【「京都脱原発訴訟原告団」HPより】 ◆福井地裁判決の報告集会in京都  (2014年6月28日)

京都脱原発訴訟原告団

真実を叫ぶ一万人原告のひとりになってください。

◆福井地裁判決の報告集会in京都
(2014年6月28日)

fukui

  • 「福井から原発を止める裁判の会」による大飯原発差止訴訟で、5月21日(水)、福井地裁は原告勝訴、大飯原発3,4号機の運転差止を命ずる、歴史的な判決を出しました。3.11以降、仮処分を求める訴訟を除いて、本裁判における司法の最初の判断ですが、判決は内容的にもひじょうに優れたもので、私たちの裁判にも大きな励みになると考えられます。
  • この判決を受け、福井から原告団と弁護団の代表を招き、標記の集会を開きます。
  • 集会の宣伝ビラ(PDFファイル 713KB) 福井判決報告集会in京都
  • 福井地裁の判決文全文、および判決要旨 
  • この判決に対する竹本修三 原告団長のコメント 福井地裁判決を読んで

福井の勝利判決を京都につなげよう!
すべての原発の運転を止めさせよう!

6月28日(土) 13:00 開場 13:30 開会~17:00 まで
 会場…JR京都駅前 キャンパスプラザ  (4F・第二講義室)
 会場費…700円をお願いします。
 京都地裁での勝利をめざして脱原発の連帯を広げ、原告を拡大する総意を確認しましょう。

福井より原告団・弁護団を招きます。

  • 「福井から原発を止める裁判の会」よりの報告
    ・中嶌 哲演 原告団代表
    ・松田 正  原告団事務局長
    ・笠原 一浩 弁護団事務局長
    ・阿部 剛  弁護団事務局次長
  • 京都地裁の大飯原発差止訴訟では1万人原告をめざし第三次原告の募集中です。
  • 京都脱原発弁護団からも、京都地裁の裁判の状況を報告します。
  • 京都地裁では2012年11月29日に1107名の原告で第一次提訴を行い、その後、2013年12月3日に856名で第二次提訴を行いました。その結果、現在の原告総数は1963名です。さらに大きな1万人原告の声で、原発再稼働を許さず、すべての原発廃炉をめざしましょう。

大飯原発3,4号機 運転差止請求事件
福井地裁2014年5月21
判決ハイライト(抜粋)

  • 人格権について
    個人の生命,身体,精神及び生活に関する利益は,各人の人格に本質的なものであって,その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり,また人の生命を基礎とするものであるがゆえに,我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。
  • 原発の安全性について
    原子力発電所に求められるべき安全性,信頼性は極めて高度なものでなければならず,万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置がとられなければならない。
  • 原発の稼働について
    原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって,憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。
  • 司法の役割について
    原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは,福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては,本件原発において,かような事態を招く具体的危険性が万がーでもあるのかが判断の対象とされるべきであり,福島原発事故の後において,この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。
  • 基準地震動について
    大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。1260ガルを超える地震は大飯原発に到来する危険がある。この地震大国日本において,基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない。
  • 電気代について
    被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性,コストの低減につながると主張するが,当裁判所は,極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり,その議論の当否を判断すること自体,法的には許されないことであると考えている。
  • 国富について
    コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが,たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても,これを国富の流出や喪失というべきではなく,豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり,これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である。
  • 環境問題について
    被告は,原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが,原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって,福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害,環境汚染であることに照らすと,環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

福井地裁判決をめぐる新聞各社の論説

以下、大飯原発差止訴訟の弁護団の浅野則明弁護士が、Facebookに投稿された内容を転載します。
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大飯原発差し止め判決(福井地裁)についての社説を比較してみた。
朝日、毎日、京都は、概ね司法の役割を果たした画期的な判決として高く評価している。しかし、読売だけは、不合理な推論が導く不当な判決であるとこき下ろしている。

<朝日新聞>
・東京電力福島第一原発事故の教訓を最大限にくみ取った司法判断だ。電力業者と国は重く受け止めなければならない。・原発は専門性が高く、過去の訴訟では裁判所は事業者や国の判断を追認しがちだった。事故を機に、法の番人としての原点に立ち返ったと言えよう。高く評価したい。
・事業者や国、規制委は、判決が投げかけた疑問に正面から答えるべきだ。上級審での逆転をあてに、無視を決め込むようなことは許されない。

<毎日新聞>
・住民の安全を最優先した司法判断として画期的だ。
・司法判断を無視し、政府が再稼働を認めれば世論の反発を招くだろう。
・いったん原発事故が起これば、多数の住民の生命を脅かす。判決が「万が一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置を取らなければならない」と電力事業者側に強く求めたことも納得できる。
・安倍政権は、震災を忘れたかのように、なし崩し的に運転再開しないよう慎重な判断をすべきだ。

<京都新聞>
・原発の安全性は何ものにも優先されねばらない。そんな当然の感覚を反映した判決と言える。
・福島事故から3年余。政治が再稼働容認へ傾斜する中だけに、画期的な司法判断を評価したい。
・関電は判決を真摯に受け止めるべきだが、言い渡しの法廷に関電関係者が誰も出席していなかったのは理解に苦しむ。・原発は電気を生み出す一手段にすぎないのに、いったん大事故を起こせば大勢の生活基盤と人生を根底から覆してしまう。それほどのリスクを私たちは抱えきれるのであろうか。-判決の問いかけを重く受け止めたい。

<読売新聞>
・「ゼロリスク」に囚われた、あまりに不合理な判決である。
・昨年7月に施行された原発の新たな規制基準を無視し、科学的知見にも乏しい。
・判決がどれほどの規模の地震が起きるかは「仮設」であり、いくら大きな地震を想定しても、それを「超える地震が来ないという確たる根拠はない」と強調した点も、理解しがたい。
・非現実的な考え方に基づけば、安全対策も講じようがない。
・(大阪高裁が)規制委の安全審査が続いていることを考慮し、「その結論の前に裁判所が差し止めの必要性を認めるのは相当でない」という理由からだ。常識的な判断である。
・(伊方原発最高裁判決は)原発の審査に関し、司法の役割は抑制的であるべきだとした妥当な判決だった。福井地裁判決が最高裁の判例の趣旨に反するのは明らかである。

 

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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