たんぽぽ舎です。【TMM:No2326】
2014年11月7日(金)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「同意が必要な地元」の範囲も30キロ圏まで拡大すべき
川内原発再稼働と「地元」合意 3.11以前と変わらぬご都合主義 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.原発事故-国は全く役立たずだった。茨城県村上村長(1999年)
原発事故-誰も助けに来なかった。東電・吉田所長(2011年)
「再稼働で国が責任をもつ」は大ウソ-過去の事実が証明
再稼働は日本を滅ぼす連載 その23 柳田 真(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.新潟県中越地震から10年「人災」と余震予想に課題浮き彫り
気象庁の余震の発表が「当たらなかった」
どんな余震がいつ起きるかを正確に予測することは現在の学問レベルでは不可能
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその75 島村英紀(地震学者)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆11/8小さなシネ・フォーラム「シロウオ」上映会
長編ドキュメンタリー映画・原発立地を断念させた町(104分)
上映後、監督を囲むディスカッションあり
★5.新聞より2つ
◆原発再稼働「30キロ圏自治体理解必要」 東電常務 衆院委で明言 (11月7日東京新聞1面より抜粋)
◆議場内外で怒号「メリットあるか」「命が大事 早く進みすぎ」
川内原発再稼働 賛成を採択 県議会 知事 午後に同意 鹿児島
福島の避難者「誰のために」家族と鹿児島へ「事故解明まだ」
(11月7日東京新聞夕刊1面より抜粋)
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┗■1.「同意が必要な地元」の範囲も30キロ圏まで拡大すべき
| 川内原発再稼働と「地元」合意
| 3.11以前と変わらぬご都合主義
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
電気新聞は10月29日に「川内原子力再稼働へ地元手続き大詰め-県議会、11月に意見集約」という記事を載せている。「九州電力川内原子力発電所1、2号機の再稼働に向けた地元手続きが最終局面を迎える。鹿児島県議会は11月上旬に臨時議会を開き、意見集約に入る。」
これが業界紙の見立てならばまだしも、他の新聞も似たような表現になっている。
いったい3.11とは何だったのか。特に、これで「再稼働に進む」と報じた報道に対して言っておかなければならない。
川内原発の立地自治体は薩摩川内市だが、UPZ(原子力災害対策重点区域)30キロ圏内には9市町がある。これら自治体は原子力防災体制の確立が必要だ。
避難計画などを作ることが義務づけられながら、再稼働に対して意見を言う機会がない。これでは3.11以前と何も変わらない「地元」定義だ。
規制基準が作られる前の原子力防災は、防災対策の範囲は8~10キロと定義されていた。結果として、防災体制は立地自治体の範囲におおむね限定されていたと考えられる。(実際はこれでも大問題だったが)
それが福島第一原発震災を教訓に原子力災害対策指針で「30キロ」まで拡大されている。それならば自動的に「同意が必要な地元」の範囲も30キロ圏まで拡大されたとすべきである。
もっというのならば、大飯原発差し止め訴訟の福井地裁判決は、原告適格を原発から250キロ圏まで認めている。これは当時の原子力委員会近藤駿介委員長が「不測事態シナリオの素描」で描いた影響範囲が元になっている。複数号機が立つ原発で使用済燃料プールの燃料体まで被災する過酷事故を想定すれば、そのくらいの影響がある。
薩摩川内市や鹿児島県だけが「同意」したとしても、それは3.11以後の日本では無効なのである。
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┗■2.原発事故-国は全く役立たずだった。茨城県村上村長(1999年)
| 原発事故-誰も助けに来なかった。東電・吉田所長(2011年)
| 「再稼働で国が責任をもつ」は大ウソ-過去の事実が証明
| 再稼働は日本を滅ぼす連載 その23
└──── 柳田真(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
・緊迫する九州電力川内原発の再稼働問題で、「国が責任を持つ」という言葉が殺し文句的に使われている。本当か?本当に原発事故に責任を持てるのか?
過去の2つの原発事故大惨事の事実から検証してみよう。
「全くのウソ(ホラ)」だとよくわかる。
・1つは1999年9月30日に茨城県東海村でおきたJCO臨界ヒバク事故。2人が死亡、数百人(以上)がヒバク、31万人が自宅避難した事故。この時、国(自民党政府)は全く役立たなかった。東海村の村上村長は、国からも情報のない中で、孤独な決定をした(立派な態度)
14年後の2013年9月現在、前村長の村上氏は発言する。
「1999年9月30日のJCO臨界事故の時、国が何もしない、何もしてくれないことを身をもって経験。国にまかせておけば大変なことになる、住民の命や暮らしは守れないという認識にいたった。」
・2つは2011年3月11日の東京電力福島第一原発4機の事故=大惨事。「福島県だけでなく東京も全滅」と思ったと東電吉田所長は語る。同時に、4機の同時発生の事故で四苦八苦する福島原発に「事故初期をふりかえり結果として誰も助けに来なかった」と述べている。「誰も」とは、東京電力本店はもちろん国も当然含む。「原発大事故の時、国が責任をもつ」は過去の2つの大事故の事実から否定される(残念だが…)。
・そもそも原発重大事故発生の時、果たして国が責任をもてるのか、という根本問題になる。何万人もの人々がヒバクし、自宅を奪われ、故郷をはなれざるをえない事態のとき、経産大臣や安倍首相が何ができるのか?辞職したって、なんの役にも立ちはしない。宮沢経産大臣はせんだい(川内)原発をかわうち(川内)原発とよみまちがえたという。愚かな指導者たちのウソとホラの言葉で、美しい山河をもつ日本が21世紀初頭に滅亡の道を進むのだけはなんとしてもさけたい。持てる全力をつくそう。
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┗■3.新潟県中越地震から10年「人災」と余震予想に課題浮き彫り
| 気象庁の余震の発表が「当たらなかった」
| どんな余震がいつ起きるかを正確に予測することは現在の学問レベルでは不可能
| 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその75
└──── 島村英紀(地震学者)
○ 先週10月23日は新潟県中越地震(マグニチュード(M)6.8)からちょうど10周年の日だった。
この地震は川口町(現長岡市)で震度7という日本では最大の震度を記録した。だが地震発生直後には停電で衛星通信端末が止まり、当初は小千谷市などで観測された震度6強が最大震度だとされていた。
地震10周年ということで被害の中心になった長岡市では犠牲者68名を追悼する式典が開催された。また山古志村(現長岡市)など被災各地では追悼のロウソクがともされ、発生時刻の午後5時56分に犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた。
私が地震学者として忘れられないことがある。それは、この地震の犠牲者のうち地震による直接の死者は16名しかいなかったことだ。あとの50名以上はストレスや深部静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群などによる地震後の関連死だった。
避難した人たちから地震後に犠牲者を出すのは天災というよりも人災というべきであろう。
○ また、気象庁の余震の発表が「当たらなかった」ことも忘れられない。
地震後に気象庁が発表した余震の見通しはたびたび裏切られた。
気象庁は3日以内の最大震度5強以上の確率は10%と発表していた。だが実際には震度6を超えるものだけでも4回もあり、なかでも震度6強という強い余震も2回あった。地震後、10月の末までに600回、11月末までに825回もの有感地震(身体に感じる地震)の余震があった。
この地震はほかの大部分の地震とちがって地震断層がひとつではなくて複雑だった。このために気象庁の予測発表を上回る余震が何度も繰り返されたのだ。
余震の起きかたには経験則しかなく、しかも例外も多い。気象庁が記者会見で発表しているのは、たんに平均的な経験例にもとづいているだけなのだ。このため気象庁の余震の予想が外れることは多い。
一般には震源が浅い地震ほど余震が多く、震源が深い地震には余震がないこともある。
また余震の最大マグニチュードは本震から1くらい小さいことが多い。しかしこのときの余震でもM6.5が起きたし、本震とほとんど同じ大きさの余震が起きて双子地震と呼ばれるようになることさえある。他方、最大の余震が本震よりずっと小さいこともある。
最大の余震は本震の後、数日以内に起きることが多いのだが、これもいつもあてはまるわけではなく、半月以上たって起きることもある。たとえば東日本大震災を起こした東北地方太平洋沖地震(M9.0)では約1ヶ月あとになって最大の余震が起きて宮城県北部と中部では、余震の中で最強だった震度6強を記録した。Mは7.1だった。
○ 気象庁はこの種の余震の見通しの発表をこの地震に限らず続けている。しかし、どんな余震がいつ起きるかを正確に予測することは現在の学問レベルでは不可能なのである。 (10月31日『夕刊フジ』より)
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┗■4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆11/8小さなシネ・フォーラム「シロウオ」上映会
長編ドキュメンタリー映画・原発立地を断念させた町(104分)
上映後、監督を囲むディスカッションあり
日 時:11月8日(土)13:30より「柳瀬川図書館」
(東武東上線柳瀬川駅徒歩4分)
18:30より「にいざほっとぷらざ」(志木駅直結)
・埼玉県内初公開 入場無料(カンパ歓迎)
主催者:武蔵野市民学校・映画○学ぶ会
連絡先:Tel 080-4291-4904(兼岡敏二)
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┗■5.新聞より2つ
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◆原発再稼働 「30キロ圏自治体理解必要」 東電常務 衆院委で明言
東京電力の姉川尚史(たかふみ)常務は6日の衆院原子力問題調査特別委員会で、原発の再稼働の際に同意が必要な「地元」の範囲について「原発の30キロ圏内の自治体の理解がなければ、再稼働させるには十分ではない」と述べた。電力会社幹部が再稼働の条件として立地自治体以外の「理解」に言及するのは異例だ。今後、全国にある原発の再稼働手続きに影響を与える可能性がある。
(後略)(11月7日東京新聞1面より抜粋)
◆議場内外で怒号「メリットあるか」「命が大事 早く進みすぎ」
川内原発再稼働 賛成を採択 県議会 知事 午後に同意 鹿児島
福島の避難者「誰のために」家族と鹿児島へ「事故解明まだ」
(前略)
川内原発の再稼働を求める陳情を採択した鹿児島県議会本会議は、採択と伊藤知事の閉会あいさつの間、「NO」のプラカードを掲げた傍聴者100数10人から「再稼働反対」のシュプレヒコールが続いた。県庁周辺にも反対住民らが集まり「脱原発」を訴えた。
知事らの発言がまったく聞こえないほど、激しい抗議だった。議会棟と県庁舎は、県職員や制服姿の警察官らが正面玄関を封鎖し、各フロアの出入り口にも立つなど物々しい雰囲気に。傍聴席は議会が開会した瞬間から「しっかり自分で考えろよ」「そんなに原発にメリットがあるのか」などと怒号が飛び交い、議長の言葉をかき消した。
議場の前では再稼働に反対する市民ら400人以上が集会を開き、再稼働に抗議を繰り返した。
傍聴に駆けつけた同県霧島市の看護師、盛園尚利さん(39)は「人の生命にかかわる大事なことが、早く進みすぎる。何が進んでいるのかが認識されないうちに、手続きが進む。国や県が好き勝手やっている」と憤った。(後略)
(11月7日東京新聞夕刊1面より抜粋)
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