21世紀を読み解く──例外状態・生政治・近代化──
●第三クール1・第13回……第三クールから、曜日が変わります。原則として第二月曜日です。
日時 : 2014年6月9日(第2月曜日) 18:30開始 (開場18:00)
会場 : 専修大学神田校舎一号館8B会議室(8階)
報告 : なすび(山谷労働者福祉会館活動委員会)+友常勉(定例研究会企画委員)
「生政治の現在――被曝労働と飯場」
この報告では福島第一原発事故後の収束にかかわる被ばく労働と、事故前から続く原発立地における労働・生活支配に焦点をあてる。被ばく、ピンハネ、重層的下請け構造。「被ばく労働を考えるネットワーク」の設立に参加し、被ばく労働者の争議を手がけながら、現状を厳しく問うている山谷労働者福祉会館活動委員会のなすび氏から報告をいただく。あわせて、事故後、東北で人夫出しと飯場経営に乗り出した大阪・西成の人夫出し業者の現状についても報告する(友常)。
●第三クール2・第14回:
日時: 7月14日(月)18;30開始 開場18:00
会場: 専修大学神田校舎1号館8B会議室(8階)
報告: 内藤酬(元防衛庁研究所員 京大大学院で核物理学専攻 現河合塾講師)+山家歩(定例研究会企画委員)
3.11以降の核 内藤 酬
東京電力福島第一発電所の事故は、この国の核をめぐる構造を暴露し、科学者の醜態を白日のもとにさらした。しかしそれは3.11以降にはじめて出現した構造ではなく、3.11以前からすでにあった構造が、原発の事故を契機として明るみにだされたものにすぎない。それは広重徹のいう「科学の体制的構造」が現代社会の只中に公然と姿を現わしたものにほかならない。そのような核をめぐる構造を、核物理学研究と原子爆弾開発計画の歴史をたどることで考えてみたい。冷戦期における科学の構造が、第二次世界大戦中の原子爆弾開発計画に源流をもつことと、そのような科学の構造がこの国の研究体制にも色濃く影を落としていることを確認しておきたい。原爆(原子爆弾)と原発(原子力発電)はいうまでもないことだが、ノーベル賞と核兵器もまた思いのほか近しい関係にある。そのことをこの国の核物理学研究の歴史のなかに見ていくことにしよう。