10%の余力(7月18日 東京新聞)
★2.志賀原発直下「典型的な活断層」、再調査指示
    専門家会議で「不適格」廃炉の可能性(7月18日 東京新聞)
★3.2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(1)
    事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁
    提案議案の採決、票数さえ数えず(脱原発東電株主運動 山崎久隆)
★4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 ◇学習会【7.21安全神話と福島の「教育」】
  7月21日(土)14:00~、出版労連会議室(地下鉄「本郷三丁目」)
★5.<テント日誌7/16(月・休)―経産省前テントひろば309日目>
   歴史に残る1日 だがこれはまだ始まりだ!
   代々木公園を溢れ出た17万の人々( Y・T )
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┗■1.関電「大飯」なしでも余力
 │   節電要請から2週間、昨日猛暑も10%の余力
 └────(7月18日 東京新聞より)
(省略します―「ちきゅう座」編集部)

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┗■2.志賀原発直下「典型的な活断層」、再調査指示
 │  専門家会議で「不適格」廃炉の可能性
 └────(7月18日 東京新聞)
(省略します―「ちきゅう座」編集部)

※メルマガ編集部・注
18日、保安院は北陸電力、関西電力に対し、敷地内破砕帯に関する追加調査
計画の策定・報告を指示した。断層をめぐっては、日本原子力発電敦賀原発
(福井県敦賀市)でも、保安院の指示を受け、断層の再調査を始めている。

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┗■3.2012.6.27第88回東京電力株主総会報告 連載その3(1)
 │  事前質問と会場質問へのとてつもないいい加減な答弁
 │  提案議案の採決、票数さえ数えず
  └────(脱原発東電株主運動 山崎久隆)

 営業報告や議案審議をちゃんと行うことを求める「議事運営動議」が、ことごとく否決され、営業報告と事前質問についてまともに審議することもないままに、営業報告への質疑と議案審議がごちゃ混ぜになって進行します。
 猪瀬東京都副知事がもっとも多くの時間を割いて東電にせまったのは、原発のことではなく、発送電分離でもなく、国有化の是非でもありませんでした。
 「再生のために信頼を取り戻し「透明性と説明責任」を果たすよう求め、社内に競争原理を導入するなどで低廉かつ安定した電力を供給し、顧客サービス第一を使命とすることを求め」て議案提案を行いました。また、火力のリプレースに際して、民間事業者を活用し高効率で環境負荷の少ないものを造るというのもありました。だからといって柏崎刈羽原発を火力に転用を、という私たちの議案に賛成したわけではありませんでしたが。
 その後の質疑を通じて最も強く迫っていたのは、新宿にある東電病院が稼働率20%程度しかないことと、これを売却対象にしていないことでした。
 弾みで(?)東京都案にも賛成してしまいましたが、振り返ってみても大した議案ではないなあと感じます。
 なお、東電病院のおかしさについては、既に昨年総会において、私たちの議案提案の際に、福島からの被災者により問題提起されていました。

 次に、会場からの質問(私の)と回答の一部を紹介します。

 質疑の詳細 天下りと株主代表訴訟

 勝俣会長の回答は、退任役員に他社取締役などに就任する者がいるが、これは他社から取締役就任の要請があったからと、自らの日本原子力発電への移籍を含めて正当化しました。なお、西澤社長はどこの役員にも出ていないと勝俣会長は言うのですが、実は会場質問は清水前社長が何処に「天下り」したかでした。清水前社長は東電が出資しているアラビア石油の社外取締役ではないかと問われていたのですが、回答をはぐらかしました。
 西澤社長は、株主代表訴訟に東電が補助参加することに関し「5月11日の取締役会で、(被告)各自ごとに手続きをとっている。本人を除外して決議を行い、監査役の同意を得て取得している。会社法にのっとって、適切に処理している」と回答しています。言葉通りに取れば「勝俣会長への訴訟」については「勝俣会長を除外」して取締役会で議決し、「西澤社長については西澤社長を除いて議決し」と、これを繰り返していったことになるわけです。これでは何でも可能になってしまう茶番劇です。なお、株主代表訴訟とは今回の福島第一原発震災により、少なくても5.5兆円の損害賠償責任を負うことになった東電に対し、その原因を作った取締役が賠償することを求めて株主が取締役を訴えたのですが、これを東電が被告側に立って補助参加するということは、損害を与えた側に与することになるわけですから大問題なのです。

 質疑の詳細 汚染と除染

 福島第1原発内に溜まっているのストロンチウムの量については小森常務が「2.6×10の16乗ベクレル」と答えました。言い方を変えれば2.6京ベクレルで、とてつもない量ですが、水のサンプリング濃度を量に掛け合わせただけであり、正確なものではもちろんありません。さらに重大なのは、汚染水処理ではセシウムのみ取り除くことはできますが、ストロンチウムは取り除くことが出来ません。そんな欠陥設備のまま今に至っていることに何の対策もないのです。
 各地で続く先の見えない除染対応については広瀬常務が回答し「除染の費用について国からの給付金で対応したい。特措法以外で申し出があれば、適切な対応も行いたい」などと答えています。しかし、全くのデタラメです。既に福島県以外の自主的な除染費用については、東電は賠償をしない姿勢を各個別交渉において示しており、そのため大きな社会問題化となりつつあります。そのようなことも株主総会では追及しようにも再質問も何も許されません。

 質疑の詳細 「冷温停止」の意味や柏崎刈羽の傾斜

 国が終息宣言のよりどころとした「冷温停止状態」について小森常務は、冷温停止の定義に今回の福島第一には当てはまらないことを認めました。その上で1~3号機の格納容器の内部温度、圧力などを観測して「冷温停止状態」だと判断したといいます。直接の燃料温度は測れないので、冷やしている水など格納容器の温度が100度を下回り、放出量も安定的に下がっていることで、低温停止状態としたと言いますが、定義の無い話を勝手にしているだけであることは言外に認めています。あとは、そんな戯れ言を信じるのかどうか。
 核燃料の温度を実際に測っているわけではないので、さっぱり分からないというのが正しい答えですから、直接デブリの温度を測定する方法を考えればいいわけです。しかし、それでは政府の言う「冷温停止」つまり「収束」というデタラメな宣言が台無しになるから測定しないことにしているだけです。これと同様に放射性物質の量も放出量も、あとで触れる臨界問題も「知らない」振りではなくて本当に知らないのだろうとしか思えません。そのほうが遙かに恐ろしいことなのです。
 柏崎刈羽原発は中越沖地震で大破していますが、その影響などを問われて相沢副社長は「柏崎が傾いているのではないかという話ですが、強度上の問題はないことが十分な審査のうえで確認されている。国、県から確認されている。」つまり傾いていることを認めています。その上での安全性の確認など3.11以後の世界では一切無効になっています。従って柏崎刈羽原発の再起動など到底許されません。
 また、長岡平野西縁断層や海域断層の活動についての問いに「これも連動の可能性もあることで、詳細に中身を含めて、設計上の問題がないか考えている」などと今さらながら言う始末。また、柏崎刈羽原発の地下にも活断層と思われる断層が走っています。このことも今後問題化しなければなりません。
 「安全性を強化し、シビアアクシデント対策などの、われわれ一丸となって努力をしてまいる所存であり、結果については地元、関係者の各位にできるだけ、ご理解いただくべく積極的にご説明したい」などと、地元には説明と理解であって、決して了解とは言わない。これなど、以前よりも後退しています。

(「質疑の詳細」は次号につづきます)

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┗■4.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◇学習会【7.21安全神話と福島の「教育」】

 日時:7月21日(土)14:00~17:00、資料代:500円
 会場:出版労連会議室(地下鉄「本郷三丁目」駅下車3分)
 地図:http://www.syuppan.net/

 1)文部科学省「放射線」副読本の刊行とその前後
   後藤忍さん(福島大学・同大学放射線副読本研究会)
 2)福島市での生活―これまでとこれから―
   高橋誠子さん(福島市在住・子ども福島ネット)
 福島原発事故は未だ収束を見ず、漏れ続ける放射能と広がる汚染。異常事態が深刻化する福島の地で、今何が起こっているのか? 被曝の不安や恐怖を押し黙らせる「安全キャンペーン」、地域や家庭の内部で引き起こされる対立や分裂、福島で奮闘する二人の講師が福島の今を語る。

 主催:出版労連 原発問題委員会  TEL:03(3816)2911
 〒113-0033 東京都文京区本郷4-37-18 いろは本郷ビル2F

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┗■5.<テント日誌7/16(月・休)―経産省前テントひろば309日目>
 │   歴史に残る1日 だがこれはまだ始まりだ!
 │   代々木公園を溢れ出た17万の人々
 └────( Y・T )

7月16日(月・休) 晴れ
 からりと晴れ上がった空、陽射しが暑い。ぐんぐんと気温は上がっているのだろう。ただ、時折涼しい風が吹きぬけていくので救われる。
 今日は「さようなら原発10万人集会」、ブース担当ということで10時過ぎには着こうと向かったが、地下鉄明治神宮前出口を上がったところからもうたくさんの人がきていて、けやき並木まで行き着くのに手間取ってしまった。ブースはとつきとおかアクション、原発いらない福島の女たちと共同のもので、隣にはたんぽぽ舎・反原発自治体議員市民連盟のブースが並んでいる。ブースには「無料給水所」ということで飲料の用意がされていた。
 テントのチラシを手渡したり、ブースのアピールをしたり、バッジの紹介などをしていたが、けやき並木の人通りや、強い陽射しを避けて木陰にたたずむ人も多くなり、そこで今日の集会の参加者に「1人1人が声を上げ、思いをアピールしよう」と、オープンマイクにして近くにいる人たちにマイクを持ってまわる。
 玄海原発の地元から来た人、福井の人、福島出身者、学生たち、子ども連れの若い母親、年配者、中学2年生の少女、そして6・17福井行きの場所で一緒だった人、おおい現地行動で一緒だった関西の人たち、男女様々な年代の人たちが次々と思いを語り、アピールをした。大半の人がマイクを持つのははじめてということであり、学生たちは集会・デモ自身がはじめてということであった。
 途中で原宿方面は駅の出口からもう身動きできない状態とのアナウンスが。
 デモが出発してしばらくしてトラメガを届けようと後を追っかけると、デモの列は延々と続いており、戻ってくると、ようやく集会が終わったステージ、まだまだ途中のステージと本当に人でごったがえしている。今日の参加者は予定をはるかに上回る17万人と伝えられた。
 6月29日以来、本当に大きな盛り上がりがあり、人々の意志と怒りは益々広がり深まっている。運動への共感は社会の奥深くへと広がりつつある。集会もデモも満ちあふれる明るさと楽しさがあり、遠くから来られた人々もきっと元気を持ち帰れたことだろう。それでも今日の大集会は、これからのさらに大きな高まりへと向かう一里塚に過ぎないのかも知れない。
 夜、テントに戻ったのは遅かった。デモが終わってから多くの人がテントを訪れ、交流をしていったようだ。関さんの「灰の行進」のサポートをしながらやってきた二本松のWさんと話す。彼は37歳でロスジェネ世代だという。3・11後に原子力ムラの利権構造などを知る中でようやく新自由主義の「自己責任」の呪縛から解き放たれたそうだ。彼は官邸前行動をずっとやってきた彼と同じ世代の人たちへの共感を語った。
 そして武藤類子さんのメッセージについて、やはり福島の人のそれは一段と深い泉から湧いてくるように感じると言った。それと同じような感想は後に家に帰ってからも聞いた。
 大きな、大きな1日が終わっていく。( Y・T )

★テント全体会議
 7月24日(火)19時~ 神保町ひまわり館(地下鉄神保町駅徒歩5分)

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