【6月30日】『動物たちの沈黙 ―《動物性》をめぐる哲学試論』を書いたエリザベート・ド・フォントネを中心に、人間と動物の境界あるいは人間の動物性を考えるオンライン講演会(明治大学大学院・仏文主催)

 人間と動物にはどのような境界があるのか、このことはペットを飼っている人は身近に体験する問いかけではないでしょうか。動物にも心はありますし、いろんな語りかけもしてきます。この問いをフランスでこのテーマで著名な哲学者エリザベート・ド・フォントネの考察を中心に語るというオンライン講演会が月末に開催されます。講演者は安原伸一朗さんで、モーリス・ブランショやジャン=リュク・ナンシーなどの翻訳をしている研究者です。司会者は私がYouTubeチャンネル「フランスを読む」でインタビューをさせていただいています根本美作子さんです(実は根本さんは「先生」とか「教授」という肩書をつけられるのはあまりお好きではないそうで、YouTubeでも映像につけていた肩書きのテロップを全部は外すことになりました)ご関心のある方はぜひ。拡散も希望とのこと。
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明治大学大学院文学研究科仏文学専攻 特別講義 /オンライン講演会

「人間の臨界へ ~Elisabeth de Fontenayを中心に~」
安原伸一朗(日本大学)   司会:根本美作子(明治大学)

Elisabeth de Fontenayは、知的障害によって沈黙しつづける弟という謎をめぐって、動物性を研究してき た哲学者である。著書『夜のガスパール』(2018年)では、人間と動物との境界を意識しながら、デカ ルトの動物機械論やシンガーの功利主義から、アウシュヴィッツの子供フルビネク、ド・ゴールの障害を 抱えた娘や映画『レインマン』までを検討する。同書は著者の家族史でもあるが、情緒に溺れることな く分析的な考察を繰り広げながらも、きわめて親密で温かい作品となっている。とりわけ、著者が対象 とのあいだで、いかにして──「注意・関心」と「配慮・思いやり」という二つの意味での──attentif な距離を保っているかを注視してみたい。

2021年6月30日|水|17:20‒19:00 参加無料

agoranemoto@gmail.comまでEメールにてお申し込みください。 *)本講演は記録のため録画します。参加者は同意いただいているものとみなしますので、あらかじめご了承ください。

人間の臨界へ*.jpg

こういう本も出ていたんですね、日本で。ここではエリザベット・ド・フォントネという表記になっていまして、10代向けの哲学書です。

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初出:「ニュースの三角測量」2021.6.12より許可を得て転載

https://seven-ate-nine.hatenablog.com/entry/2021/06/12/020931

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/