辺野古移設「地方自治を侵害」 愛知・長野の議会が採択
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岩崎生之助
2015年4月3日07時47分
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画を進める政府に対し、愛知、長野両県の2市村議会が3月、「中央と地方の対等をうたう地方自治を侵害しかねない」とする請願・陳情を採択した。両議会は、昨年の選挙で沖縄県民が移設反対の民意を示したとして、政府が沖縄との話し合いを進めるよう求める意見書を安倍晋三首相らに送った。
愛知県岩倉市議会が請願を採択し、長野県白馬村議会は陳情の一部を修正して採択した。同様の請願・陳情は3月議会で、少なくともほかに全国の12市町村議会に提出された。このうち長野県中川村で趣旨採択された一方、11市町村議会は不採択とした。請願・陳情は憲法問題などを考える住民団体の事務局長を務める中川賢俊・長野県高森町議が文案を作り、各地の知人らに提出を呼びかけた。
沖縄では昨年の知事選で辺野古移設阻止を掲げた翁長雄志氏が圧勝し、衆院選の全4選挙区でも移設反対の候補が勝利した。岩倉市と白馬村の意見書では、昨年の選挙で移設に反対する沖縄の民意が示されたとし、「国家の政策と自治体住民の意思との間に溝が生じた」と指摘。地方自治の原則に立って、首長や議会と「真摯(しんし)な話し合い」をするよう政府側に要請した。
岩倉市議会で、請願の採択に賛成した自民系会派の関戸八郎市議は「自民党員としては国の方針に従うべきだが、沖縄の民意を踏まえて是々非々で判断した」と話した。
同様の請願を受けた中川村議会は趣旨採択とし、内容に賛同した上で、意見書の送付は見送った。一方、不採択を決めた11市町村議会では、「本議会が関与できるものではない」(山梨県富士川町)、「内容は理解できるが、市民に直接利害関係がない」(静岡県牧之原市)といった意見が出たという。
請願・陳情を呼びかけた中川氏は「沖縄で起きていることは、一地方だけの問題ではない。地方自治そのものが侵害される危機感を持つべきだ」と主張。次の議会に向けても各地で提出を呼びかけていきたいという。(岩崎生之助)
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