「最新報告『最悪の人道危機』イエメン内戦のいま~国際社会から忘れ去
られた紛争の真実」を開催しました。幅広い年齢層の約90人が参加し、久
保田弘信さんのイエメン取材報告に耳を傾けました。後半は長谷部貴俊さ
ん(日本国際ボランティアセンター)と杉原が加わり、NGOによる人道支
援や日本の武器輸出への批判の観点も含めてパネルディスカッション。
会場との質疑応答も行いました。
以下は、私がメモをもとに久保田さんのお話からまとめたものですので、
ご参照ください。後半に、明日10日夜に放映される久保田さん出演の番組
案内などを載せています。こちらもぜひご参考に。
<案内>
UAEに武器輸出するな!イエメン空爆をやめろ!
5.29 川重東京本社&UAE・サウジ大使館アクション
[5月29日(火)]
◆川崎重工東京本社(港区海岸1-4-5)
[JR浜松町駅南口改札外に午前11時45分に集合]
(竹芝駅1分、浜松町駅7分、大門駅8分)
12時~13時 昼休みアピール
13時~13時30分 申し入れ
↓
◆UAE大使館(渋谷区南平台町9-10)[渋谷駅10分、神泉駅8分]
14時30分~15時 申し入れ・アピール
↓
◆サウジアラビア大使館(港区六本木1-8-4)[六本木一丁目駅7分]
16時~16時30分 申し入れ・アピール
呼びかけ:武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)
TEL 090-6185-4407(杉原)メール anti.arms.export@gmail.com
<参考>
イエメンの人道危機:報道されない紛争の背景に
(グローバル・ニュース・ビュー、4月26日)
http://globalnewsview.org/archives/6724
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<久保田弘信さんのお話から> (文責:杉原)
ライフワークは難民。家や食料が滞る人は紛争被害者の何十倍もいる。
メディアは爆撃のみを取り上げがちだ。
イエメンでは反政府側の地域に行こうと思うと、必ず政府側地域を通らな
ければならず、取材は非常に困難だ。
イエメンの人々に日本の評判はすごく良い。イエメンは90年代に日本人バ
ックパッカーの「聖地」だった。今回、「日本人が来た」ということでよ
く被写体になった。パンダの気持ちがわかった。
訪れた難民キャンプには、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が半年に1
回支援に入っただけ。冬には子どもが凍死し、夏には衛生状態が悪化し、
コレラなどが蔓延している。子どもたちの顔の皮膚はボロボロで手はガサ
ガサ。鼻水は緑色。栄養失調が進み、感染症も増えている。
女性だけのテントに入って取材できたのは奇跡的なこと。「報じて知って
ほしい」という思いが強いからだろう。次の冬にはまた何人も死ぬだろう。
その前に毛布を届けたい。
イエメンでの戦争がサウジアラビアとイランの代理戦争になりつつある中
で、両方の国と良好な関係を保ってきた日本にできることは大きい。間に
入って「そんなことをやっちゃダメだ」と言うべきなのに言わない。言わ
ないなら、僕らが言わせればいい。政府を動かすのは僕らだ。
個人での支援に限界があることはアフガニスタンで痛感した。NGO連合で
も支援を検討してほしい。一番支援が必要なのは危険なところだ。「クロ
スボーダー支援」と言うが、国境の向こうにこそ支援が必要。
イエメン人同士はそれほどいがみあってはいない。「誰でもいいから戦争
をやめてくれ」「一番悪いのはサウジだ」と言う人が多い。
個人としてできることは限られるが、まず知って、発信してほしい。それ
が一番の支援になる。世論が高まれば、NGOにも募金が集まるだろう。そ
して、いい報道をしたメディアをほめることも大事だ。
※上記はごくごく一部に過ぎません。久保田さんのお話は、映像や写真を
ふんだんに用いて、現地の人々の食事や文化、暮らしや本音を豊富なエピ
ソードを通して伝えてくれるものでした。苦難の中でも尊厳や希望、ユー
モアを失わないイエメンの人々の息づかいが感じられました。
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★ぜひ、久保田弘信さんの報告会を各地で開催していただきたいと思います。
★明日5月10日(木)21時から放映のCS放送「TBS ニュースバード」の
「ニュースの視点」に久保田さんが出演され、イエメンについて報告・解
説されます。視聴・録画可能な方はぜひ。
(再放送:5月11日(金)午前2時~)
http://kubotahironobu.blog53.fc2.com/blog-entry-2010.html
★【音声配信】
特集「内戦勃発から丸3年、”世界最悪の人道危機”イエメンの実情
~フォトジャーナリスト 久保田弘信さんの取材報告」
久保田弘信×高橋和夫×荻上チキ
(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」2018年2月15日放送分)
https://www.tbsradio.jp/225738
※帰国直後の報告の貴重な音源です。ぜひお聞きください。
<久保田弘信さん>
◆公式HP http://photokubota.web.fc2.com/
◆公式ブログ http://kubotahironobu.blog53.fc2.com/
◆写真集「僕が見たアフガニスタン」、
DVD「アフガニスタン伝えきれなかった真実」販売ページ
http://kubotaphoto.cart.fc2.com/
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<イベント案内>
フォトジャーナリスト久保田弘信が見た
報道されないイエメンの現状
5月19日(土)13時30分~15時30分 (開場13時)
場所:浜松市多文化共生センター(中区早馬町2−1 クリエート浜松4F)
参加費:500円 定員:60名
申込:公益財団法人浜松国際交流会(HICE)
電話 053–458–2170
メール info@hi-hice.jp