1 日本のキリスト教徒は人口の1%以下。それでもクリスマスは盛況
日本のキリスト教徒は人口の1%とされる。信者の割合はプロテスタント6、カトリック4というイメージである。ロシア正教会、聖公会などは捨象する。
先進国で日本ほどキリスト教徒が人口比で少ない国はない。G8に参加できる主要国でキリスト教徒が多数を占めない国は日本だけだ。
知り合いの牧師などに話をうかがうと、「実際のキリスト教の信者は人口の1%も満たないだろう」とさらに悲観的な答えが返ってくる。実際、東京郊外で単立のプロテスタント教会の礼拝に参加する人は、筆者が見聞する範囲では、20人とか50人とかという数字である。10人以下の礼拝も珍しくない。
だが、キリスト教の物語はおぼろげながら、日本人に浸透している。クリスマスも祝われる。若い人の結婚式は多くがプロテスタント式である。
葬式は仏教、初詣、お宮参り、七五三は神社、結婚式はキリスト教と分業ができているかのごとくである。仏教の葬式だが、もともと儒教から出ていると聞く。大安、仏滅など今でも日本人が気にする六曜も道教の影響を受けているという。
2 日本人はシンクレティズムの天才?
日本人はシンクレティズム(宗教混交)の達人に見える。それでいて、ほとんどの日本人が「無宗教」と回答するから外国人は戸惑うはずだ。
筆者は現在の日本人は5教体制下で生活していると思う。仏教(中身は仏、儒、道の混交)+神道+キリスト教である。ただ、最後のキリスト教の風俗の影響は限られている。5教体制ではあるが、全体として、「日本教」を構成しているかのようだ。
ある年代以上だと、筆者がユダヤ教起源のメシアニズムと考えるマルクス主義の影響も日本では極めて大きいので、実は6教体制になっているかもしれない。
ここから先は冗談と思って聞いていただきたい。将来、日本の国際化がさらに進み、かりにユダヤ教、イスラム教の風俗、の一部が入って、7教体制になっても、日本人は楽々とこなしてしまうだろう。
3 日本人と福音
さて、12月25日はクリスマスだった。筆者はアブラハムの宗教に好感と関心を持っている。筆者はどの宗派の信者ではないが、日本のプロテスタントは好きである。筆者の知る範囲では、これほど素朴で人の好い人々の集団が今の日本にあるのかとさえ思う。それから実に質素である。教会でときどき昼食とか夕食を出してくれることがあるが、300円とか500円のレベルである。こんなに金のかからない宗教はない気がする。
こういうことを見聞すると、日本の大乗仏教の僧侶の腐敗堕落ぶりを鮮明に感じる。
昨年、筆者の親戚が死んだが、僧侶は戒名や供養代など金の話しかしなかった。お悔みの言葉さえ一言もなかった徹底ぶりに改めて驚嘆した。
ある牧師の説教を本日聞いた。
「主はイエス、主の独り子をこの世に送り、人間に手を差し伸べて、人間を原罪から救済する行動をとられた。この恵みは人間の行いや善行にかかわらす、一方的に贈られる福音である。この主の福音を選ぶかどうかは人間しだいである」
聞きながら不信心にも考えた。「主は全能の力がある。それなら回りくどい方法をとらなくてもいいのでは」・・・・。
日本人の99%が福音を信じていない。いったいどうなるのか。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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