『日印原子力協力協定』に反対する共同アピール

著者: 松久保 : 原子力資料情報室
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「『日印原子力協力協定』に反対する共同アピール」

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私たちは、11月中旬予定とされるインド・モディー首相来日時における、「日印原子力協力協定」(以下「協定」)の調印・締結に強く反対します。
本「協定」は、NPT(核拡散防止条約)非加盟ながら核兵器を持つインドに対して、日本が原子力関係の技術を輸出することを目的とします。戦争被爆国である日本の協力で原発建設となり、「協定」で認めるとされる「使用済み核燃料の再処理」により抽出されたプルトニウムが、国際的監視もなく軍事転用される可能性もあります。「協定」締結は、NPTやCTBT(包括的核実験禁止条約)を無視して核軍拡を続け、国際的批判を受けるインドに「原発と核兵器の増産」をもたらし、それを日本が助力することとなります。
ヒロシマ、ナガサキの経験から核廃絶をめざしてきた日本が、「協定」締結により世界の核廃絶・核兵器禁止へ向けた動きに反することは明らかです。本年9月以降、核兵器をもつ隣国であるインドとパキスタンは、カシミール地方紛争を激化させ、核戦争への危機も高まっています。まさに11月に「協定」締結となれば、南アジア地域の軍事緊張が一層高まることは明らかです。
また、世界中を震撼させた東電第一原発事故の収束もできず、多くの避難者への補償もないまま、インドだけでなく広く世界に原発を売り込む日本政府の非倫理性は、国際的な非難にさらされています。
インド現地においては、原子力発電所に懸念を抱く地元住民が反対運動を大規模に展開し、これに対する激しい弾圧が行われています。そして、住民に対する土地収用の補償、事故時の安全対策、避難計画、補償なども全く不十分です。
日本政府はこれまで、「交渉中である」ことを理由として、「協定」の内容を明らかにしないまま、「締結」を強行しようとしています。このように、「協定」は極めて多くの問題を有しています。
私たちは、日印両政府が日印原子力協定を締結しないこと、交渉を中止することを強く訴えます。
日本国内閣総理大臣 安倍晋三様
インド共和国総理大臣 ナレンドラ・モディー様

2016年10月10日

「日印原子力協定阻止キャンペーン2016」
<連絡先>松久保 肇(原子力資料情報室:TEL.03-3357-3800、FAX.03-3357-3801)
三ツ林安治(コアネット:TEL.090-8382-9487)
福永正明(岐阜女子大学南アジア研究センター・客員教授、TEL.050-6863-9779)
佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン:TEL.080-6174-8358、FAX.06-6833-5323)
<「日印原子力協定阻止キャンペーン2016」は、全国のNGO・市民団体・個人により構成されています>
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