【群馬】 自衛官の悩み聞きます 安保法受け20日に無料電話相談会

【群馬】

自衛官の悩み聞きます 安保法受け20日に無料電話相談会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201511/CK2015111402000184.html

2015年11月14日

他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が成立したことを受け、群馬弁護士会は二十日、自衛官とその家族を対象にした無料の電話相談会を初めて行う。海外での自衛隊の任務や活動範囲が大幅に拡大することによる不安や悩みを聞く。

弁護士会主催で電話相談を開くのは全国初という。来年三月までに施行される同法で、自衛隊の活動範囲は地球規模に広がり、武器使用基準が緩和される。国連平和維持活動(PKO)での海外派遣先で危険な状態に置かれている民間人や他国軍を武器を携行して警護する「駆け付け警護」なども認められ、自衛官のリスクが増す可能性が指摘されている。

群馬弁護士会・憲法問題特別委員会事務局長の熊川俊充弁護士によると、すでに弁護士有志で電話相談を行った東京や札幌市では「海外派遣を拒否できるのか」「派遣拒否を理由に退職を希望しても認められず、懲戒解雇されてしまうのでは」といった相談が多かったという。

自衛隊法には隊員が退職を申し出た際、任務遂行に「著しい支障を及ぼす」場合は退職を承認しないことができるという規定がある。熊川弁護士は「憲法が保障する職業選択の自由があり、基本的には民間企業と同じで退職は認められる。既に出動命令が出されてしまった場合など、いろいろなケースも想定されるので、まずは気軽に相談して」と呼び掛ける。

群馬弁護士会では今後も一、二カ月に一回ほどの頻度で定期的に電話相談を行う方針。二十日の相談は午後一~四時。発信者番号の通知機能がない電話機を使い、氏名や所属などは尋ねず秘密を厳守する。当日のみ通じる電話番号は、027(234)0094。 (川田篤志)