たんぽぽ舎から  TMM:No2429

たんぽぽ舎です。【TMM:No2429】
2015年3月9日(月)その2 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                      転送歓迎
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★1.(報告)原子力規制 火山影響評価ガイドの問題から考える(その2)
   火山噴火の予測見込みが甘い モニタリングによる噴火予測はできない
   (小山真人さん:静岡大学防災総合センター教授・副センター長)
   田中一郎(ちょぼちょぼ市民連合)
★2.高浜原発批判・6つの問題点を指摘
   パブリックコメントに対して「原子力規制庁」から科学的・技術的意見
   に書き直して再度提出を求められた。それで再提出した文章(下)
  千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★3.金曜行動広がる輪!多角度に深く浸透する
   行動を通して私もこんな風に、成長していきたいなぁ
   3月6日第139回官邸前行動報告にはなってませんが…にしざきやよい
   「ちょぼゼミ」に参加して…鳥居 光代
   3回目の2月。私としては今までで一番良く理解できたゼミ
★4.新聞より
  ◆「ベルリンで反原発デモ 福島事故発生4年控え」
             (3月7日佐賀新聞より)
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┗■1.(報告)原子力規制 火山影響評価ガイドの問題から考える(その2)
 |  火山噴火の予測見込みが甘い モニタリングによる噴火予測はできない
 |  (小山真人さん:静岡大学防災総合センター教授・副センター長)
 └──── 田中一郎(ちょぼちょぼ市民連合)
  (その1)は3月7日発信の【TMM:No2427】に掲載

 今回は最初に小山氏伝授の火山学の基礎知識について若干ご説明します。
 まず、火山噴火の予知には観測機器による直前予知と噴火履歴による災害予測とがあり、後者は噴火前の事前対策やハザードマップ作りにつながります。小山氏は後者がご専門とのことでした。
次に、火山爆発指数(VEI)という数値があり、これは噴火時のマグマの噴出量によってランク付けされるそうです。具体的には下記です。
 ランク「VEI8」1000キロ立方メートル以上 観測値なし
 ランク「VEI7」 100キロ立方メートル以上 観測値なし
  ランク「VEI6」 10キロ立方メートル以上 観測値若干あり
  ランク「VEI5」 1キロ立方メートル以上 観測値若干あり
・・・・・・・以下省略
 ちなみに原子力「寄生」委員会が定める火山リスク・チェック基準の「160km圏内」は阿蘇山噴火に伴う火砕流を根拠にしているとのこと(私は範囲が狭いように思います)。また、原子力「寄生」委員会が川内原発に想定している火山噴火は「VEI6」レベルのもので、それを超える「VEI7」や「VEI8」の噴火は想定していませんが、その科学的根拠は全くありません。単なる楽観論です。
 他方、鹿児島市の地域防災計画では、「VEI5」までの噴火しか想定していなくて,その理由は、それ以上大きな火山噴火があると、鹿児島市が壊滅するからであるとしているのです(地域住民の避難誘導をする本部が壊滅することに加え、避難先である鹿児島市なども壊滅する)。信じがたしです。アジア太平洋戦争時の大日本帝国軍大本営・参謀本部・各師団司令部と同じ思考パターンであり、滅びゆく者のやることです(都合の悪いことは起きないことにしておく:『失敗の研究』より)。
 さて、いよいよ本論の「ここがおかしい「火山影響評価ガイド」」ですが、さしあたり今回は次の3点を指摘しておきます。
 第1に、巨大噴火の発生可能性についての恣意的基準が目につくという点です。
 小山氏は具体的に、1.火山学、火山防災の現状とのかい離と、2.設計対応不可能な火山事象の可能性についての数値基準がない(基準地震動や活断層には数値基準がある)ことを挙げていました。
 活断層評価では、過去12~13万年前以降に動いていないことが確認できない断層を「活断層」とした(不明の場合は40万年前までさかのぼる)のですが、それと同じ基準で見れば過去12~13万年前以降に川内原発敷地地域を火砕流が襲ったのは少なくとも2回あるので、敷地の適格性は「×××」となります。
 また国際原子力機関(IAEA)の原発・核燃料施設立地基準では火山リスクのある場所は立地不適格(グリーンピースのレポート参照:(その3)で紹介)とされています。
 第2に、火山噴火の予測見込みが甘いということです。火山ごとの多様性が大きく不確実性が大で、モニタリングによる噴火予測などはできないというのが火山学の科学的結論だそうです。
 そして第3に、原発をいつまで運用するのかの期間が明らかにされていないことがおかしいという点です(稼働期間のことではなく、いつまで使用済みを含む核燃料を置いて火山リスクにさらすのか)。
なお、講演はUPLAN(三輪さん)のサイトに録画があります。ぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=kLWjJ7TWdJk

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┗■2.高浜原発批判・6つの問題点を指摘
 |  パブリックコメントに対して「原子力規制庁」から科学的・技術的意見
 |  に書き直して再度提出を求められた。それで再提出した文章(下)
 └──── 千葉和夫(たんぽぽ舎ボランティア)
       (上)は3月6日発信の【TMM:No2426】に掲載

4.複数の原発の同時被災
イチエフ事故では4機の同時被災でその対策に苦慮しました。高浜の審査では複数の原発の同時被災への対応策がほとんどありません。4年前実際起きたことは確実に今回の審査に反映すべきです。
5. コアキャッチャーがない
欧州の原発では設置されているコアキャッチャーがなく、世界最高水準とはいえません。真に「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」を言うならば時間がかかってもこのような安全対策をすべきと思います。
6.航空機テロの防御
 欧州の原発では原子炉を厚さ2.6mのコンクリートで覆っています。当然、これに準じた対策を取るべきです。
7.プルサーマル運転の危険性が考慮されない
関電は高浜原発の再稼働時にプルサーマル運転(MOX燃料を用いた運転)を実施するつもりでいるが、審査書案では、プルサーマル運転の危険性について十分考慮されていません。
a.MOX燃料はウラン燃料とは異なり、燃料が溶融する温度が低く溶融しやすい、制御棒の効きが悪い、臨界に達しやすいなどの危険性があり、安全余裕が削られます。このことは、政府も関電も認めています。
b.MOX燃料の場合、長寿命核種の影響で、重大事故で放出される放射能はウラン燃料よりも多くなり、被害が拡大します。
c.新規制基準では、重大事故対策が新たに加わっていますが、審査書案では、MOX燃料を用いた場合の解析がなく、ウラン燃料を用いる通常の運転と同じ扱いとなっています。プルサーマル運転の危険性について十分考慮されていません。
d.MOX燃料を用いた後に生じる使用済MOX燃料は、再処理ができず、冷却に非常に長い時間(数百年)がかかります。搬出のめどはなく、地元に長期間留め置かれることになります。従って、プルサーマル運転を認めるべきではありません。
8.地震動想定は約4倍にすべき<P16~18>
  断層モデルについて、日本の地震の特性を考慮すれば関電が設定した基準地震動よりも約4倍の規模のものを想定すべきです。
a.震源を特定して策定する地震動について、関電は、強震動予測手法(レシピ)を用いた評価を行い、基準地震動を設定しています。しかしレシピは、世界的な地震の平均像を求める手法であり、そこで用いられている経験式(入倉・三宅式)では日本の地震の特性が考慮されていません。
b.日本の地震の特性に基づく経験式(武村式)を用いた場合、レシピの4倍程度の地震規模になります。
 620 ガルは過小評価<P20>震源を特定せずに策定する地震動については、既往最大の1700ガルにすべきです。
c.震源を特定せずに策定する地震動について、2000年鳥取県西部地震および2004年北海道留萌支庁南部地震を参照して620ガルとしています。これは、中越沖地震で基準値を大きく超えた柏崎刈羽原発の1699ガルに比べるとあまりに小さい値です。基準地震動の最大加速度は少なくとも既往最大の1700ガルにすべきです。(御参考:2008年の岩手・宮城内陸地震では活断層がないと言われていた、岩手県一関市厳美町祭畤で4022ガルを記録しています)
9.再度審査をやり直してください。

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┗■3.金曜行動広がる輪!多角度に深く浸透する
 |  行動を通して私もこんな風に、成長していきたいなぁ
 |  3月6日第139回官邸前行動報告にはなってませんが…やよい
 |  「ちょぼゼミ」に参加して…鳥居 光代
 |  3回目の2月。私としては今までで一番良く理解できたゼミ
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 今日ではなく、先週の事のでスミマセン。先週、外務省前へ向け歩いていると、以前金曜行動報告で、原稿を下さった鳥居さんから、以下の原稿を頂いた。珍しく、ご自分から書きたくなったとのこと(実は以前の原稿は、私が頼みこんで書いて頂いたもの)。
 毎週テント前や官邸前にで配っている田中さんのレポート、私は申し訳無い事に、読み終えた事がなかった。鳥居さんのように苦手でもガンバってるひとがいて、たんぽぽ舎のゼミが、理解に役立ってるのが、嬉しかったぁ。
 ついでに宣伝、たんぽぽ講座は興味深い内容てんこ盛り!詳しくは、金曜行動ビラのスケジュールご参照。こんな講座やりたい!なんて企画持ち込んでもいいんじゃないかな。
  にしざきやよい(たんぽぽ舎ボランティア)

「ちょぼゼミ」に参加して

○ 金曜行動に通ううち、田中一郎さんの冊子を受け取るようになった。メールアドレスがイチローちゃんとなっていて、ずい分砕けたネーミング、と思いながらページを開く。するとネーミングとは裏腹に高度な内容だ。高校の科学の教科書以来の原子である。何だかよく分からないが、とにかく最後まで読み終えた。
 金曜行動で毎週配っている冊子、 田中さんから受け取り、読むが、やっぱ難しい。最後まで読み切るのに数時間もかかる。しかし同じ冊子を読むのに理系の夫は、私の5倍位の時間をかける。ほぼ毎日読み1週間はかけていた。数字ひとつひとつを読み解き、正に精読している。夫とは正反対に赤毛のアンの様な世界に住む私は、上部だけをすーっと読んで流しているだけで、何も残らず、何も分かっていない。
 そして3冊目。読みながらあくびをし、とうとう途中でギブアップ。次の週に冊子を配っている田中さんに思い切って話しかけた、「読んでいるだけではとても理解できない。講演等で話しを聞けば、読むよりは分かるかもしれない。どこかで講演しているか」と聞くと。「私は専門家ではない。講演はしない。私のブログを見れば少しは分かるかもしれない」と。
○ それからも、分厚い冊子を何回か受け取り、四苦八苦しながら読んだ。そして昨年10月、田中さんがたんぽぽ舎で「ちょぼゼミ」をやることを知り「待ってました」とばかりに参加。内容は冊子と同じく難しいが、原子炉、福島事故現場の状況、その他たくさんの情報を次から次へとホワイトボードと身振り手振りも交え、説明してくれた。冊子を読むより余程分かる。しかし化学知識がもともとない上、科学的頭脳を持ち合わせていない私には難しいことばかり。「この言葉は覚えていた方がいい」「この本は読むといい」と言われメモするが、残念ながらその場限りである。
○ 2回目の12月の田中ゼミに参加。ちょうど吉田調書が世間を賑わしていたのもあり、NHKの番組にも触れながらの、時間をかなり超過しての大熱演であった。前回もそうだったが、本、テレビ、新聞、講演等々、全ての物事に疑問を持つことの重要性を何度も繰り返していた。事故調、東電、政府のやり方を延べる時、田中さんはニコニコしながら烈しい言葉をずばずば放つ。これが小気味よい。
○ 3回目の2月。私としては今までで一番良く理解できたゼミだと思っている。3回目だからか、内容が易しかったからか。田中さんの話は、予定開始時刻前から始まり、終了時刻後も続いた。
 内部被曝の恐ろしさを、これでもか、これでもかと体全体を使って表現し、花にも放射能が付いている話。漠然と口にしているベクレルとシーベルトのまやかし。
 原発賛成の人から、自然界にも放射能はあるのにと言われた時、自然と人工の放射能の違いを説明できるようになったこと。今回は、学習内容が他人に伝えられる気がしている。
 日本の科学界と政治の癒着の情けなさ、市民科学者が立ち上がる時だと言う。正に田中さんのような人を市民科学者と言うのだろう。3回の講演を通じて思ったことは、こんな充実したゼミなのに、参加者が少なくすごくもったいないということ。
 また私自身、いくら学習しても原発の知識は微々たるものでしかないだろう。しかし、福島第一原発事故が身近になってから、原発と生物は共存できないことは、はっきりした事実として認識できた。だから私は原発反対派。
(たんぽぽ舎で学ばせてもらっている 鳥居 光代)

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┗■4.新聞より
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 ◆「ベルリンで反原発デモ 福島事故発生4年控え」
    http://www.saga-s.co.jp/news/national/10209/163948

 「【ベルリン共同】東京電力福島第1原発事故から4年がたつのを前に、ドイツの首都ベルリンに住む日本人や地元市民らが7日、ベルリンの中心部で原発反対を訴えるデモを行った。主催者によると約700人が参加した。デモは2013年に始まり、今年で3回目。
 参加者はブランデンブルク門前に集まり、風力発電などの再生可能エネルギーを象徴する風車を掲げたり、福島県の伝統的な民謡に合わせて踊ったりしながら周辺を行進。自営業ラルフ・ロッテスさん(47)は「日本の原発再稼働の動きを不安に思っている。ドイツは脱原発を掲げているが、全ての原発が停止するまでは安心できない」と話した。」
(3月7日佐賀新聞より)

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