たんぽぽ舎から No1932

たんぽぽ舎です。【TMM:No1932】
2013年8月20日(火)その2 地震と原発事故情報-
4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
~福島の怒りと悲しみを忘れない~
テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
(K.M)
★2.地下水位上昇のもう一つの危険性
建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
会場:市川市男女参画センター(ウィズ)F室
★4.新聞・雑誌より3つ
◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら
(8月18日共同通信より)
◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火
(8月19日東京新聞より抜粋)
◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も   (8月18日茨城新聞より抜粋)
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※8/24(土)-25(日)再稼働阻止「全国合宿討論集会」のお誘い
日時:8月24日(土)13:00~21:00、25日(日)9:00~13:00
会場:「スペースたんぽぽ」(東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
主催:再稼働阻止全国ネットワーク   資料代:1000円
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┗■1.「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒り
|  「福島を忘れない!全国シンポジウム」に参加して
|  ~福島の怒りと悲しみを忘れない~
|  テント日誌8月19日(月)経産省前テントひろば-709日目
└──── (K.M)

○ 17日(土)から18日(日)に「反原発自治体議員・市民連盟」が主催する全
国シンポジウムと現地訪問に参加し福島の厳しさを実感してきた。
17日午後からのシンポジウムでは、福島県内の地方議員他が百人を超える全国
からの議員・市民の参加者に東電福島第一原発事故の被害状況を説明し参加者は
熱心に聴き入った。シンポジウムの内容は明くる日の朝日新聞福島地域版に報道
された。

円通寺住職吉岡棟憲さんは、冊子「原発事故さえなければ通信」で本当の福島
を知らせている。阿武隈川の灯篭流しも川底の放射性物質蓄積で灯篭飾りに、防
護服を着てお墓詣りするなんて、除染に5兆円を使って「安心・安全」キャンペ
ーンがなされ、福島の自治体は総て国の下請けだ、と穏やかに怒りを伝えた。浪
江町では月一人当たり10万円の賠償費を6倍に増額を求める、当然だ。マスコ
ミが何も書いてくれない。政治家は、財界と官僚とアメリカに従っている。「被
災者」でなく「被害者」と呼ぶべき、誰かが加害者だ。福島原発でなく東京電力
福島原子力発電所と呼ぶべき、東京の為の発電所だ。

○ 川俣町議員のお話:フクイチの現場を見れば津波は関係ない、ベント前に高
濃度放射能汚染が起こった、除染後の廃棄物を農地に5段重ねしている、福島の
ワタムシの1割に奇形が出た、虫の異常が多く鳥が減っていて生態系異常が心配
だ、県も市町村も生態系調査をやる気がない。

飯館村酪農家のお話:4月に計画的避難地域を発表。そこで遊んでも大丈夫、
マスク外して大丈夫などの「安全説法」。村長は村を守るが、私は命を守る。末
端の行政が悪い、除染は国のいいなり、帰りたい帰れない人へのケアが全く無い、
なぜ飯館村だけ年間5mSvなのか?「帰りたいけれど帰れない人」へのケアが
全くない。

質疑応答も活発になされ、積み残しは交流会で個別に話あった。

○ 18日(日)はバスで現地を回った。最初に福島市内の仮設住宅。平屋建てプ
レハブ住宅がずらっと並ぶ。通路を年配の方が歩いている。怒りと悲しみが込み
上げてきた、原発事故後2年5カ月も経っていまだに仮設住宅生活を強いられて
いる人たちが沢山いる!
福島市を南下して川俣町に。絹の町として羽二重を輸出して栄え、日銀福島支
店がこの町にあり、昭和46年まで鉄道があった。学校の体育館まわりに400
戸が避難して入居した。富士山が見える北限の山がある。
飯館村に入ると田んぼに稲穂がなく草ぼうぼう。家という家に人の気配無くミ
ートプラザと大書したドライブインも閉鎖。11年3月15日に放射能の雨が降
った。計画的避難区域で作付も禁止。あちこちの道が通行止め。

○ 川俣町山木屋も同様で、人の気配が無く家が泣いているよう。放射性物質は
谷沿いの上昇気流に乗り木に当たって落ちた。田んぼには沢山のブルーシートや
黒円盤5枚重ね。空間線量は7μSv、バスの中でも2.3μSv。
葛尾村では住居回り20mが除染された。道路沿いに掲げられた「除染作業中」
の旗とジョイントベンチャーの立て看板。田んぼの茶色の塊は減量化してから仮
置きする。一日に300tも除染廃棄物が溜まっていく。

○ 「福島を忘れない!全国シンポジウム」と現地見学に参加して、一番に感じ
たことは、今まで何も分かっていなかったとの実感。人の気配のない家々、牛一
匹もいない牛舎、JVによる除染廃棄物と雑草に覆われた田んぼ。線量計を手放
せない不安な生活。被害者の方々がもっと怒らないことが不思議だ。
「ふるさとも生活も仕事も奪われた」被害者の深い悲しみと怒りを胸に、闘おう。

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┗■2.地下水位上昇のもう一つの危険性
|  建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ (上)
|  汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

汚染水問題で福島第一原発が、震災以来最大の危機を迎えている。ところが、
その危機の全貌は東電からも規制庁からも明らかにされていない。
現実には高濃度汚染水の流出問題に加えて、建屋への大規模な浸水と液状化、
建屋傾斜あるいは倒壊の危機すら迫っている。
福島第一原発の建屋周辺には「サブドレン」と呼ばれる地下水くみ上げ井戸が
作られており、事故前には毎日地下水が汲み上げられて海に放出されていた。
1号機と2号機の周辺には27本、3号機と4号機の周りには30本、しかし地震と
津波の影響で使えなくなり、昨年5月までに、いくつかの井戸を汚染浄化対象と
して汲上が再開されたものの大半は動いていない。

地下水対策は大型構造物に必須であるのに…東京駅の対策の実例

地下水対策は、地下構造を持つ建物にとっては必須であることは、東京駅や上
野駅の地下水対策を見ても分かる。
東京では高度経済成長期に大量の地下水が工業、上水目的で汲み上げられてい
た。そのため大規模な地盤沈下が発生し、ゼロメートル地帯が出現、大雨や高潮
時の度重なる浸水被害や建物が破壊されるなどの影響が出てしまい、地下水の汲
み上げを規制した。地下水位は徐々に回復し、地盤沈下は収まったが、こんどは
地下水の水位上昇により地下構造への浸水や建物の浮き上がりが問題になった。
例えば東京駅の場合、地下水位は駅の建設時で地下35mあったのが、2000年段
階では地下15mと、20mも上昇している。最下層には総武横須賀線が入っている
が、この地点は地下27mで、建設時は地下水位よりも高かったが今では「水没」
している。そのため大量の地下水が流入する。対策として毎日4000トンから5000
トンも汲み出している。さらに駅構造は空洞なので、ほっておけば浮き上がる。
駅舎やトンネル構造に重大な損傷を招くから、それを防止するために「グラウン
ド・アンカー」と呼ばれる鋼鉄製の重りを大量に入れている。1999年段階で総数
は130本に達し、1本あたり100トン相当の浮力に対応できるそうなので、13000
トンもの浮力を支えている。
地下水(総武線馬喰町駅に汲み上げポイントがある)は総武・横須賀線の脇に
設置された配管で品川区を流れる立会川に放流している。地下水はきれいなので
以前は東京でも一、二を争う汚い河川が排水のおかげで浄化され、ボラの大群が
遡上し話題になっていた。〔以下、(中)につづく〕

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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆8/24脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~

国や電力会社の社会的責任が問われる中、ドイツ・デンマークの例から脱原発
理念を学びましょう。

テーマ 脱原発エネルギーは可能!~ドイツ・デンマーク探訪レポート~
お 話 大野ひろみ さん(佐倉・市民ネットワーク/市議会議員)
日 時 2013年8月24日(土) 13:30~
場 所 市川市男女参画センター(ウィズ)F室 市川西消防署上
JR市川・京成真間駅より5分 TEL(047)322-6700
資料代 500円
主  催:戦争はいやだ!市川市民の会 問合せ:(菊池)047-337-5786

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┗■4.新聞・雑誌より3つ
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◆女川原発近くで風船千個飛ばす 再稼働反対の住民ら

東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する県内の地元住
民らが18日、事故発生時に放射性物質がどこまで拡散するか調べようと同原発
から約7キロ離れた女川港(女川町)で約千個の風船を飛ばした。
家族連れなど約100人が参加し、色とりどりの風船に付けたカードに「子ども
たちの未来に原発は残しません」などのメッセージを書き込んだのち、一斉に青
空に向けて飛ばした。南西の風が吹いていたため石巻市雄勝方面への飛来が予想
されるという。
カードには風船を拾った人に発見場所を報告してもらえるよう連絡先などが書
かれてあり、主催団体で集約して公表する予定。(8月18日共同通信より)

◆桜島噴煙5000メートル 昭和火口で爆発的噴火

鹿児島市の桜島・昭和火口(標高約800メートル)で18日午後4時31分に爆発的
噴火があり、噴煙が高さ約5000メートルに達した。鹿児島地方気象台によると、
昭和火口としては2006年6月の観測開始以降で最高の高さ。噴火は今年500回目
となった。(中略)
18日の噴火では、大きな噴石が約1800メートル離れた3合目に落下したほか、
小規模の火砕流が火口から南東約1キロ地点まで流れた。(中略) 噴煙は風で北
西方向に流れ、鹿児島市などに大量の灰が降った。(後略)
気象台はさらに大きな噴火が起きる兆候はないとして、噴火警戒レベルはレベ
ル3を維持し、火口から半径2キロの入山規制を継続する。
(8月19日東京新聞より抜粋)

◆検診データ登録遅れ 原発作業員の健康管理
東電、数値修正で混乱も

東京電力福島第一原発で、事故直後に緊急作業をした作業員の健康管理の不備
が目立っている。健康診断結果のデータベースへの登録が6割程度と遅れている
ほか、7月には東電が登録の前提となる被ばく線量を修正し、混乱を招いた。事
故から2年5カ月が経過しているが、国や事業者による健康管理は厳格さを欠い
たままだ。(中略)
累積被ばく量が100ミリシーベルトを超えると、がんの発症リスクが高まると
される。国は高い被ばく量が見込まれる緊急作業に従事した約2万人をデータベ
ースに登録する方針。長期的に健康管理するため東電や協力企業などの事業者に
対し、作業員の被ばく量に応じて年1,2回の健康診断やがん検診などの検査を
受けさせ、結果を提出するよう求めている。(中略)
東電は7月、厚労省の指導をきっかけに、2011年~12年度の作業員の被ばく量
を修正した。452人が既に報告していた値よりも大きくなり、最大約49ミリシー
ベルト高くなった。100ミリシーベルト超の人は6人増えて173人で、ほとんどが
事故直後に働いた作業員だった。(中略)
修正に合わせて東電は、特に健康リスクが指摘される作業員の甲状腺被ばく線
量(等価線量)についても公表。これまでは実測データがある522分しか明らかに
しておらず、100ミリシーベルト超は178人から1972人と10倍以上に増えた。この
うち東電が実施している甲状腺の超音波検査を受けたのは半数以下だった。
(8月18日茨城新聞より抜粋)

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