【報告】 原子力規制委:パブコメのゆくえ&健康問題

著者: 杉原浩司 : 福島原発事故緊急会議/緑の党
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私も傍聴した27日の原子力規制委員会について、満田夏花さん(FoE Japan)
が書かれた報告を取り急ぎ転送します。ぜひご一読ください。「なお、新安全
基準」のパブコメは明日28日(木)いっぱいで締切です。忘れず出しましょう。

◆満田さんの報告は「原子力規制を監視する市民の会」ブログの以下に
掲載されています。ツイッター等での紹介にご活用ください。
http://bit.ly/Xhs540

◆短い募集期間に思いを込めて書かれた3,155通ものパブコメを無視して
はばからない規制委員会に抗議の声を集中してください!

原子力規制委員会 (広聴広報課)[TEL]03-5114-2105
(代表)    [TEL]03-3581-3352
ウェブからは: https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/

【関連記事】
防災指針 募集意見ほとんど反映されず(NHK、2/27 16:37)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130227/k10015823961000.html

原発防災指針を正式決定=意見公募3155件-修正は字句程度・規制委
(時事、2/27、12:09)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013022700416

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みなさま(重複失礼、拡散歓迎)

FoE Japanの満田です。
今日、原子力規制委員会が開催され、原子力災害対策指針のパブコメの扱い、
原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する「総括」と「提言の方向性」が
議題に上がりました。

1.原子力災害対策指針のパブリック・コメントの取り扱い
(資料はこちら)
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0031_07.pdf
パブコメは3,155通あつまったそうです(この手の、行政の消極的なご意見募集
としては異例の多さだと思います)。

特に「パブコメ期間が短すぎ」「UPZなどの区域が狭すぎ」「OILの基準が高すぎ」
「避難をもっと早期にするべき」「住民説明会を開催すべき」などの意見が多かっ
たそうです。

しかし、パブコメのうち、用語に関するものの一部は反映されただけで、それ以
外は指針に反映されませんでした。

事務局側から「報告」という形で資料が紹介され、委員から「もっと理解を求め
る必要がある」というような所感の表明らしきものがあっただけで、内容的な審
議がされることなくおわりました。本来であれば、検討チームで審議するのが筋
なのですが…。

会場で傍聴していた市民たちから

・ちゃんとパブコメを審議してください!
・検討チームにかけてください。
・主権者たる国民の声を無視しないでください
・なんのためのパブコメなんですか!
・福島の実情を踏まえてください!

というような声が長時間、同時多発的にあがりましたが、規制庁の職員が青筋た
ててとんできて、「静かにしないと退場させますよ」と注意。「だって声をあげ
るしかないじゃないですか」「変ですよ」と市民と言い合いになる場面もみられ
ました。

このような混乱はありましたが、実質上、事務局の説明を除けば10分くらい審議
されただけで、規制委は、次の議題に移ってしまいました。
納得しない市民たちは、検討チームでのパブコメの審議を求めましたが、次の議
題(健康問題)も非常に重要なものだったので、しぶしぶ矛を収めました。

<所感>
要請をしても無視、署名をあつめても無視、パブコメをだしても、まったくそれ
が取り入れることがないため、やむをえず声をあげれば、あたかも審議妨害のよ
うな扱い…。いったいどうしたらいいものやらという感じです。

2.住民の健康管理のあり方に関する議論の「総括」と「提言の方向性」
もっと問題なのは「住民の健康管理のあり方」についてです。
(総括)
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0031_09.pdf
(提言の方向性)
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0031_10.pdf
これは、いままで検討チームにかけられており、それを「踏まえた」という形で
「総括」ペーパーおよび「提言の方向性」が出されました。

ところがこの「総括」には、現在の福島県県民健康管理調査の問題点を提起して
きた福島県医師会の木田さんの意見などは別記載になっており、「提言の方向性」
にいたっては一度も検討チームにかけられていませんでした。
また、今回、甲状腺癌が3人みつかったという重要な事実については検討チーム
での審議が何一つ行われないままの、「総括」と「提言の方向性」となりました。

これについても大荒れでした。

会場からは、
・「勧告」案を検討チームで審議するべきだ
・甲状腺がんについて審議しないのはなぜか。

というような激しい怒号。
子どもたちの健康という重要な問題だけに傍聴者もヒートアップしたのでしょう。

委員からは、中村佳代子氏から、「現在の健康調査に関する指摘や批判をすべて
もりこみました」などと事実と異なる説明が。

会場から
・ウソつけ!

更田氏から、
・ところで、提言というものは、だれかに当てたものだと思うが、この提言は誰
あてのものか(まことにごもっともです)

会場から拍手。

事務局からは、「原災法にもとづくと、ごにょごにょ。政府全体にあてたもので、
主として環境省になると思う」という説明。

<所感>
このままでは、今多くの心ある人たちが、懸念をもっている福島県県民健康管理
調査の問題が何一つ改善されず、同調査を追認するような「総括」と「提言」が
でておわりとなってしまいそうです。
この件に関して、規制委にもともと期待はしていませんでしたが、手続きがあま
りにめちゃくちゃです。
検討チームに検討を任せた形なのに、そこからでてきた形の「提言」を検討チー
ムにはからないなんて、びっくり仰天です。

ただ、今日、会場から多くの声があがったことにより、安全基準の方のパブコメ
はしっかりやらねば、というようなプレッシャーにはなったと思います。

原子力規制委員会に対する疑問とか意見は、規制委員会のウェブサイトから提出
できます。「疑問」については回答が返ってくるそうです。ぜひみなさん出して
みてください。
https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/