【報告・動画案内】1.23イラン駐日大使講演会(平和のための民衆外交団)

「平和のための民衆外交団」から、1月23日に武蔵大学で開催されたイラン駐日大使を囲んでの集会の報告です。
ベネズエラに続いて、アメリカ・イスラエルのイラン攻撃が世界で心配される中、
大使の誠実で切実なお話の動画を是非ご覧願います。

◇イラン大使講演会 「平和のための民衆外交団」須田幸子さん
「平和のための民衆外交団」は昨年6月にイラン大使館にて大使と面会してお話を聞きました。そして本年1月23日、武蔵大学でイラン大使の講演会を開催しました。
武蔵大学名誉教授の永田浩三さんの司会・進行でベイマン・セアダット大使の講演会が始まりました。大使は広島・長崎を訪問し、原爆の甚大かつ悲惨な結果を知り、核兵器廃絶は人類の最重要課題であると痛感されたとのことです。
イラン・イラク戦争の際、イラクによる化学兵器・毒ガス兵器で7万人以上が死傷し、今なお血管、肺、運動機能の障害に苦しんでいる人がいる、誰が、どこの国がそれらの兵器をサダム・フセインに提供したのか。
この問題を化学兵器禁止機関OPCWは全く取り↗上げなかった。人類は問題解決のために多国間主義という道を選んできた。しかし今、世界は力による排他的な平和へと変わりつつある。ガザ・ベネスエラ・イランはまさに覇権主義の標的となっている等々、大使の真摯な講演に約80名の参加者は聞き入り、熱心にメモを取る人も。
人類は皆、一つの身体の各部位のような存在である!とのイランの詩人の言葉、深く受け止めたいと思います。            

◇動画案内 星野裕史さんから
イラン大使講演会動画
1月23日に武蔵大学で開催した集会の動画です。
https://photos.app.goo.gl/hdnBWtfbTnjonxcu5

https://photos.app.goo.gl/KjSdf3takbpTAzg77

https://photos.app.goo.gl/xkVuqTFfwRMJDzRH6

◇資料紹介 星野裕史さんから
ジョン・ミアシャイマー:「トランプ大統領にとってイラン問題における決定的な勝利はありえない」 
(星野裕史さん)
https://youtube.com/watch?v=03LNnhUCFRE&si=yP2I_W34ySIShEzZ
*(本動画は公開情報をもとにした解説・考察であり、特定の行動を促すものではありません)
1月30日

【分析】トランプ対イラン:決定的な勝利は存在するか? ミアシャイマー氏が警告する「泥沼化」の現実
現在、中東情勢は極めて緊迫した局面を迎えています。トランプ大統領は、空母エイブラハム・リンカーンを中心とする大規模な艦隊をイラン近海に展開させ、「交渉に応じなければ過去最悪の結果を招く」と警告しています。しかし、ジョン・ミアシャイマー氏は、この軍事的圧力がトランプ氏の望む「決定的な勝利」をもたらす可能性は極めて低いと論じています。
1. ベネズエラとの比較:イランは「誘拐」では済まない
トランプ氏はベネズエラでの作戦(マドゥロ大統領の排除)を成功例として挙げていますが、ミアシャイマー氏は、ベネズエラとイランを同一視することは極めて危険であると指摘します。ベネズエラで行われたのは、わずか数百人による数時間の「大統領拘束(誘拐)」に近い限定的な軍事作戦でした。
しかし、イランという大国に対して同じような手法は通用しません。数時間で体制を崩壊させ、トランプ氏が望むように統治することは物理的に不可能です。
2. 「体制転換」という曖昧な目標と「混乱」の創出
トランプ政権の真の狙いは何でしょうか。ミアシャイマー氏によれば、もはや「核施設の破壊」ではありません。トランプ氏自身、2025年6月の攻撃ですでに核施設は壊滅させたと公言しているからです。
現在、米国が狙っているのは、軍事力と内部抗争を組み合わせた「体制転換(レジーム・チェンジ)」です。しかし、そこには「後継体制の構築」という視点が欠落しています。米国が意図しているのは、かつてのシリアのようにイランを断片化し、国内に混乱を撒き散らすことだと氏は分析しています。
3. 「決定的な勝利」を阻む2つの壁:米軍幹部とイスラエル
1月14日、トランプ氏はイランへの大規模攻撃を計画していましたが、最終的に断念しました。その理由は主に2つあります。
• 軍の忠告: 米軍の将軍たちは、「現状の兵力では決定的な勝利は得られない」とトランプ氏に直言しました。かつて期待されていたイラン国内の抗議活動も鎮静化しており、軍事力単独で体制を転倒させることは不可能であるとの判断です。
• イスラエルの懸念: 意外なことに、ネタニヤフ首相自身がトランプ氏に攻撃を控えるよう求めたとされます。イスラエルは自国の防衛システム(アローや米国のTHAAD)が、イランの圧倒的な数の弾道ミサイルを完全に防ぎきれないことを2025年6月の「12日間戦争」で痛感しているからです。
4. イランの反撃能力:攻勢ミサイルの優位性
イランは決して無抵抗ではありません。ミアシャイマー氏は「攻勢ミサイルは常に防御システムを凌駕する」という軍事的な鉄則を強調します。
イランが保有する数千発の弾道ミサイルや巡航ミサイル、自爆ドローンは、イスラエルや中東の米軍基地を確実に捉えています。もし米国が「軽い打撃」を加えたとしても、イランは全面的な報復(ホルムズ海峡の封鎖を含む)に出る準備を整えており、それが米国やイスラエルを躊躇させる最大の抑止力となっています。
5. 外交の空文化と「デリュージョン(妄想)」
動画の後半では、マルコ・ルビオ国務長官やジャック・キーン将軍らが語る「民主化の推進」がいかに虚構であるかが議論されます。
ミアシャイマー氏は、米国が本当に民主化を目指しているのではなく、単にイスラエルの安全保障上の利益(イランの弱体化)と、資源(ベネズエラ等の石油)の管理を優先しているに過ぎないと断じます。「民主主義を広める」という言葉は、もはや外交エリートたちが自らを正当化するために繰り返す、実態を伴わないマントラ(呪文)になっているのです。
結論:出口なき封じ込め
トランプ氏は自ら「交渉か、さもなくば攻撃か」という極限状態を作り出し、自分自身を追い詰めて(Boxed in)います。イラン側も「生存がかかっている」と認識しており、一切の譲歩を見せません。
ミアシャイマー氏は、トランプ氏が面目を保つために小規模な空爆を行い「勝利」を宣言する可能性を示唆しつつも、それがイランの猛烈な報復を招き、制御不能な地域戦争へと発展するリスクを深刻に懸念しています。
以上

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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