『関電と政府は、重要部分で「耐震偽装」している』(神戸大学名誉教授 石橋克彦)など―地震と原発事故情報【TMM:No1443】

2012年5月4日(木) 地震と原発事故情報
                               転送歓迎
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★1.『関電と政府は、重要部分で「耐震偽装」している』
   大飯原発の安全宣言は疑問。政治判断が原発震災を招く
                    (神戸大学名誉教授 石橋克彦)
★2.5月24日(水)19時~、原子力マフィアが封殺した秘蔵映像ほか2本
   ☆原発についてみんなで観ようワンコイン上映会☆
★3.テント日誌 5/1(火)、5/2(水)
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┗■1.『関電と政府は、重要部分で「耐震偽装」している』
 │   大飯原発の安全宣言は疑問。政治判断が原発震災を招く
 └────(神戸大学名誉教授 石橋克彦)

 野田政権は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、関電の安全対策が新たな安全基準に適合しているとして、事実上の安全宣言を出した。だが、基本的な耐震問題を検討せずに再稼働を妥当としたのは、無責任で危険極まりない政治判断である。
 新たな安全基準は、事故が起きた後の拡大防止策が主で、しかも非常に不十分だ。事故が起きない耐震性こそが根本なのに、関電と政府はこの重要部分で「耐震偽装」をしている。調査が継続中の東京電力福島第1原発事故の原因も踏まえておらず、炉心溶融の一歩手前まで容認しているとも受け取れる。(中略)

 大飯原発の耐震設計の基準となる地震動は、2本の海底活断層が連動するマグニチュード(M)7・4の地震によるものとされ、最大加速度700ガルである。
 しかし、陸域の活断層を含めた3連動を想定すべきだという指摘が想定すべきだという指摘が強く、関電は、その必要はないとしながらも「念のため」その場合の地震動を計算して、最大加速度760ガルとした。これは、ストレステストで限界とされた1260ガルを下回るから大丈夫だという。
 しかし、この760ガルは、2種類の評価手法のうち、結果が小さく出る手法で求めたものにすぎない。760ガルはむしろ、予測の下限と考えたほうがよい。
 多くの地震学者が、昨年の東日本大震災以降、日本列島全体で大地震が起きやすくなったと考えている。なかでも、歴史上複数の大地震があって活断層が密集している福井県の若狭湾地域は、大地震発生の恐れが強い。(中略)

 「夏の大幅な電力不足」は真偽不明だし、あったとしてもごく短時間にすぎない。それに対して、万一原発震災が起これば最悪日本は滅びる。
 福島第1原発事故の大きな教訓の一つは、「起こる可能性のあることはすぐにも起きる」ということである。この事故を大自然からの厳しい警告として痛切に受け止め、予防原則を最優先に考えなければ、地震列島の日本に住む私たちは再起不能に至るかもしれない。

 *いしばし・かつひこ:44年神奈川県生まれ。地震学者。旧建設省建築研究所室長を経て96年~08年に神戸大学教授。著書に「原発震災」など。(共同通信社・識者評論「原発再稼働問題」/2012年4月14日出稿より)

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┗■2.イベントのおさそい(場所・スペースたんぽぽ)
 │  ☆原発についてみんなで観ようワンコイン上映会☆
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 日時:5月24日(木)19時開始(18時30分開場、特典映像あり)
 参加費:500円

 上映内容:
 ◎原子力マフィアが封殺した秘蔵映像(60分)
 ◎秘蔵問題ドキュメンタリーを批判する御用学者の映像(30分)
 ◎放射性レンガが流通する映像(30分)

 「原発はトイレのないマンション」と言われています。これは使用済み核燃料の処分方法が確立されていないからです。
 しかし不都合な真実はこれだけではありません。廃炉になった原発はどうなるのか?原発廃炉は想定されていたのか?廃棄物はどうするのか?衝撃の連続です。この問題に切り込んだこのドキュメンタリーは今でも見られない状態にあります。

 原子力マフィアが総力をかけて封殺し、御用学者を使って事実無根とされた映像を見ながら、廃炉の後にある問題を考えてみましょう。
 あわせて、問題とされたドキュメンタリーの批判映像、つづいて、放射能汚染レンガの流通映像もご用意しました。

 上映開始前には、原発に関連したお楽しみ映像も行っています。
 どうぞ、お気軽にお越し下さい!

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┗■3.テント日誌 5/1(火)、5/2(水)
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<テント日誌 5/1(火)――経産省前テントひろば234日目>
 稼働原発ゼロの日が近づいて

 5月1日はメーデーの日として知られています。この日は五月晴れというように晴れやかでいくらか蒸し暑さを感じる日が多かったような記憶があります。暦の上では立夏も近いわけで、もう少し夏めいた気候だってあっていいのだがぐずついた日が続きます。今日は連休の前半と後半の間の日ですが、テント前では立ち替わり、入れ替わりハンストメンバーが座り込んでいます。ハンスト参加の登録メンバーは100人を超えました。

 メーデーのデモ行進が経産省前を通り、座り込みのメンバーとエールの交換をしています。この霞が関界隈にはいろんなデモやパレードが通るわけですが、そのたびにエールを交換する風景はなじみのものとなりました。最近はデモやパレードだけではなく、首相官邸前での座り込みや経産省前での抗議行動などの意思表示が多くなり、霞ヶ関全体への異議申し立て行動が広がってもいます。一つの行動の広がりはいろいろの形で現れるのですが、その今後に注目したいところです。

 テントには全世界や全国からいろいろの人が訪れることは何度も書いたことですが、その度に驚かせられることもあります。熊本県の小さな島から上京し、ボクシング一筋でやってこられた人が、訪れ話し込んでいきました。経産省に抗議のついでにテントに寄ったとのことです。原発問題が人々に浸透していることの広さを実感させらる時、また、これまでは考えられなかった人々の声を聞かされる時、自分の想像力の狭さのような事を感じます。

 どんよりとした天気で、いつ一雨来るかわからない中で座り込んでいるのですが、最近若い女性の着物姿が目につきます。雨で難儀をしないといいなと気がするために余計に目に着くのかもしれませんが、少し夏の感じられるときなら素敵なのにと思ってしまいます。テント前には連日のように澤地久枝さんがきて座り込みをされているのですが、明日には瀬戸内寂聴さんや鎌田慧さんたちも参加し、記者会見も開かれるというので、雨の場合に備えた準備もされています。テント内では5月5日の催しものの検討もなされています。

 5月5日には泊原発3号機が止まり、稼働する原発がゼロになることは確定的ななってきました。このことを5月5日に子供の日に祝い、新たな決意を確認しようという催しが準備されているのです。           (M/O)

  ◇5月4日(金) 午後3時~ カンショ踊りのワークショップ
   5月5日の経産省包囲行動に向けて覚え、練習しておきましょう。
  ◇5月5日(土) 正午~ 集団ハンスト行動終了式 (40分ほど)
   集団ハンスト行動に参加された方々のご参集をお願いします。
   その後、まとまって芝公園の集会に参加します。

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 <大飯原発監視テント日誌>

  5月5日泊で定期検査11時突入で稼働原発0はゆるぎない状況です。ここで手を弛めれば大飯原発再稼働とともに再稼働のラッシュになだれ込まれる。いまさらに再稼働断固阻止の理由の正当性を内外に訴えねばならないと、Uさんは、1日午前8時からおおい町役場の座りこみを開始。賛同者はさらに9人、役場前で円陣を組み、熱烈な情報交換がされている。

  最も危機的な現地住民がおっとりとした体制順応主義に染められてきたことは、3・11(2011)で反省されている。いまうまれてきたこどもたちのように、全存在をかけて、邪悪な原発ハイテクシステムを「安楽死」(槌田敦)させる理由の納得・合意形成を世界的世論とするために、ここおおい町は緊要の試金石のひとつです。

  本日お隣の小浜町では安全保安院の課長級の住民説明会があったが、一般住民は入場できなかった。我々の所へ小浜のひとが寄ってくれた。善悪多少価値観が旋回する。地震とテロがくるまえにしなければならないことは無限だ。福島前夜、原発前夜に近づくことは、まず再稼働阻止からだ。5時すぎても座り込み討議は終わりそうもない。          ( Q記 )

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<テント日誌 5/2(水)――経産省前テントひろば235日目>
  寂聴さん、澤地さんらがテント前でハンスト座り込み
  脱原発鯉のぼり作成も着々と

 5月2日(水) 朝起きてみると、昨日から懸念されていた雨は降っていない。なんとかもってくれればいいが・・・。というのは今日瀬戸内寂聴さんがお見えになるという情報を得ていたからだ。

 午前9時半頃、寂聴さんと澤地さんがご到着。次いで鎌田さんも。続々とメディア関係者がつめかけて、10時かっきりに記者会見。道行く人々も寂聴さんをみては足を止めて記者会見に見入られる。

 寂聴さんは「私の念力で雨を食い止めた」と一同を笑わせられる。今日来た理由を「原発に反対であり、なんとかせねばという気持ちと、私のような九十のばあさんがここに座ったら、マスコミに取り上げられ、それを見た若者が張り切って行動してくれると思って。」と仰る。、「これまで生きてきて、福島の原発事故のような恐ろしいことは戦争以外に一度もなかった。政府は再稼働をどうして焦るのか。原発事故は人災であり、同じことを繰り返しては子どもや若い人たちがかわいそうだ」などと訴えられた。そして、昨夜から食を断っておられ、このまま日暮れまでここでハンスト座り込みを続けると仰った。
 澤地さんは昨日からハンストに入っておられ、今日はNYの坂本さんの「気持ちは一緒です。」というボードを提げておられる。今日は日暮れまでここでハンスト座り込みを続けられる。
 記者会見が終わる頃から雨がふりしきるようになる。第2テントの前幕は屋根に早変わり。その中で寂聴さん、澤地さんにひっきりなしに取材が続く。

 第1テントの奥では、机を並べて、鯉のぼりプロジェクトの女性達が鯉のぼりの生地に思い思いの絵模様とメッセージをかいている。カラフルな鯉のぼりができあがっていく。後は縫い合わせを残すのみである。寂聴さんも一尾の絵入れをされた。5月5日にはこの鯉たちは脱原発の希望をのせてテントの上高く泳ぐことだろう。
 
 夕方、お帰りになるときに、TAXIに乗り込まれたところで落合さんが来訪。怪我をされていて来られるかどうか・・・ということだったが、雨の中駆けつけて来られた。寂聴さんとご挨拶。
 雨は休み無く降り続いていたが、テントは一日中大賑わいであった。
                            ( Y・T )
  ◇5月4日(金) 午後3時~ カンショ踊りのワークショップ
   5月5日の経産省包囲行動に向けて覚え、練習しておきましょう。
  ◇5月5日(土) 正午~ 集団ハンスト行動終了式 (40分ほど)
   集団ハンスト行動に参加された方々のご参集をお願いします。
   その後、まとまって芝公園の集会に参加します。

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【編集部より】
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